たひお備忘録

惑い迷える40代の、食べ歩き、競馬の旅打ち、城巡りなんかの記録。
【タイトル題字:細身のシャイボーイ様】

秩父鉄道乗車記 【平成30年1月19日】

秩父鉄道社章

 前の記事でもちょこっと書いたのですが、今回所用のため、鉄道を使って埼玉県熊谷市まで行くことに。それで色々と調べたところ、久喜駅で東武鉄道に乗り換え、更に羽生駅から秩父鉄道に乗り継ぐというルートが出てきました。で、秩父鉄道については個人的に遠くて近い私鉄というか、お隣の埼玉県を走っているにもかかわらず、これまで一度も乗ったことがなかったりして。なので、熊谷に行くついでと言っては何なのですが、これを機会に乗ってしまおうかな、と。


秩父鉄道について

 それでまず最初に、今回乗る秩父鉄道についてごく簡単に。

 秩父鉄道は、埼玉県羽生市にある羽生駅を起点とした埼玉県秩父市にある三峰口駅の間71.7kmを結ぶ秩父本線と、埼玉県熊谷市内の武川駅と熊谷貨物ターミナル駅の間7.6kmを結ぶ貨物営業のみの三ヶ尻線の、合わせて79.3kmの路線を有する私鉄で、全線軌間(レールとレールの間の幅)は1067mmで、電化(直流1500V)されています。

 その沿革については、秩父鉄道の公式ウェブサイトに詳細が載っているのですが、会社設立は明治32年(1899年)と大変古く、当時は上武鉄道という名称で、社紋は現在も当時のものが使われているそうです。その後、大正5年(1916年)に現在の秩父鉄道に改称しました。また古くから秩父地区の観光開発を行い、有名な長瀞ライン下りは秩父鉄道の直営で大正時代から運行されているとのこと。また昭和14年(1939年)から平成18年(2006年)に休止となるまでの間、三峰山頂へと通じるロープウェイも運行していました。(翌平成19年に廃止。)

 その路線は、明治34年(1901年)に熊谷-寄居間18.9kmを開業したのを皮切りに徐々に路線長を延ばし、途中、一部区間の路線付け替えもありつつ羽生-三峰口間が全通したのは昭和5年(1930年)のこと。また三峰口から大滝村(現在は秩父市内)まで2.7kmの路線免許も有していたのですが、延伸されないまま昭和11年(1936年)に失効しています。その後、昭和54年(1979年)に熊谷駅の貨物取扱い廃止及び熊谷貨物ターミナル駅新設に伴い、武川-熊谷貨物ターミナル間に貨物船の三ヶ尻線を開業。また昭和59年(1984年)には影森-武甲間1.4kmの貨物線、武甲線が廃止になっています。

 それで秩父鉄道は、中小私鉄にあってはかなり特徴的で、昭和63年(1988年)から運行を開始したSL列車のパレオエクスプレスが有名なのですが、今でも貨物輸送が行われていたり、有料の急行列車が運転されていたり、また西武鉄道から直通列車が乗り入れてきたりしています。(かつては東武鉄道からも乗り入れもありました。)

 それと、使用車両については、かつては昭和中期に自社発注したオリジナルのものを使用していましたが、現在は西武鉄道や東急鉄道などで使用していたものを改造のうえ使用。それ以前は、小田急電鉄の車両や旧国鉄型車両も使用されていました。

羽生駅まで

 冒頭でも書いたとおり、平成30年1月19日の金曜日、所用で熊谷に行くことになっていたのですが、その所用というのがわりと夜遅くからだったので、元々の予定では、夕方近くにちょっとだけ早く仕事を上がってから、JR東北本線(宇都宮線)で大宮まで行って、そこからJR高崎線に乗り換えて向かうことになっていました。

 ですが改めてその乗り継ぎ時刻を調べた時、当初の予定のとおりJRのみを利用して行くより、久喜から東武鉄道、羽生から秩父鉄道に乗り換えた方が、乗り換えの回数は増える代わりに時間的にも早いし金銭的に安いということが判りました。で、ここで秩父鉄道のことが急に気になり更に調べたところ、昼で仕事を上がれば、熊谷を通り過ぎ、終点の三峰口まで往復可能なのが判明してしまったという。

