趣味の活動記録。
【タイトル題字:細身のシャイボーイ様】
飛行機というものは、栃木の片田舎で生まれ育った個人的には、わりと近年になるまで馴染みのないものだったのですが、子供の頃、羽田空港に発着する、鶴丸マークに赤と紺の帯の入ったJALのジャンボジェット機や、ダ・ヴィンチのマークに水色のいわゆるモヒカン塗装に塗られたANAのトライスター機と共に、そこに至るアクセス路線として、東京モノレールにはちょっとした憧れを持っていました。
それで大人になって暫く経ち、年に何度か飛行機を利用するようになっもクルマでのアクセスが中心で、せいぜい大井競馬場に行く為に利用するくらいしか機会がなかったのですが、今回、その大井競馬場に向かう途中、ちょっとだけ時間が余ったので、羽田空港まで往復することにしました。
東京モノレールは、モノレール浜松町駅と羽田空港第2ビル駅を結ぶ路線(東京モノレール羽田空港線)を持つ鉄道会社。以前は日立グループだったのですが、現在はJR東日本の子会社になっています。
ちなみにモノレールは、一般的な2条のレールを使う鉄道とは違い、名前のとおり1条(モノ)のレールを使う(厳密に言うと、1条では無い場合もありますが。)鉄道で、大きく分けて、レールの下を車両が走る(車両がレールにぶら下がって走る)「懸垂式」(千葉都市モノレールや上野動物園(東京都交通局上野懸垂線)、湘南モノレールなど)と、レールの上を車両が走る(車両がレールに跨がって走る)「跨座式」(大阪モノレール、ゆいレール、多摩都市モノレール)とがあり、東京モノレールは跨座式。更に細かく言うなら、跨座式の中でもアルウェーグ式(日立アルウェーグ式とも)という方式になります。
その開業は、昭和39年(1964年)9月17日。東京オリンピックの開催に間に合わせるため突貫工事で建設されたそうで、当時はモノレール浜松町駅と羽田駅間をノンストップで結んでいました。その後、利用客の増加を図るため途中駅を増やしたり、また羽田空港の拡張に伴って路線が延長されたりして、平成16年(2004年)からは現在の終着駅である羽田空港第2ビル駅が開業。その後も羽田空港の拡張によってルートが変わり、平成22年(2010年)には途中に羽田空港国際線駅ビル駅が開業。11駅の間を、普通列車が約24分、一番停車駅が少ない空港快速が約18分で結んでいます。
前述のとおり、今回、大井競馬場に行くため、本来はモノレール浜松町駅から2駅だけ乗れば良かったのですが、その前に立ち寄った某ラーメン店からまっすぐに向かったのでは、競馬場の開門時刻まで時間を持て余すこと確実となったので、時間つぶしを兼ねて羽田空港まで往復することに。これまでも、モノレール浜松町駅から羽田空港第2ビル駅まで乗ったことは(片手で足りるくらい。うち昼間は1回か2回くらい。)あったのですが、その際、景色の良さが印象に残っているんですよね。
それで山手線で浜松町駅に到着後、モノレール乗り場へ。今回、乗るに当たって、最初は一番早い空港快速か一番遅い普通のどちらかにしようと思っていたのですが、タイミング良くホームに入ってきたのは12時48分発の普通列車。乗車口に列は出来ていたのですが、どうやら後発で羽田空港には先着する空港快速を待つ人だったようで、難なく先頭車の特等席(運転台直後の中央部分の2人掛け席)に座ることが出来ました。ただ、タイミングが良すぎて発車前に列車の外観を撮り損ねたのですが、10000形という平成26年(2014年)デビューの、東京モノレールでは最も新しい形式の車両でした。
【ちょっとだけJR線と併走】
【JR線と分かれて南へ】
【休止中の東海道貨物線?をくぐる】
【天王洲アイル駅進入】
モノレール浜松町駅を発車した列車は、発車してすぐに左にカーブを切りつつJR東海道本線や新幹線などを跨いで、それらとちょっとだけJR線と併走した後、左に大きくカーブしてそれらと別れ、程なくしてこれから暫く併走することになる首都高速1号羽田線と寄り添い、直後に東海道貨物線の運行中止区間をくぐります。それからまた程なくして、天王洲アイル駅に到着。ここは平成4年(1992年)に開業した比較的新しい(と思ってしまうのは、オッサンになった証拠ですね。)駅で、平成13年(2001年)のりんかい線開業後は乗り換え駅になったのですが、モノレールの駅とはちょっと離れたところにある地下駅なので、以前、乗り換えに戸惑った覚えが。
