たひお備忘録

とりとめのない趣味の、とりとめのない活動記録。
【タイトル題字:細身のシャイボーイ様】

『探訪!日本100名城』 33/100城目 小諸城 【平成26年4月26日】

小諸城趾の石碑

 前の記事でも少しだけ書いたとおり、4月下旬に長野、新潟、群馬のお城を巡ってきたのですが、その最初のお城が、日本100名城の1つにも選ばれている、長野県小諸市の小諸城です。


小諸城について

 小諸城は、長野県小諸市にある平山城。城下町よりも低い位置にあるので穴城とも呼ばれるそうで。

 その築城というか起源は平安時代にさかのぼり、平家物語などにも登場する木曾義仲の配下であった小室太郎光兼が、当地周辺の支配のために現在の城趾東側に宇頭坂城と呼ばれる館を築いたのが始まりとのこと。その後南北朝時代に小室氏は衰退し、変わって当地周辺を支配したのが大井氏。元々佐久に本拠を持つ一族であったのですが、戦国時代の争いによって宗家は滅亡。その一部が小諸に流れ鍋蓋城を築城。そして現在の二の丸付近に乙女城を築城したのですが、信濃国平定を勧める武田信玄の侵攻によって落とされたらしいです。

 で、その武田信玄が当地を含む信濃東部の支配のため、天文23年(1554年)に鍋蓋城と乙女城を取り込んで築城したと言われるのが、現在の小諸城のベースとなっているもの。ちなみに縄張りは天才軍師にして築城の名手山本勘助によるものと伝えられているのですが、山本勘助自体がちょっとファンタジーっぽい存在なので。(もっとも、甲陽軍艦のとおりに実在していたと思っていた方が、個人的には人生楽しいですけど。)

 ですが武田氏は天正10年(1582年)の織田・徳川連合軍による甲斐侵攻によって滅亡。その後、滝川一益、北条氏、徳川氏と城の支配はめまぐるしく変わっていきますが、天正18年(1590年)、小田原征伐によって豊臣秀吉が天下統一を果たすと、その際の軍功により仙石秀久が5万石をもって城主となります。その際、城下町を含む城を時代に合わせて大改修を行いました。その後、秀久は慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦いの際には東軍に付き(徳川秀忠と共に上田城にちょっかいを出して足止めを喰らってた別働隊)、慶長8年(1603年)の江戸幕府開闢以降は小諸藩初代藩主となり、慶長19年(1614年)の没後は子の忠政が藩主、そして城主を継いだのですが、元和8年(1622年)に上田藩に加増転封となりました。

 その後は一時小諸藩廃藩となり城代が置かれたり、更にその後、約80年の間に城主が6人と安定しなかったのですが、その間にも御殿が建てられたりするなど城の改修は行われていたようで。で、元禄15年(1702年)に牧野康重が城主となり、以降明治維新を迎えるまで10代にわたって城主を務めました。

 そして明治に入ると、小諸城も他の城の多くと同じく廃城になり、明治13年(1880年)に城郭は払い下げられたのですが、小諸藩の旧士族の手により本丸跡に神社が祀られ、「懐古園」と名付けられて以降、公園として整備されて現代に至ります。

実際に行ってみた

【朝の佐久小諸JCT】
朝の佐久小諸JCT
 自宅最寄りのICから高速に乗って、東北道~北関東道~関越道~上信越道と走り、佐久小諸JCTから中部横断道へ。といっても入ってすぐの佐久北ICで降り、一般道をちょっと走って、午前7時頃、しなの鉄道(JRも乗り入れますが)小諸駅に到着。

【小諸城大手門】
駐車場に静態保存されているC56形蒸気機関車
 【門裏側から】
門裏側から
 【しだれ桜と大手門】
しだれ桜と大手門
  で、何で小諸駅かというと、その駅のすぐ近くに、国重文にも指定されている小諸城の大手門があるからでして。廃城後、料亭などとして使われていたものを平成20年に復元整備したそうなのですが、脇の櫓台に見える石垣と一体化していない所などがなかなか特徴的というか。

【駐車場に静態保存されているC56形蒸気機関車】
駐車場に静態保存されているC56形蒸気機関車
  それでクルマは大手門付近の駐車場に停めたまま、徒歩で小諸城趾公園である懐古園に移動。さすがに懐古園開場まで1時間以上あるので駐車場はまだガラガラだったのですが、その片隅には、小諸駅に乗り入れる小海線で使われた国鉄C56形蒸気機関車(C56 144)が静態保存されていました。

【小諸城三の門】
小諸城三の門
 【三の門裏側】
三の門裏側
  それで懐古園に来て、まず(入場口の外側にあるので)拝むはこちらも国重文指定の三の門。某国民的アニメのオープニングにも何度か登場したそうで。(どおりで見覚あると思いました。)ちなみに、現存する三の門は、寛保2年(1742年)に起きた洪水によって崩壊し、明和2年(1765年)に再建されたものだそうで。