 それが、当日の朝のことだったのですが、出勤後、上司にお昼で帰ることを了承して貰ったので、晴れて実行に移すことになりました。もっともこの時点で、早くも安くもなくなっていたんですけどね。

 というわけでお昼をちょっと回った頃、JR宇都宮駅へと到着。(ちゃんと休暇貰ったとはいえ)半ばサボりのような小旅行、しかも、今回は家人にも「仕事終わってから熊谷に行く」とだけしか伝えていなかったこともあり、ちょっとした背徳感で普段よりも気持ちが昂ぶる出発となりました。

宇都宮 (12:36発) - (13:03着) 小山
列車番号4527Y 快速

【宇都宮駅で発車を待つ逗子行き快速列車】
 宇都宮駅で発車を待つ逗子行き快速列車

 まず最初に乗るのは、湘南新宿ラインの逗子行き快速列車で、E231系という車両の15両編成。もっとも、乗るのは快速運転に入る手前の小山までなのですが。それで乗り込んだのは前(東京方面)から2両目のセミクロスシート車。今日乗車する予定の車両は、JR線以外だと1本を除いて全てロングシートとなる見込なので、今のうちにクロスシート座っておこうかと。

 その列車は定刻に出発。15両という長い編成の端近くにもかかわらず、ボックスシートやドア付近のロングシートには、1人以上座ってる状況です。で、そんな中、「あーばー」と言葉になってない乳児さんの声が聞こえ、車窓からは冬の日差しが。それらのお陰でいきなり非日常感を味わえたというか、とてものんびりして、良いですねぇ。

小山 (13:22発) - (13:50着) 久喜
2547Y 普通

 小山駅で降りたのは、(前の記事にも書いたとおり、)ここで昼食としたかったから。お目当ての立ち食いソバのスタンドは降りたホームにあるのですが、どちらかというとホームの宇都宮寄りにあるため、降りてから結構歩きました。

【小山駅10号そば】
小山駅10号そば
【いただいた冬季限定の鶏皮の旨煮そば】
いただいた冬季限定の鶏皮の旨煮そば

 もう30年以上前となってしまった私の子供から少年時代にかけての頃、小山駅の立ち食いソバって、実はどちらかというと好きではなかったのですが(余談ですが当時、比較的近いところにあるお店で好きだったのは、食べる頻度も一番多かった宇都宮駅(コンコースではなくてホームの店)と、美味しいけどなかなかいただく機会が無かったの黒磯駅。あと、県内ではないけど乗り鉄の際に乗り換えでよく利用した郡山駅。いずれも、NREが立ち食いそば店まで勢力を拡大する遙か前の話です。)、それがわざわざこちらでいただくために列車を降りるなんて、変われば変わるものだと。もっとも、午後1時過ぎという時間帯なのに結構混んでいたスタンドでいただいた冬季限定の鶏皮の旨煮そば(430円)は、とても美味しく感じたのですが、お店の味が変わったのが、私の味覚が変わったのか、多分その両方なんでしょうね。

【小山駅に入線する逗子行き普通列車】
小山駅に入線する逗子行き普通列車

 そばをいただいた後は、程なくして入ってきた13時22分発湘南新宿ライン逗子行き普通列車に乗車。予定では1本後の13時33分発の伊東行きに乗る筈だったのですが、まぁ、そこまで拘る予定でも無いので。で、車両は先程と同じE231系ですがこの列車は10両編成。乗車したのは先程同様先頭から2両目のセミクロスシート車で、丁度ボックス席が空いていたのでクロスシートに座ることが出来ました。

 車内は、先程の列車と同じぐらいの乗車率だったのですが、駅毎に乗車するお客さんの方が多く、私が座っていたボックスにも、途中から妙齢の女性が。その女性は、乗ってきて早々、通路を挟んだ隣に座った男性と何やら話しながら、鞄から取り出したタブレットPCで作業。私は仕事を休んで乗り鉄。そして降りる予定の久喜が近づくにつれて窓の外には曇が広がり、降りる頃にはすっかり曇り空になっていました。