【京浜運河の上へ】
【京浜運河上空を走行】
【駅舎の形が特徴的な大井競馬場前駅に接近】
天王洲アイル駅を発車すると、列車は京浜運河の上空へ。東京モノレールは、開業が東京オリンピックに間に合うよう工期短縮のため、用地取得が不要な京浜運河上に路線を建設した区間が多いとのことですが、それが独特の雰囲気になっているかと。特にここから大井競馬場前駅の先までの区間は、カナル・ビューとも言えるその眺望を、一番長く楽しむことが。やがて右手を併走していた首都高速1号羽田線が離れ運河を渡ると、かつては人口島だった(現在は陸続きの)勝島が右手に。その勝島にある大井競馬場前駅は、駅舎の形が特徴的。昭和40年(1965年)年に乗客増加策の一環として初めて設置された中間駅で、当時は大井競馬場の他、大井オートレース場の最寄り駅でもあったのですが、その後大井レース場は廃止され、その代替として群馬県伊勢崎市に伊勢崎オートレース場がオープンしました。(って、モノレール関係ないですね。)
【京浜運河を離れ平和島へ】
【流通倉庫群の中を】
【流通センター駅と東京流通センター】
大井競馬場前駅を発車すると右手に大井競馬場の立派な姿が見え、それが過ぎると運河を横断。かつては人口島だった(現在は陸続きの)平和島に入ると京浜運河とちょっとだけ離れ、流通倉庫群の中を走ります。このあたりは埠頭や空港があるおかげで、物流の一大拠点になっているのが実感するのですが、そこに設けられた流通センター駅は昭和44年(1969年)の開業です。
【運河を渡って昭和島へ】
【昭和島駅手前の車両基地】
【昭和島駅で空港快速を待避】
流通センター駅を発車すると東京流通センターを右手に進み右にカーブしつつ運河を横断。今度は人口島の昭和島へと入ります。ここには、東京モノレールの車両基地と乗務員などの基地(運輸区)があり、その最寄りが昭和島駅。元々駅はなく、車両基地職員の通勤のために列車を臨時停車させていたそうなのですが、昭和60年(1985年)、元々は浜松町駅にあった運輸区をこちらに持ってくる際、周辺の利便のために駅を設置。更に平成19年(2007年)の快速運転開始に伴って待避線が設置されました。というわけで、こちらの駅に停車後、運転手が交替。(ちなみに東京モノレールは全列車ワンマン運転。)また停車中、後続の空港快速が追い抜いていきました。
【再び運河の上に出たと思ったら地下へ】
【運河をくぐる】
【地上に出たら整備場駅】
昭和島駅を発車後、再び首都高速1号羽田線に沿い、再び運河の上に出たと思ったら、揃ってトンネルに突入。運河の下をくぐると、そこから先、羽田空港のエリアに入ります。で、地上に出たところが、空港エリア最初の駅となる整備場駅。元々は昭和42年(1967年)、羽田整備場駅として開業。平成5年(1993年)、羽田空港の旅客ターミナル移転(第1旅客ターミナルビル「ビッグバード」が供用開始。)によってこの駅から先のルートが変更された日、現在の駅名に改称しました。ちなみに改称前は駅名に「羽田」が付いていたため、当駅を旅客ターミナル最寄り駅と早合点して下車してしまう乗客がいたそうで。
整備場駅を出ると列車は再びトンネルに入り、程なくして地下駅の天空橋駅に到着。かつてはこの西側、現在のB滑走路南端付近にかつての空港ターミナルと、かつての終点である羽田駅があったそうなのですが、前述のとおり、平成5年(1993年)の旅客ターミナル移転によってルートが変わり、駅移転と同時に現在の名称になったのですが、これは整備場駅と同様、乗客の誤乗(というか誤下車)防止のためだそうで。また当駅は、京浜急行電鉄空港線との乗り換え駅にもなっています。
【地上に出ると国際線ターミナルが】
【国際線ターミナルに突入】
【羽田空港国際線ビル駅進入】
天空橋駅を発車後、列車は再び(三度?)地上へ出るのですが、すると平成22年(2010年)に供用開始となった羽田空港国際線ターミナルが視界に飛び込んできます。そこに吸い込まれるように接近し、右にカーブを切りつつ到着するのが、東京モノレールで一番新しい駅である羽田空港国際線ビル駅。国際線ターミナル供用開始と同時に開業したのですが、その際、駅前後の一部ルートが変更されそうで。
