たひお備忘録

趣味の活動記録。
【タイトル題字:細身のシャイボーイ様】

京都府京都市 冨美屋

 いきなりですが、食堂やそば・うどん店のメニューにある丼物って、関東と関西だと結構な違いがあるんですよね。
 我が生まれ故郷で今も住む栃木県の場合、カツ丼、天丼、親子丼あたりが定番(異論は認める。)で、逆に関西にあって関東であまり見かけないのが、木の葉丼、きつね丼、衣笠丼といった品々。
 うち、木の葉丼については、スタイルがわりと決まっていて、味を付けた出汁(甘辛いことが多い)で、かまぼこ、シイタケ、青みにネギや三つ葉を煮てから、玉子でとじてたものをごはんの上に載せるというもの。
 ですが、きつね丼と衣笠丼が微妙で、どちらも油揚げを使うということは共通しているものの、きつね丼の場合はネギと共に甘辛く煮たそれをそのままごはんに載せたり、ネギなどの青みと共に出汁で似たものを卵とじにしてごはんに載せたりなどなどわりと曖昧。で、そのうち、卵とじのバージョンの、京都でのローカルネームが衣笠丼とすることが多いようで。(このあたり、適当に調べただけなので、間違っていたら申し訳ない。)
 ちなみに衣笠とは、金閣寺(鹿苑寺)近くにある衣笠山に因むネーミング。第59代天皇である宇多天皇(867年~931年、在位は887年~897年)が真夏に雪景色が見たいと言い出した際、その山に白絹をかけて雪に見立てたことから、別名「きぬかけ山」とも呼ばれた故事があり、ごはんの上のものを、その衣笠山に見立てたところから来ているらしいです。

 と、何でこんなことを長々書いたかというと、(令和6年)6月下旬、3泊4日、うち2泊は車中泊という強行軍で京都・大阪方面に行くことになった(例によって主目的は乗り鉄)のですが、その道中、どこかでそれらの関西ローカルな丼を食べようと思い立ったから。今から30年以上前、大阪に1年ほど住んでいた際、知って気になりつつも食べないまま栃木に帰ってきてしまい、その後何度も関西方面に行くものの、その際も、うどん、お好み焼きやたこ焼き、串カツ、豚まんなど別のものばかり食べてしまっていたからでして。人生において、このまま食べずに終わるのも勿体ないというか、まぁ、終活(という言葉は商売の匂いがして嫌いですが)のひとつですね。
 で、今回、予定を詰めていくと、京都市内の、二条駅の近くでお昼時に時間が取れそうだったので、ネットを使って調べたら、出てきたのがこちらのお店。某ストリートビューで見たところ、いかにも街なかの食堂といった店構えが良く、というか、こういうところで食べたかったんだよ、というわけで。

 それで当日。乗っていた列車が遅れて途中ヤキモキしたものの、何とかJRの二条駅に到着後、雨の中を5分ほど歩いてお店へ。
 開店時刻より30分ほど経っていましたが、店内は先客が1人と、私に続けて常連っぽい方が1人。店員さんに、「空いてるお好きなところへ」と言われたのでテーブル席に座ろうとしたら、「こちらの席の方が良いですよ」とカウンター席に誘導されたところに、「京都」を感じて嬉しくなったりして。
 それで着席してまずお品書きの「丼物」の欄を見たところ、ありました。上から、玉子丼、きつね丼、衣笠丼、木の葉丼、親子丼、天ぷら丼、他人丼、天とじ丼という、お目ての丼フルラインナップ。で、どれをいただこうか迷ってしまいましたが、少し悩んだ後、最終的には油揚げの卵とじに惹かれて「衣笠丼と、丼セットのうどんで」と注文。あと200円でミニうどん・そばが付けられるとあらば、頼むしかないでしょう!

 注文後、厨房からの調理の音を聞きつつ、店内の様子を見るとはなしに見回したりして待つこと暫し。お目当ての、衣笠丼とミニうどんが登場しました。

【衣笠丼 650円 + 丼セット(うどん) 200円】
衣笠丼 650円 + 丼セット(うどん) 200円

 それでまずは、衣笠丼からいってみることに。
 箸を付けると、ごはんの上のものは、かなりジューシーで柔らかく。それをあまり崩さぬよう、ごはんと共に口に入れると、これが、もう。
 まず感じるのは、出汁の効いた、やや甘めの割り下のしっかりとした味で、そこにふわっとした玉子の丸い味、ネギ(九条ネギ?)の風味とシャキシャキ感、そして何より、その割り下をたっぷりと吸い込んだ油揚げの味が広がって、初めて体験するけどどこか懐かしい、何ともたまらない味わいですね。
 また使われている油揚げも、元の豆腐の豊かな味わいを感じるもの。例えは悪いですが、スーパーで売っている高くて良い方の油揚げっぽい、ちゃんとしたもののようです。

 そして、セットのミニうどんですが、ツユはこれまた出汁が効き、そこに薄口醤油とみりんをしっかり効かせた味わい。昔から、京都で何度か食事をした際、味付けが「濃い」かったり、そこまでは行かないけどかなりハッキリしていたことを思い出します。(最初は、関東の田舎者相手だから、わざと味を濃くして出しているんだろうと訝しんだことも有りましたが、どうやら違うっぽい。)
 またウドン(麺)は、見慣れたものよりも若干細く感じましたが、それが当地の標準かこのお店独自のものなのかは不明。
 何にせよ、きつねうどんなどで、丸々一杯いただいてみたいですね。

 というわけで、長年の宿題が一つ片付くと共に、それが美味しかったことに感無量。勿論うどんも美味しかったです。
 ですが一つ心残りがあるとすれば、こちらのお店って、丼物やうどん・そばの他、中華そばもメニューに有ったんですよね。しかも、地元誌で紹介された記事が店内に貼ってあったし。京都の普通の食堂の中華そば、とても気になるというか、是非とも食べてみたかったなぁ。(でももう、お伺いすることは叶わないのかもしれませんが。)
 ごちそうさまでした。

令和6年6月訪問

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ラーメン・そば・うどんなどの食べ歩き、乗り鉄、競馬の旅打ち、モータースポーツ観戦、PC自作など嗜んでいます。

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