久喜 (13:54発) - (14:13着) 羽生
533 普通

【久喜駅で発車を待つ館林行き普通列車】
久喜駅で発車を待つ館林行き普通列車

 久喜駅では、東武鉄道伊勢崎線に乗り換え。ここでも予定より1本早い、54分発の館林行き普通列車に乗ることが出来ました。

 その車両は両開き4扉の通勤型で、後で調べたところ10030系50番台という形式。乗り換え時間があまりなかったので編成の各車両がどうなっているのかは不明なのですが、この車両に限って言えば、2両編成の伊勢崎方先頭車なので、後ろには2両編成+2両編成もしくは4両編成がくっついて全部で6両編成になっているようで。それにしても、かつて私がバリバリの鉄だった頃も私鉄の車両形式というのは各社命名規則がまちまちで難解だったのですが、すっかり一般人化した今となっては、何が何やらという感じで。ただ、「わからない」ということは、趣味においてそれだけ楽しみが減るということにも繋がるので、常に知識は補充したいところなのですが、歳と共に、覚えたそばから忘れるようになってしまったというのが、何とも。

 と、話が逸れましたが、車内は7人掛けロングシートに3~5人が座っているという感じの乗車率。それにしても、斜め向かいに座ったお兄さんは、パーカーのフードをすっぽり被って口元まで隠し、時折周りをチラ見しつつもイヤホンからと思われる曲にノリノリでした。ですが、その陽気な兄さんの後ろに広がる空は、相変わらずの曇り空。しかも、先程よりも更にどんよりとしてきたような……。

秩父鉄道乗車記

 例によってここまでで無駄に長くなってしまった気がするのですが、ここからが本番というか、本日のメインである、秩父鉄道にようやく乗ることができます。

【羽生駅秩父鉄道改札口付近】
羽生駅秩父鉄道改札口付近
【購入した三峰口までの切符】
購入した三峰口までの切符

 羽生駅は橋上駅で、一度階段を上がって東武鉄道の改札口を抜けた後、秩父鉄道改札口横の券売機で三峰口までの切符を購入して入場。

【羽生駅の駅名標】
羽生駅の駅名標
【羽生駅構内の起点を表す0キロポスト】
羽生駅構内の起点を表す0キロポスト
【先発の熊谷行き普通列車】
先発の熊谷行き普通列車

 小山からここまで予定より1本早い列車に乗り継げたお陰で、ここでも、予定より1本早い14時35分発の熊谷行き普通列車に乗れたのですが、ちょっと迷った末、ここは予定どおりに15時5分発の三峰口行き普通列車に乗ることに。というのも、特に平日は羽生-三峰口間の秩父鉄道秩父本線全区間を走破する列車が少なく、そのわりと貴重な列車に乗れる機会を逃したくなかったんですよね。

 なので、その列車を見送った後、次の列車までホームで暫く待つことに。ただし、この行為が正しいかどうかは自信が無いというか、鉄道会社によっては、安全確保のためか列車ごとに改札口を開け閉めし、その間はホームに乗客を入れないという施策をとっているところもあったように記憶しているので。もっとも、既に改札口を通ってしまったのと、乗ろうと思って改札口を通ったけど結局やめて次の列車にしたことを駅員さんが納得いくように説明できない(っていうか、乗り鉄の行動なんて、説明が付かないことばかりだよなぁ。)自信があったので、そのままホームで大人しく待つことにした、という感じなのですが。

 それで天気は相変わらず曇っていて、太陽がない分余計に寒く感じたのですが、ホームにあったカップ式の自動販売機でコーンスープを買って暖を。で、待つ間に、先程久喜から乗った車両が館林で折り返しとなった列車が戻ってきて、停車後、久喜に向けて再び走って行きました。

羽生 (15:05発) - (17:08着) 三峰口
1539 普通

【羽生駅に進入する三峰口からの普通列車】
羽生駅に進入する三峰口からの普通列車

 ホームで待つこと暫し。14時51分過ぎ、三峰口からの普通列車が到着。この列車が折り返し運転となり、15時5分発の三峰口行き普通列車となります。

【羽生駅で発車を待つ三峰口行き普通列車】
羽生駅で発車を待つ三峰口行き普通列車

 その車両は、7800系という形式の2両編成。ちなみに、先ほど乗らなかった熊谷行きの列車は7500系といい、どちらも、東急電鉄の8090系という車両を改造したものなのですが、7500系は3両固定編成なのに対して、7800系は2両固定編成。更に、7500系は両端の先頭車が種車となった東急電鉄8090系の先頭車を使用しているのに対して、7800系は元々運転台の付いていなかった中間車両を改造して先頭車にしているので、妻面が7500系の折り妻に対して7800系は切り妻、そして正面窓の配置や窓周りの塗装、前照灯と尾灯が一体となったライトの位置などの違いが有ります。