【国際貨物地区を走行】
【三度地下へ】
【A滑走路の下を走行】
【新整備場駅】
【空港ターミナル地下へ】
【羽田空港第1ビル駅】
【ターミナル地下をぐいっと右カーブ】
【羽田空港第2ビル駅進入】
【羽田空港第2ビル駅到着】
羽田空港国際線ビル駅を発車し、右手に多摩川の河口を眺めつつ国際貨物地区を通過すると、列車は三度地下へ。ここから先、終点の羽田空港第2ビル駅までは地下区間となります。で、A滑走路の下を通って新整備場駅へ到着後、そこを出発して左にカーブを切れば空港の旅客ターミナルの地下となり、羽田空港第1ビル駅に到着。天空橋駅から当駅にかけての3駅は、前述のとおり旅客ターミナル移転に伴って平成5年(1993年)に開業したのですが、現在の羽田空港第1ビル駅は、羽田空港駅という名称でした。その名称が変わったのが、平成16年(2004年)の第2旅客ターミナル供用開始によって。なのでここから先はその際に延伸された区間なのですが、発車後、ぐいっと右にカーブを切れば、終点の羽田空港第2ビル駅に到着。変化に富んだ30分弱の旅が終了しました。
【羽田空港第2ビル駅に到着した1223H普通列車】
【10000形モノレール浜松町方先頭車の車内】
【羽田空港第2ビル駅南口改札付近】
【羽田空港第2ビル駅北口改札付近】
羽田空港第2ビル駅に到着後、一度南口の改札から出て北口の改札から再びホームへ。ちなみに、モノレール浜松町駅からここまで、普通に切符買うと運賃は490円ですが、ICカード利用だと483円になるみたいです。
あとは大井競馬場へと向かうだけとなったのですが、行きは一番時間がかかる普通列車で来たので、帰りは一番早い空港快速に乗りたいところ。ですが生憎、空港快速は大井競馬場前駅通過。モノレール浜松町まで行って戻っても良いのですが、区間快速なら大井競馬場前駅に停車するので、そちらにに乗車することに。ただ、これから最も早く出発する13:20発の区間快速は、これまで乗ってきた列車の折り返しなので、1本遅らせて13:32発のに乗ることにしました。
【羽田空港第2ビル駅で発車を待つF1324区間快速列車】
【1000形モノレール浜松町方先頭車の車内】
13:32発の区間快速は、東京モノレールの現役車両で一番古い1000形という車両で、平成元年に営業運転を開始。登場した時は写真などで見て大層スマートな印象だったのですが、今となっては若干レトロな感じのする外観ですね。で、この1000形。登場から30年近く経ち老朽化が進んでいる為、先程乗った10000形に順次入れ替え全車廃車になる予定となっているそうで。
【多摩川の河口】
【首都高速1号羽田線と併走】
【昭和島駅の車両基地】
【大井競馬場】
で、今度は進行方向左側のボックスシートに着席。空いている車内でのんびりと景色を眺めつつ、大井競馬場前駅まで戻るのですが、区間快速は羽田空港第2ビル駅を発車後、羽田空港第1ビル駅、羽田空港国際線ビル駅と停車した後は、流通センター駅までノンストップ(その後モノレール浜松町駅までは各駅に停車。ちなみに空港快速はモノレール浜松町駅までノンストップ。)なので、当たり前ですが早く感じますね。で、流通センター駅を出て程なくすると、次の目的地である大井競馬場が見えてきました。
競馬に興じた後は、次の予定のため、大井競馬場前駅から17:40発の普通列車に乗車。やって来たのは平成9年(1997年)に営業運転を開始した2000形という車両で、これで東京モノレールで現役の、1000形、2000形、10000形という3つの形式に1日で全て乗れた事に。特に2000形は4編成と一番数が少ない形式なので、ラッキーでした。
先頭車に乗車すると、ラッキーなことに空席があったので有り難く座らせていただき、たった2駅ですが、今回最後の区間を堪能。途中、レインボーブリッジが綺麗に光っていました。
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