たひお備忘録

惑い迷える40代の、食べ歩き、競馬の旅打ち、城巡りなんかの記録。
【タイトル題字:細身のシャイボーイ様】

『探訪!日本100名城』 10/100城目 金山城 【平成25年2月2日】

金山山頂の新田神社内にある金山城趾碑

 前々記事の鑁阿寺から前記事のおそば屋さんへと寄った後で向かったのが、この金山城。金山自体は昔、モータープールまで行った事があったのですが、当時はお城とかに興味が無く、その辺りをぶらっと歩いただけで帰ってきてしまいました。なので、ちゃんと行くのは今回が初めてというか。


金山城について

 金山城は、群馬県太田市にある国の史跡。関東地方では非常に珍しい総石垣造りの連郭式山城で、関東七名城の一つに数えられています。また別名は、新田金山城や太田金山城とも。ちなみに、お城のある金山は標高239mの独立峰で、万葉集で詠まれた『爾比多夜麻(にひたやま)』=新田山ということで、古代より当地のシンボルだったみたいですね。

 その金山城。南北朝時代前期の建武3年/延元元年(1336年)に、下野国の佐野義綱が新田荘に攻め込み、新田城を攻め落としたという記録があるのですが、この新田城が金山城と関係があるかは不明との事。(一説には、金山のどこかに設けられた簡易な砦であるとも。)

 現在判っている歴史によれば、応仁3年/文明元年(1469年)に、もともと新田一族であるが南北朝内乱期に足利方として行動し、新田義貞を中心とする南朝方新田氏が滅んだ後で新田荘を支配した岩松家純が、重臣であった横瀬国繁に命じ、世良田長楽寺の僧である松陰軒西堂の縄張りにより築城。といっても、中世のお城なので天守を造ったというわけではなく、館をはじめ、矢倉や石垣、土塁、堀切、矢倉などを山全体配した軍事拠点という性格の物だったそうです。そして文明10年(1478年)には江戸城を造ったとされる太田道灌が松陰軒西堂のもとを訪れた際、金山城を見て「天下の名城」と称えたそうで。

 しかし、下克上によって享禄元年(1528年)に、横瀬国繁とその子で後に源姓由良氏を名乗る成繁親子が実権を掌握。国人領主を改め戦国大名の地位を得たのですが、当時関東は甲斐の武田氏、越後の上杉氏、相模の北条氏などの戦国大名が争いを繰り広げていたそうで。そんな中、生き残りと領土の拡大をかけ、ある時はそれらと手を組み、また敵に回すなどした結果、領土の拡大(天正年間の最盛期には桐生、赤石、館林、足利にまで支配が及んだとの事)にも成功。その間、城の改築・改修なども行われたようで。ですがその後また色々あって、結局北条氏が支配することとなったのですが、由良氏から北条氏支配の間、数度にわたる武田や上杉などの攻撃を受けても難攻不落を誇ったそうです。ですが、天正18年(1590年)の小田原攻略に際し、前田利家ら上野の国を攻めた軍勢に接収され、また、由良氏も常陸国牛久に移封となったため、金山城は廃城となってしまいました。

 その後の金山は、江戸時代の慶長18年(1613)に、徳川家康により(その祖と称していた)新田義重追善のため、寺領300石で呑龍上人を開山として創建。また、幕府直轄の御留山として、毎年秋になると金山のアカマツ林から産出する松茸を将軍様に献上する行列が仕立てられたそうです。(ちなみに松茸は明治以降、皇室に献上となり昭和39年まで続いたそうです。)そして明治に入り、明治8年に山頂の実城跡に新田義貞をまつる新田神社が創建。昭和9年に国の史跡に指定(平成14年にも面積を拡大して追加指定)されました。また、平成4年から発掘調査が開始され、それまでの城の定説を覆す、石垣、石敷を多用した城だった事が裏付けられ、その成果に従って復元作業が行われたそうです。

実際に行ってみた

 そんなわけで、前述のとおり足利市の鑁阿寺を後にして、県境をまたいでお隣の太田市に移動。市内でそばをいただいてから金山へ。

【史跡金山城跡ガイダンス施設・太田市金山地域交流センター】史跡金山城跡ガイダンス施設・太田市金山地域交流センター
 で、まずは、金山中腹にあるモータープール(駐車場)へ行く前に、その途中にある平成21年に開館した史跡金山城跡ガイダンス施設・太田市金山地域交流センターへ。ここで、金山城の歴史を勉強したのですが、特に、『比類無き名城金山城』という5分程の映像作品は解りやすくて良かったです。っていうか、こういう施設で登城前に勉強できるのは有り難いですね。