【7800系の車内】
7800系の車内

 それで、どこに乗車するかなのですが、悩んだ結果、後部車両の一番後方、進行方向左側あたりに。窓と直角に座るクロスシート車なら、窓側に座れば車窓を堪能できますが、この車両のようなロングシート車の場合、どこに座っても大差ないんですがね。ちなみに、事と次第によっては三峰口までの2時間ちょっとを運転席直後に立って前を見続けることも覚悟していたのですが、外がだいぶ暗い所為か、運転席後部のカーテンは下ろされていました。

 やがて定刻の15時5分となり、羽生駅を発車。空模様は一瞬晴れ間も出たのですが、発車する頃にはまた曇り空に戻ってしまいました。で、この列車はワンマン運転で、その車内は学校帰りの高校生が主な乗客。さっき見送った3両編成よりは混んでる印象で、7人掛けのロングシートに3,4人程度の乗車率です。

 列車は羽生駅を出るとすぐに左にカーブして、西羽生駅に到着。現在は線路が1線、ホームが1面という構造ですが、わりと立派な橋上駅で、元は行き違い可能だったのか、それとも今後その予定があるのか、構内はもう1線分、線路を通すスペースが確保してありました。そこを出るとレーシングカートのコースを右手見て、新郷駅に到着。鄙びた感がある駅で、ここも1面1線という構造ですが、もう1線分線路を引くスペースが確保してありました。(元は1面2線だった?)

【田園地帯を走る(最後部の窓から)】
田園地帯を走る(最後部の窓から)

 新郷駅までが羽生市の市街地だったようで、発車するといきなりまわりに田んぼが広がり、田舎者には馴染みのあるこの時期ならではの、田んぼに撒いたであろう肥やしの匂いが漂ってきます。そんな中、羽生市から行田市へと入って武州荒木駅に到着。駅のまわりは古くからの街という感じ。ここで上り列車と交換します。

 武州荒木駅を発車後、国道125号行田バイパスが線路を跨ぎ、それを過ぎると車窓に住宅が増えだして東行田駅。1面1線ながら駅員さんがいたことに驚いたのですが、後で調べたところ、秩父鉄道では第5位の利用者数を誇る(平成28年度の1日平均乗車(降車含まず)人員1214人)駅で、羽生を出て以来、前の駅までは駅ごとに数人降りるだけでしたが、ここは多少の入れ替わりが。そしてここからは、土地の形状から元は田んぼだけど現在は市街地化されたであろうところを進んで、忍川を渡ると行田市駅に到着しました。

【古いタイプだった行田市駅の行灯式駅名標】
古いタイプだった行田市駅の行灯式駅名標

 行田市駅は、名前のとおり忍城で有名な行田市の名前を冠した駅ですが、大正10年(1921年)の開業当時は行田駅と称しました。ですが、昭和41年(1966年)、行田市内を通過していた国鉄高崎線に駅が開業するにあたって行田駅の名を譲り、自らは行田市駅となったという。また、以前は熊谷駅に次ぐ乗降客数を誇ったものの、現在の1日平均乗車人員数は先の東行田よりも少ない(それでも秩父鉄道全体では第6位)と、ちょっと切ない過去があったりするのですが。

 その行田市駅を発車すると、線路の南側は行田の市街地となるのですが、私の座っている席から見える北側は、忍川を挟んで田んぼという感じで進み、交換可能な持田駅へ到着。発車すると大変立派な国道17号熊谷バイパスが線路を跨ぎ、熊谷市へ入ると昨年(平成29年)に地元の要望で開業したソシオ流通センター駅に到着かるのですが、この辺りはだいぶ昔に耕地整理をやった田んぼを1枚から数枚づつ開発して宅地化したような風景が続きました。

【JR高崎線を跨いで熊谷駅へ(最後部の窓から)】
JR高崎線を跨いで熊谷駅へ(最後部の窓から)

