趣味の活動記録。
【タイトル題字:細身のシャイボーイ様】
渋谷という土地は、私が敬愛してやまない鉄道紀行作家の宮脇俊三先生縁の地(名著『時刻表昭和史』第一章に詳しい。『昭和八年澁谷驛』にもっと詳しい。)ではあるものの、個人的には田舎者故、何より人の多さによりよっぽどの事でなければ近づきたくないところであるが、この日は、個人的に応援している某アーティスト約2年ぶりのワンマンライブとあって、覚悟を決めて、宇都宮駅から乗ってきた湘南新宿ラインの列車を降り立った。
しかし、実は今回、ライブ以外にも、渋谷に来る楽しみがあった。東急電鉄系の東急グルメフロントが経営する「しぶそば」は、個人的に、上京しないと味わえない駅そば各店のなかでも、なかなか難易度の高い店(何故か個人的に東急線沿線には縁遠い)であるが、その本店格たる「本家しぶそば」は、是非一度伺いたいところであった。
以前渋谷駅構内に有った店は、渋谷駅およびその周辺の再開発によって2020年9月に閉店し、昨年(2025年)9月に現在の場所に再移転。有名なスクランブル交差点はじめ人波に揉まれつつ、地図を頼りに店の前まで。
入店すると、思った以上の狭さ。まずカウンターにて口頭で注文するところは、移転前と同様だそうだ。そこで、本家しぶそば限定メニューの、さばコロッケそばと究極におかかめしを注文。どのような仕組みになっているのかは判らないが、暫くすると、注文後適当に座ったカウンター席に、間違いなくそれらの品々が提供された。
どれから箸をつけるか一瞬迷ったが、まずは卓上の「おかか飯の食べ方」というPOPに「賞味期限は3分です」と書かれていた究極おかか飯から。その食べ方に従い、最初ははかつお節からとのことだが、確かに、風味の良いわりと上質なかつお節の味がする。次は卓上の「しぶそばのつゆ」を8滴垂らして混ぜろとのことだが、これがなかなかに難しく、傾けたらドバっと出てしまった。ただ、多少のオーバーは大丈夫だったようで、良く混ぜて食べたところ、ご飯、かつお節、ワサビ、半熟玉子が一体となって、なかなかに良い感じであった。
そのおかか飯を食べきる前に、さばコロッケを。さばコロッケとは聞き慣れないが、実は和歌山県日高町の御当地コロッケで、PR記事を引用すると、「和歌山県の紀伊水道で上がったサバを紀州梅酢で食べやすい南蛮漬けにし、北海道の男爵いもで包みこみコロッケにした商品」とのこと。箸を入れてちぎろうとすると、衣のサックリ感、そして中のネットリ感がわかる。そして口に入れると、梅酢より生姜の香りが強く感じ、それにより、鯖特有の魚臭さを消している気がする。
次に、コロッケは入れずにそばを啜れば、ツユは出汁感が結構強く、味付けは濃口醤油と甘味が効き、塩気もしっかりという感じ。またソバは、自然な歯応えが印象的である。
あとは、コロッケをそばに入れ、おかか飯をかき込みつつそばを啜れば、これが、もう。
というわけで、どれも美味しくいただいたのであるが、賞味期限3分に引っ張られて急いで食べたため、ゆっくり味わえなかったのが少々勿体なかったかと。ただ、よっぽどの事でなければ近づきたくない渋谷であるが、また上京した折にこの店に立ち寄り、今度は、別の科をゆっくり味わってみたいとは思った次第である。
ごちそうさま。
令和8年5月訪問
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