【モータープール(駐車場)】
モータープール(駐車場)
 麓からもハイキングコースが整備されているのですが、今回はここからアタック。

【案内看板】
案内看板
 駐車場から新田神社へのルート。ちなみに道中、ハイキングコースだけあって、結構気合いの入った恰好をされている方が多かった様な。(ジャンパーにスニーカー履きは少々気恥ずかしかったというか。)

【西矢倉台西堀切】
西矢倉台西堀切
 駐車場から歩いて、多分最初に目にする大きな遺構がこれ。

【桟道(かけはしみち)】
桟道(かけはしみち)
 西矢倉台西堀切を降りて行くとこちらへ。以前は通れたようなのですが、残念ながら通行止めとなっていました。

【西矢倉台下堀切】
西矢倉台下堀切
 駐車場から歩いて2つめの堀。

【物見台下堀切】
物見台下堀切
 駐車場から歩いて3つめの堀で、馬場下通路に至る石造りの土橋が掛かっています。

【馬場下通路】
馬場下通路
 物見台下堀切付近から竪堀まで続く石敷の通路。この辺りからますます軍事拠点っぽくなってくる気が。

【馬場通路と物見台跡】
馬場通路と物見台跡
 馬場下通路の上方には馬場通路と物見台跡が。ちなみに物見台跡に立つ台は当時の物見矢倉の復元ではなく、調査で確認された柱穴の位置を表示するための施設とのこと。

【竪堀】
竪堀
 4つめの堀。

【馬場曲輪】
馬場曲輪
 馬場曲輪と名前が付いていますが、後の発掘調査によって兵の待機場所と考えられるようになったそうです。っていうか、曲輪の名称は正式な物が不明な為、廃城後の江戸時代の絵図や国宝指定時での名称を、後の発掘調査でその曲輪の名称と用途が違うと判ったのですが使い続けているそうです。そんなわけで、馬場中央の建物も厩の復元では無く、発掘された柱穴を利用した四阿(あずまや)とのこと。あと、こちらのお城で特徴的な石組みの水路が復元されています。

【大堀切】
大堀切
 馬場曲輪と三の丸の間にある5つめの堀切。それにしても、堀切は写真撮るのが難しいというか、スケール感出ないですね…。

【月ノ池】
月ノ池
 これも馬場曲輪と三の丸の間にある物。山の頂上付近にこういう池を造るのって珍しいですね。あと、大堀切方向から伸びているホースがちょっと無粋というか。

【大手虎口】
大手虎口
 ここからが金山城の中枢部だったと思われるエリアでしょうか。それにしても、中世城郭の常識を覆した石垣が見事に復元されています。ちなみに復元に使用した石は、元々ここにあった物も一部使用されているそうで。

【大手虎口中央の通路】
大手虎口中央の通路
 両側の石垣、そして石組み水路が見事ですね。で、この通路の奥は、土塁石垣が築かれています。

【大手虎口付近の曲輪群と土塁石垣】
大手虎口付近の曲輪群と土塁石垣
 こちらは上から見下ろしたところ。

【大手虎口脇曲輪】
大手虎口脇曲輪
 発掘調査によって遺構が確認され、そこに在ったと思われる、武器庫を兼ねた兵士の詰め所、かまど、そして井戸が復元されています。

【大手虎口上段南曲輪の休憩所】
大手虎口上段南曲輪の休憩所
 日本100名城スタンプラリーのスタンプはここに。無人の施設に置かれているので、無くならないかちょっと心配ですね。

【日ノ池】
日ノ池
 土塁石垣の奥には、前述の月ノ池よりもさらに大きな日ノ池が。で、この日ノ池(前述の月ノ池も?)は、生活用水というより、戦勝祈願や雨乞いなどの儀式の場として用いられた場所のようで。また発掘調査の際、ここからは平安時代初期の水の信仰に関わる物も発見され、古くからこの場所がそのような場所だったらしいです。

【新田神社】
新田神社
 山頂部の実(み)城跡と呼ばれる場所には、新田義貞公をまつる新田神社が。ちなみに、駐車場からここまで、色々な以降を見つつ休み休み来たのですが、約1時間程掛かりました。

感想とかまとめとか

 というわけで、初めてちゃんと行ってみた金山城だったのですが、中世城郭の常識を覆した石造りの山城ということで、大変興味深かったというか。特に、復元された大手虎口付近は軍事拠点としての姿の他、日ノ池と月ノ池にはそれだけではない何かを感じることが出来ました。もう少し時が経って、復元された石垣がもう少し馴染むというか苔むした頃に、もう一度お伺いしてみたいですね。それと最後に、金山城にお伺いするにあたりというか、帰ってこのエントリを書くにあたっても、太田市のウェブサイトがとても参考になりました。

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