 ソシオ流通センター駅を発車し、先程とだいたい同じだけど田んぼの割合が増えたような景色が続いていたのですが、やおら建物が増え、上を国道17号と上越新幹線が跨ぎ、今度はこちらがJR高崎線を跨ぐと、これまでの風景とは一転してものすごく大都市感のある熊谷駅に到着。時刻は15時23分と、羽生からここまで20分少々で来ました。で、さすがに秩父鉄道で一番の乗降客数を誇る駅だけあり、乗客もかなり入れ替わって合計では若干増える感じとなり、7人掛けロングシートに4,5人くらい座っているという乗車率になりました。

【JR高崎線と併走(最後部の窓から)】
JR高崎線と併走(最後部の窓から)

 そこで4分程停車して上り列車と交換後に発車。暫くは上越新幹線とJR高崎線の間を走り、上熊谷駅へ到着。熊谷からここまでは、かつて東武鉄道唯一の非電化路線である熊谷線(昭和58年に廃止)も併走していた区間で、上熊谷駅は東武鉄道との共同使用駅でもありました。そして上熊谷駅を発車するとJR高崎線と別れ、次の石原駅に到着。このあたりは相変わらず熊谷の市街地感がありますね。また乗客も、降りる人より乗る人の方が多く、立つ人もちらほら出てきたので、私もお行儀良く座ったままになりました。

【ひろせ野鳥の森駅を発車後、車窓には荒川(の土手)が】
ひろせ野鳥の森駅を発車後、車窓には荒川(の土手)が

 石原駅を発車すると上越新幹線と別れ、ひろせ野鳥の森駅に到着。駅周辺には畑がありました。で、発車すると線路南側に広瀬川原車両基地が見えるのですが、このあたりに貨物駅である広瀬川原駅があり、年に一度の広瀬川原車両基地でのイベントの際は旅客列車が臨時停車するそうで。あとこの辺りから線路の南側に荒川が寄り添うのですが、中流域から下流域に入っているので河川敷が広く、首をひねってみる車窓からは堤防しか見えない状態。そんな中到着した大麻生駅で上り列車と交換。この辺りから車窓は再び郊市街地と言うよりも、農地と宅地化された元農地が混在する景色となって、自治体も熊谷市から深谷市へと入って明戸駅、そして武川駅へ。

 武川駅は、熊谷貨物ターミナル駅へと向かう貨物線の三ヶ尻線が分岐する駅で、とても広い構内には、貨物列車を牽引する電気機関車が多数停まっていました。後で調べたところ、機関車の検修施設があるんですね。そこで上り列車との交換待ちのためちょっとばかり停車。発車後、ヘルメットを被り集団下校する小学生が車窓に見え、武川駅、小前田駅に停車。大里郡寄居町に入って桜沢駅に停車。平成元年に開業した比較的新しい駅で、そこから高校生が多数乗車しました。

 桜沢駅を発車するとJR八高線が北から寄り添い、また見えはしなかったのですが南から東武東上線が合流すると、秩父鉄道、東武鉄道、JR東日本が3社共同で使用する寄居駅へ到着。時刻は16時3分と、時間的には行程の約半分ほどとなりますが、距離的にも71.7kmのうち33.8kmと、半分弱来たことになります。で、気が付けば、進行方向遠くに見えていた山が随分と近くに感じられるようになったのですが、ここで4分停車する間に桜沢駅で乗った高校生がだいぶ降りて、替わりにヘルメット姿の小学生が多数乗車。それにしても、ホームに自動販売機を見かけたのは確か熊谷駅以来なのですが、それだけで随分と街の駅という感じがします。

【波久礼駅を発車後、車窓には荒川が】
波久礼駅を発車後、車窓には荒川が

 寄居駅を発車すると、線路は南下する八高線を跨いで進むのですが、これまでは関東平野を走っていたところ、ここから先は、秩父の山々の間に分け入って進むことになり、車窓の景色もこれまでの郊外という感じから一気にローカル感が高まります。また、駅間距離も長くなったように感じ、そんな中、寄居町から秩父郡長瀞町に入って到着した波久礼駅では、貨物列車が待避線に停車中。寄居駅で乗ったヘルメット姿の小学生が多数下車し、上り列車と交換。そして波久礼駅を出ると、線路の南側には再び荒川が現れるのですが、先程と違い、いかにも上流域といった景色が良いですね。もっとも、ロングシート故、よく見られないのが辛いところですが。で、樋口駅、野上駅と進むごとに線路はどんどん山あいに入り、長瀞駅に到着しました。

