趣味の活動記録。
【タイトル題字:細身のシャイボーイ様】
確か、自分が子供の頃、購入した『国鉄監修 交通公社の時刻表』に、写真付きで郷土料理を紹介するカラー頁があったのですが、そこで南予地方の料理が紹介されたことがありました。当時、鉄道大好きでたいへん食い意地の張った(それは今でも変わらないですが…。)子供だった私は、角張ったデザインが大好きだったキハ181系気動車を使用する宇和島行きの特急しおかぜ号と共に、「いつか特急しおかぜ号に乗って宇和島に行って食べてみたい」と憧れに近い思いを抱いたものでした。その後、高校生の時に初めて四国の地を踏んで以来、宇和島は何回か通り、また特急しおかぜ号にも乗った(キハ181系ではなくなっていましたが)のですが、旅程の関係などで、宇和島駅の外に出たことはありませんでした。
と、前フリが大変長くなりましたが、1月に行った二泊三日の四国(とちょっとだけ広島)旅行で、最初の目的地として訪れたのが、その宇和島。それで今回、宇和島に来た主目的は、日本100名城の1つにもなっている宇和島城なのですが、それと同時に、前述のとおり昔いただいてみたいと思った当地の郷土料理も合わせてという感じで。で、事前にネットで調べたところ、こちらのお店を発見。とうとう、永年の宿願(って、そんな大げさなモノじゃ無いですけど。)を果たす時がやってまいりました。
伊予さつま 1100円
今回、何品か注文し、同行者と分け合っていただいたのですが、その中でまず登場したのが、伊予さつま。ちなみに伊予さつまとはとは、(お店や家庭によって作り方に差異はありますが、概ね)焼いた魚の身と焼いた麦味噌をすりつぶして出し汁で延ばした物をご飯(こちらのお店では麦飯)に掛けていただくという料理で、ぽてっとした濃度がある汁は、思った以上に濃密な味わい。そこに、具の糸コンニャクが食感のアクセントとなり、また、薬味のミカンの皮と青ネギが清涼感をプラスするという感じ。で、これが麦飯と合わさると、味の良さもさることながら、とても滋養が付く気がしますね。
ふくめん 600円
お次に登場したのは、こちらのふくめん。ちなみにふくめんとは、細切りしたコンニャク(もしくは糸コン)に砂糖やみりん、醤油、出し汁などの味を煮含めたものに、紅白の魚そぼろとミカンの皮、青ネギでデコレートした料理で、子供の頃に見た時に唯一「これだけはちょっと…。」(当時、コンニャクと魚そぼろが苦手だったので。)と思ってしまったりして。ですが、今いただくと、どちらかというと見た目を楽しむ料理らしいのですが、糸コンも魚そぼろも上品な味付けが良い感じで、丁度良い箸休めになりました。
宇和島鯛めし 1500円
そして最後に登場したのが、真打ち的な一品である鯛めし。ちなみに、愛媛県にはどちらも有名な、東予地方の炊き込みご飯的なものと、ここ南予地方の、鯛の刺身と薬味を生卵入りのタレと混ぜてからご飯に掛けていただくものという2種類の鯛めしが有ります。それでそのお味ですが、良い塩梅のタレに生玉子のまろやかさが加わり、そこに旨味の強い鯛の刺身、海藻類の磯の香り、ゴマの香ばしさが何とも良いハーモニーを奏でちゃってるというか。また、鯛は当地で養殖された鯛一郎クン」というものが使われていたのですが、500円高で地元の天然物も(数量限定で)あるようです。で、個人的には、こちらので十分過ぎるくらいだったというか、正直なところ、もう一人前くらいいただきたかったです。
というわけで、どれも大変美味しくいただいたのですが、それと同時に、念願が叶って、とても満足いたしました。ごちそうさまです。
平成27年1月訪問
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