趣味の活動記録。
【タイトル題字:細身のシャイボーイ様】
前の記事などでも触れている、令和7年夏「青春18きっぷ」の旅の四日目。
ローカル線だけを乗り継ぐ旅していると、おおむね1回2回の接続は良いものの、それより後は接続が悪くなり、1時間以上待つこともザラに。少ない列車本数に加え、沿線住民の旅客流動を考慮したダイヤを組むと仕方がないところなのですが、旅行者にとっては空白時間に。
でもそれが、丁度食事時で、更には適度に開けた、駅近くに飲食店が残っているような街なら大歓迎。
今回は、岡山県北部の山あいにある新見市の、JR伯備線とJR姫新線、そしてJR芸備線の列車が交わる新見駅でお昼時に1時間半近く接続待ちとなったので、あらかじめ調べておいたこちらのお店で、当地らしい食事でも、と。
そんなわけで列車を降り、駅近くのお店まで。店内は盛況で、先程同じ列車に乗っていたと思しき人もいました(青春18きっぷというか、ローカル線の旅あるある)が、それよりも、地元の人達が外食に利用するお店、といった雰囲気で、日替わり定食や、お品書きには和洋の様々なメニューが。
店員さんにカウンターに案内されると、早速注文。もっとも、こちらのお店はウェブサイトがあるので、あらかじめそれを見て、いただくものを決めていましたが、ウェブの情報は往々にして現在のものと違うことがあるので、念の為、お品書きで確認したうえでお願いしました。
それで今回いただいた当地らしい品事その1が、備中お祭り寿司と名付けられた、鯖の姿寿司。鯖の寿司が郷土料理になっているところは、全国にわりとある印象ですが、新見のは、流通が発達していなかった昔、山陰地方で捕れた鯖を塩漬けにして出雲街道で運んだものを使用。海産物が貴重な山あい故、ハレの日の料理となったといういわれがあるそうで。
もっとも、流通が発達して山あいでも海産の鮮魚が容易に手に入る用になった現代では、塩鯖ではなく生鯖を使用して作ることもあるようで、こちらのお店のも、生鯖を酢締めしたものでしょうか?肉厚だけど、しっかり目の締め加減がいい感じ。そして個人的には鯖よりも感心したのが、もち米入りというシャリ。そのもっちり、どっしりとした食感もそうですが、お酢と甘みの味加減が何とも私好み。それが前述の鯖と合わさって、これがなかなか。食べ応えもかなりのものでした。
それにしても、この頭の部分は、食べたほうが良いんですかね?中にシャリがしっかりと詰まっていたのでその部分と、箸でちぎれる身の部分は食べましたが、結果的に手を使うことになったので、少々品が良くなかったかな、と。
そして今回いただいた当地らしい品その2が、野方汁。当地で野方粉と呼ばれるタカキビ(モロコシ)の粉を練って作った団子が入った汁物、とのこと。タカキビは世界的に主食として、また酒などの原料としても広く利用されている穀物ですが、日本だと、五穀の一つ(キビ)とされることがあるものの、他の穀物と比べると現代ではあまり利用されていないというか。
で、まずは汁からいってみると、あっさりとした中に、出汁や具の鶏肉、根菜類から出た旨味が溶け込んだ上品な味わい。また、名前の元のタカキビの団子は、赤茶色の平べったく丸いもので、タカキビはタンニンを含むため渋みがあるとされているものの、野方粉にする段階で手間を掛けてアク抜きされる為それは無く、柔らかい食感と、個人的には馴染みがない穀物的風味の中に染みた汁の旨味が何とも滋味深く、良い感じでした。
というわけで、当地らしい品々。どちらも美味しくいただき、満足いたしました。旅に出ると、駅そば・うどんばかり食べている私ですが、機会があれば、こうした郷土料理ももっといただいてみたいんですがね。(今みたいな旅ばかりしているうちは無理かなぁ。)
ごちそうさまでした。
令和7年8月訪問
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