【長瀞駅でペイント列車と交換(最後部の窓から)】
長瀞駅でペイント列車と交換(最後部の窓から)

 長瀞駅は、明治44年(1911年)に開業した大変歴史のある駅で、第1回関東の駅100選にも選定。ちなみに開業当時は宝登山駅とてう名前でした。で、駅の西にちょっと行ったところにはその宝登山へと登るロープウェイや、東には長瀞ライン下りの本部があるなど、古くから秩父鉄道が携わってきた長瀞観光の拠点となる駅になっていますが、それにしてもこの辺り、(失礼ながら)田舎なれども、狭い山あいに民家が続いており、その景色に古くからの街だったとことを感じさせますね。その長瀞駅では、車体全面にペイントが描かれた列車と交換後に発車。次の上長瀞駅を出てすぐ、長瀞渓谷を渡ります。

【親鼻駅で貨物列車と交換(最後部の窓から)】
親鼻駅で貨物列車と交換(最後部の窓から)

 そして川を渡ると共に秩父郡皆野町に入り、次の親鼻駅は、長瀞ライン下りの起点となる親鼻橋乗り場の最寄り駅。もっとも、駐車場もある長瀞の本部から無料送迎バスが出ているので、この駅を利用するよりもそちらを使った方が便利な模様です。そこで、貨物列車と交換後に発車。次の皆野駅で、高校生がちょっとだけ乗車してきました。

【武州原谷駅付近を通過(最後部の窓から)】
武州原谷駅付近を通過(最後部の窓から)

 皆野駅を出るととうとう秩父市に入り、最初に停車する和銅黒谷駅はホーム形状の関係で一部ドアが開きません。で、この和銅黒谷の「和銅」というのは、約1300年前の飛鳥時代、朝廷に献上されその後日本最初の流通通貨となる和同開珎が発行されるきっかけとなった「和銅」が採掘された鉱山跡地か近くにあるからで、プラットホームには、大きな和同開珎もモニュメントが有りました。その和銅黒谷駅を発車すると現れるのが、貨物駅である武州原谷駅。秩父太平洋セメント秩父工場に隣接する駅で、入れ替え用の構内にはディーゼル機関車が停車していました。そして、次の大野原駅では、高校生が多数乗車してきました。

【秩父駅に停車中(最後部の窓から)】
秩父駅に停車中(最後部の窓から)

 大野原駅の次が秩父駅で、乗客がわりと下車。そして上り列車と交換後に発車するのですが、ここから次の御花畑駅までは、田舎町の古くからの市街地を進む感じで、ほんと、先程の長瀞駅付近といい、通り過ぎるだけでもそれがわかります。その御花畑駅は、西武秩父線が乗り入れる駅。次の影森駅は平日は半数くらいの列車が終着駅となる駅で、駅構内には留置線があり、元都営地下鉄の5000系や、元西武鉄道の車両を急行形に改造した6000系といった車両が停まっていました。ここから先は更にローカル色が増し、一部ドアが開かない浦山口駅、次の武州中川駅では外がだいぶ暗くなったことを感じ、その次の武州日野駅では中学生の一団が乗車。空席があっても座らずにグループごとに固まって立っているのが、とても「らしい」ですね。そして山の合間にあるという風情の白久駅に停車し、次が終点の三峰口駅。到着は定刻の17時8分で、羽生からの2時間3分は、わりと退屈せずに過ごすことが出来ました。

【三峰口駅に到着した普通列車】 
三峰口駅に到着した普通列車

三峰口駅にて

【三峰口駅の駅舎】
三峰口駅の駅舎
【三峰口駅の改札口付近】
三峰口駅の改札口付近
【購入した熊谷駅までの切符と急行券】
購入した熊谷駅までの切符と急行券
【三峰口駅の駅名標】
三峰口駅の駅名標

