趣味の活動記録。
【タイトル題字:細身のシャイボーイ様】
北海道汽車旅の初日。今回の旅で唯一、早い時間に宿に入れる=宿泊地で飲み食いできるチャンスがあるのが、初日の宿泊地である室蘭市。ですが、列車が定刻の約10遅れで東室蘭駅に到着した頃には、寒波が来ている影響か、風雪共に結構な強さに。
でも、このチャンスを逃すと勿体無いと思い、宿にチェックインを済ませると夜の街へと。ただし前述の状況でもあるので、幾つか事前に調べておいたお店の中から、宿に近いこちらへとお伺いすることにしました。
見知らぬ土地で、見知らぬ居酒屋の縄のれんを素面でくぐるのは、個人的には結構勇気が要るのですが、えいやっとばかりにお店に入ったところ、カウンターの中には店主さんと思しき年かさの男性が1人。そしてカウンターには、店主さんと顔見知り、もしくは常連さんと思しき年かさの2人組。
店主さんに(一見客の)一人だけど大丈夫かと尋ねる、はじめてのお店での儀式を無事クリアし、コートを脱いでカウンター席に座ることができました。
外は寒いけど店内はとても暖かいし、喉も乾いていたので、とりあえず(生)ビールを頼み、あとは、壁に掛けられた「本日のおすすめ」のホワイトボードと、壁に貼られた短冊、カウンターに置かれたお品書きから適当に頼もうとしたものの、天候のせいか品切れも多く、選択にちと苦労。それでも、当地っぽい品を中心に、何品かいただくことが出来ました。
で、以下はいただいた順に。
コマイは、氷下魚という漢字を当てるタラの仲間で、道東の能取湖では冬季、水面に張った氷に穴を開けて釣る穴釣りが趣味として親しまれているようですが、一般的には当地で干物として流通。ちなみに個人的にこれまでいただいたことがあったのも、干物を焼いたものでした。ですが、当地では、それを煮付けにして食べるというのは、この品で初めて知ったというか。
で、干物のコマイは若干クセのある香りが特徴的なところ、こちらの煮付けは、上手に煮てあるのか、その香りはあまり感じられず、棒鱈を煮たような良い香りが。
味付けは醤油ベースですが上品で、肉の繊維感はありつつもホロホロと崩れる身と、トロトロの内蔵(白子?)っぽいところが何とも味わい深かったです。これは後述の燗酒がバッチリでしたが、ご飯でもいけそうですね。
壁の短冊に書かれた「マフラー」という文字を見て???となり、店主さんに尋ねたところ、冷蔵庫から出して見せてくれたのが、さつま揚げのような練り物。後で調べたところ、北海道の一部では、細長い形状のさつま揚げを首に巻くマフラーに見立ててこう呼ぶらしいですね。(ズバリそういう商品名で売られているものもありました。)せっかくなので注文すると、焼台で軽く炙っての登場となりました。
早速熱々をいただくと、歯応えは強めで、タマネギっぽい風味と甘味が効いています。また辛子が添えられていて、それとの相性もなかなか。更に醤油をちょっと垂らすと、味が引き締まります。
最初に頼んだビールも尽きたので、日本酒を注文。すると店主さんが、この中から選んでと、4種類くらい一升瓶を見せてくれました。で、中には全国的に流通している銘柄もあったのですが、せっかくなので「北海道で作っているお酒を」を頼んだものの、銘柄をメモするのを忘れてしまったという。
でも、その燗酒は、辛口でスッキリした飲み口が悪くなかったです。
当地というか、室蘭で焼き鳥といえば、豚肉を串に挿して焼いたもの。っていうか、北海道なら函館のハセガワストアで売られている焼鳥弁当が有名ですが、埼玉県の東松山市など、豚肉の串焼きを「焼き鳥」と称するところは全国的に結構あるんですよね。それでお品書きには、好物の内臓系もあったものの、この日は精肉しかないとのことで、それを2本注文。
で、しばらくして、タレがたっぷり絡んだ状態で登場しましたが、このタレが醤油ベースで甘みが強めの甘辛味で、そこがまた当地っぽく感じたというか。また、これにも辛子が添えられていましたが、当然その相性や良し。
ソウハチ(宗八)は、カレイの仲間で、北海道では比較的小型のものが干物としてよく食べられている印象。っていうか、北海道以外では、ソウハチっていう呼び方を聞いた記憶がないんですが、私が無知なだけだったりして。
それでこちらのは、一夜干し?を焼いたもの。カレイの仲間特有の、どこか藁っぽい風味は干物にしても健在ですが、それも個性の範疇で、身はホクホクと骨離れも良く、味もしっかり。
というわけで、どれも美味しくいただき、本当はお銚子もう1本くらい追加したいところだったのですが、近い距離とはいえ宿まで雪の中を帰ることを考えて自重。それでも、とても良い時間を過ごさせてもらいました。
ごちそうさまです。
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