【懐古園入口付近】
懐古園入口付近
  三の門の奥は懐古園の入口なのですが、ここで暫し悩んだというか。懐古園への入場は有料で、その開場時刻は午前9時。現在時刻は午前8時過ぎですが入口は開け放たれ、皆さん(観光客や地元の方も)普通に出入りしています。で、結局のところ、後で入場料を支払うことにしてとりあえず入場させていただくことに。

【入口付近の石垣】
入口付近の石垣
 【二の門跡】
二の門跡
 入場口付近には見事な石垣が続きますが、この付近の石垣は、昭和59年に復元されたものだそうで。なんでもオリジナルの石垣は、明治初期に城趾脇を通る北国街道を整備した時に使用してしまったそうで。ちなみに、この石垣の上は二の丸になっています。そして、そのまま進むと二の門跡へ。
 

【二の丸入口】
二の丸入口
 【二の丸】
二の丸
  二の門から右手前方向へ戻ると二の丸への入口が。ここに限らず懐古園内には桜が多数植えられているのですが、ソメイヨシノの見頃には少し遅かったようで。

【二の門跡を過ぎたところ】
二の門跡を過ぎたところ
 【番所跡】
番所跡
 【南丸跡】
南丸跡
  二の門跡を過ぎると右手は番所跡。そして左手は南丸の石垣が。先程の二の丸もそうでしたが、南丸も広さ的にはそれ程広くないというか、手狭な印象。千曲川に向かって落ち込む急峻な地形のところに築城したためですかね。

【黒門橋と黒門跡】
黒門橋と黒門跡
 【黒門橋から見た紅葉谷】
黒門橋から見た紅葉谷 
【お駕籠台跡】
お駕籠台跡
  通路に戻り奥に向かって進むと、とても深い渓谷(紅葉谷)が。元々の地形を利用して更に掘り下げて堀切にしたと思われるのですが、これがものすごくダイナミック。個人的にお城のこういう部分が大好きなんですよね。で、そこに掛かる橋(黒門橋)を渡ったところが本丸入口の門である黒門跡。すぐ近くにお駕籠台跡というものがあったので、駕籠で来たやんごとなきお方もここで降りたんですかね。

【懐古神社入口付近】
懐古神社入口付近
  本丸は懐古神社となっています。神社内でバシバシ撮るのはあまり好きではないので(といいつつもトップの城址碑は撮ってしまいましたが…。)写真はこれだけなのですが、何ていうか、良い雰囲気でした。

【馬場】
馬場
 【小諸八重紅枝垂】小諸八重紅枝垂
 【馬場跡を囲む土塁】
馬場跡を囲む土塁
  懐古神社を抜けるというか、その裏手に広がるのが馬場。千曲川沿いの縁が一段高くなっていたのですが、土塁に囲まれていたんですかね。で、ここも桜が沢山あるのですが、中でも見頃になっていた小諸八重紅枝垂という桜は見事でした。それにしても、城と桜の取り合わせって良くあると思うのですが、時としてそこに桜は不要ではと思ってしまうものの、花の季節だと素直に美しいって思ってしまうんですよね。

【天守台】
 天守台
 馬場から見た本丸隅の天守台。元々は松永秀久が築いた三層の天守が有ったのですが、寛永3年(1626年)に落雷によって焼失してしまったそうで。

【懐古園入口付近から見た木谷】
懐古園入口付近から見た木谷
【白鶴橋から見た木谷】
白鶴橋から見た木谷
  唐突ですが、こちらが南丸や本丸の南東を走る木谷という谷を利用した堀切。入口付近ではさほど深くないのですが、お城の奥の方というか懐古園内にある動物園との間に掛かる白鶴橋の辺りはかなり深くなっていてものすごい迫力でした。

【徴古館】
徴古館
  それで入口から一度出て、入場券を購入。で、そのついでに入口のところにある徴古館で日本100名城スタンプラリーのスタンプをいただきました

 その後、再び入場して、園内の動物園に向かったのですが、よくよく考えたら、懐古園には二度入ったことになるのだから、入場料も二回分払わなくてはいけなかったのではないかという…。申し訳ありませんでした。

感想とかまとめとか

 というわけで小諸城だっのですが、国重文指定の2つの門のほか、個人的には急峻な谷がちの地形に築かれた曲輪の形状や、それらを取り囲む深い谷を利用した堀切にも感動したというか。そして何より、それらから醸し出される独特の雰囲気。これは小諸城でしか味わえないと思いました。今回は急ぐ旅だったのでさっと一回りしただけで済ませてしまいましたが、この日本100名城スタンプラリーが終わった暁には必ず再訪して、じっくりと堪能したいお城の一になりました。

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