 それで三峰口駅では一度改札口を出て、駅の写真を撮った(それにしても、iPhoneというのは、実際に感じるよりもだいぶ明るく写りますね。)後、券売機で熊谷駅までの切符を購入。そこで気になったのが、この後、三峰口駅から乗る列車の終点である影森駅で急行列車に乗り換える予定だったのですが、その急行券をどこで買えば良いのか。接続時間は2分しかないし、秩父鉄道は急行列車も含めほとんどの列車がワンマン運転と聞いているので車内では買えないし。なので駅員さんに聞いたところ、「当駅で購入して下さい」とのこと。ちなみに、購入した急行券は昔懐かしい硬券でした。

【遠目に見た秩父鉄道車両公園】
遠目に見た秩父鉄道車両公園

 あと今回、時間の関係で、三峰口駅に隣接する秩父鉄道車両公園に立ち寄れなかったのは残念だったというか、何時かまた三峰口駅を訪れた際に立ち寄りたいと思います。

三峰口 (17:20発) - (17:36着) 影森
1710 普通

【三峰口駅で発車を待つ影森行き普通列車】
三峰口駅で発車を待つ影森行き普通列車

 三峰口から乗る列車は、先程ちょっと書いたように影森行きの普通列車。その車両は、羽生から乗ってきた列車の折り返しとなります。それにしてもこの車両、椅子が懐かしい硬さというか、80年代の車両という座り心地ですね。

 程なくして定刻となり、各車両数人づつの乗客を乗せて発車。外はすっかりと日が暮れて、景色が全く見えなくなってしまいました。

影森 (17:38発) - (18:37着) 熊谷
1008 急行 秩父路

 影森駅から乗車するのは、今では全国的に貴重な有料「急行」列車の秩父路号。昔は自社発注の車両や、その後旧国鉄の165系急行形車両を改造して使用していたのですが、平成18年(2006年)から、西武鉄道の101系電車を改造した6000系という車両が使用されています。ちなみに、101系というのは3扉の通勤形車両だったのですが、急行形に改造するにあたり、中間扉の撤去やロングシートシートのクロスシート化がなされていますが、その他外観から中身まで色々とカスタマイズされているようです。

【影森駅で発車を待つ熊谷行き急行秩父路号】
影森駅で発車を待つ熊谷行き急行秩父路号
【6000系の車内】
6000系の車内

 それで影森駅に到着後、ホームの向かい側に停車中だった秩父路号に、大急ぎで写真を撮ってから乗車。車内のリクライニングシートは、おおむね向かい合わせの4人掛けで固定されているのですが、扉付近は2人掛けとなっていたので、その中の空いている席に落ち着きました。ちなみに、シートと床の間に暖房ユニットが陣取るため足が伸ばせないちょっと古いタイプのシートなのですが、リクライニングは可能となっていました。

【車内の様子】
車内の様子

 影森駅を発車した列車は、夜の帳が完全に降りた中、マメに加減速したり、タイフォンを結構鳴らしつつ、秩父、長瀞、野上、寄居といった停車駅で僅かな乗客を拾いながら進むのですが、そんな中、突如車内に(大袈裟に言うと)異臭が。で、よくよく嗅いでみると、どうやら珍味とアルコールが混ざった臭いのよう。この車内、(私を含め)オッサン率が結構高い気がしたのですが、どうやら私のちょっと後ろに座っているオッサン2人組が酒盛りをはじめたようで。(でも、一仕事終えた後の電車って、なんか妙に飲みたくなってしまうんですよね。)

【熊谷駅に到着した秩父路号】
熊谷駅に到着した秩父路号
【熊谷駅のホーム】
熊谷駅のホーム

 列車は定刻に、熊谷駅に到着。約1時間なのでちょっと物足りない気もしたのですが、ものすごく久しぶりに、地方私鉄の優等列車の乗り味を堪能できました。


 というわけで、秩父鉄道だったのですが、当日朝に思いついて急遽乗ったわりには、満足度高かったというか、久しぶりにローカルな汽車旅の気分を味わうことが出来ました。もっとも、車窓風景はもっと堪能したいですし、今日は最初から諦めていた西武鉄道からの直通列車も乗ってみたいですし、SL列車のパレオエクスプレスも乗ってみたいし、秩父鉄道車両公園も見てみたいので、遠からずまた訪れたいと思います。


平成30年2月19日

 一部下書きのまま修正箇所を反映しないで記事をあげてしまったので、一時公開停止にしてから修正のうえ再度あげ直しました。

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