趣味の活動記録。
【タイトル題字:細身のシャイボーイ様】
前の前の記事、前の記事から続いた、1月に行ったE4系Maxに乗ったり北越急行ほくほく線に乗ったり上越線清水トンネルとループ線に乗ったりした日帰り旅行記も、これで最後。
それで今回は、上越線のハイライトとも言える、清水トンネルとループ線を通って帰ります。
それまで、上越南線、上越北線と別れていた上越線が、水上駅-越後湯沢駅間の開業によって全通したのが昭和6年(1931年)9月のこと。その際に作られたのが、群馬県と新潟県を隔てる上越国境の谷川岳を貫く清水トンネルで、開業直後、川端康成の小説「雪国」に出てくる「国境の長いトンネル」として有名になりました。
その清水トンネル。土合駅-土樽駅間にあり、全長は9702mと先程乗ってきた上越新幹線やほくほく線などにある現代の長大トンネルと比べれば長くありませんが、開通から昭和37年(1962年)6月の北陸トンネル開通までは国内の鉄道用トンネルとしては最長を誇りました。
また清水トンネルは、トンネル自体もそうですが、その前後、群馬県側と新潟県側それぞれにあるループ線(螺旋状に線路を敷設した路線。トンネル距離を少しでも短くするため、トンネル出入口の高度を稼ぐべく採用された。)も有名で、群馬県出身の方なら皆知っている「上毛かるた」にも、「ループで名高い清水トンネル」と謳われています。
そんな水上駅-越後湯沢駅間ですが、単線で開業したため、太平洋戦争後の高度経済成長もあって、上越線の輸送力のボトルネックになってしまいました。
それを解消すべく、この区間の複線化が行われることになったのですが、新設される路線は、群馬県側のループ線を含む区間を全長13490mの新清水トンネルを掘って直線的に抜けることにして、新潟県側もループ線は設けないことに。で、昭和42年(1967年)9月に最後に残った新清水トンネルを含む部分の複線化が完成しましたが、新しく建設した路線は下り線として使用し、従来の路線は上り線として使用されることになりました。
ちなみにその際、湯檜曽駅と土合駅は新清水トンネル内に下り線用ホームが設けられたため、従来の路線を利用した上り線と位置的に離れてしまい、特に土合駅については駅舎から下り線ホームまで合計486段もの階段でつながれることになったのですが、そのため土合駅がかつて有人駅だった頃は、「土合駅の改札は下り列車に限り、発車10分前に打ち切りになります」と時刻表の欄外に注意書きされていましたっけ。
それと、この清水トンネルは鉄道遺産に認定されている他、前後のループ線、そして後に掘られた新清水トンネルなどを含め「JR上越線清水トンネル関連施設群」として、平成29年度(2017年度)に土木学会選奨土木遺産として認定されています。
と、例によって長い説明書きとなってしまいましたが、この、上越国境の清水トンネルとループ線、個人的にも、とても思い出のある区間だったりします。
というのも、越後湯沢駅のところでもちょっとだけ触れた、私の鉄道旅行の記憶の中、最古の部類に入る昭和50年(1975年)前後に通ったことがある区間で、その際、一緒に行った祖母(若い頃からの汽車旅好きで、私を乗り鉄の沼に引き入れたうちの一人。)から、ループ線のことや清水トンネルのことを聞いた覚えがあるんですよね。
その後、この区間は何度も乗ったことがあったものの、旅程の関係か、下り線に乗る回数のほうが圧倒的に多く、ループ線のある上り線に乗ったのは数えるほど。なので今回、このあたりに行くついでに、乗れたら良いな、などと思っていた次第。
で、そんな思い入れのある区間を今回走るのが、越後湯沢駅15時8分発の水上行き普通列車。新幹線の高架下にある薄暗い在来線の上り線ホームで待っていると、定刻の15時7分、4両編成のE129系電車が入線してきました。
列車は長岡駅始発だったのですが、車内はかなり空いていて、労せずしてボックス席に座ることが。全体的には、車内にぽつりぽつりという具合の乗客を乗せ、越後湯沢駅を発車しました。
かなりの量の雪が降る中列車は進んで、かつては仮乗降場(その後は臨時乗降場)だった岩原スキー場前駅に停車。ホームにはうず高く雪が積もっています。
次の越後中里駅で、スノーボーダーっぽい格好をした若者を数名乗せると、発車後、下り線と分かれてループ線へと。
この、越後中里駅-土樽駅間にあるループ線は、通称か正式名称かはわかりませんが、「松川ループ線」と呼ばれており、半径402m、線路が交差するところの高低差は約44mとのこと。ただし、交差部を含むその殆どが、通過順に第二松川トンネル(全長1643m)、第一松川トンネル(全長1611m)とトンネル内にあるため、列車に乗っている限りはループ線をあまり実感できないというのが正直なところ。(ちゃんとしたコンパスでも持っていれば、わかるんですがね。)
やがてトンネルを抜け、右側から下り線が合流すると、土樽駅に停車。相変わらず雪は強めに降り続いていますが、「この先の運転について関係箇所と打合せのため」予定の発車時刻を過ぎても停車中。「線路内機器に不具合」があったそうなのですが、朝にもトラブっていた件でしょうか?
その間、車掌さんが検札に回ってきたので、とりあえず一度改札外に出る予定があった高崎駅までの乗車券を購入。そしてドキドキしながら待つこと暫し。安全確認がなされて運転が続行されるようで、15時33分、列車は9分遅れで発車しました。
土樽駅を出た列車は、再び下り線と分かれて、いよいよ清水トンネルに。今日は上越新幹線の大清水トンネルや、ほくほく線の鍋立山トンネルなどなど、まさにトンネル三昧ともいえる旅程でしたが、ここで真打登場という感じで。もっとも、トンネルというのは入ってしまうと真っ暗闇が続くだけなので、個人的には入る瞬間が一番盛り上がり、あとはひたすら出口を待つという按配ですが。
その清水トンネルを抜けると共に新潟県から群馬県へと入って、土合駅に停車。ここから少し行くと、個人的にこの区間のハイライトである、「湯檜曽ループ線」(こちらも通称か正式名称かはわかりませんが。)へと入っていきます。
というのもこの湯檜曽ループ線も、途中、通過順に第二湯檜曽トンネル(423m)、第一湯檜曽トンネル(1753m)という2つのトンネルがあるのですが、それに入る前、ループ線を終えて高度が下がった線路と湯檜曽駅を眼下に見下ろすことが出来るんですよね。「なんだ、そんなことか」とお思いでしょうが、これが結構なスケール感というか。更には、鉄道に乗っていると、これから進む先の線路を見ることができるって、かなり貴重な体験なんです。ちなみに、湯檜曽ループ線の半径ば松川ループ線同様402mですが、高低差は松川ループ線より大きく約46.5mとなっています。
トンネルを抜け、湯檜曽川を渡ると湯檜曽駅に到着。ここまで降りてくると雪は小降りになり、薄日が差してきました。
湯檜曽駅を出ると、湯檜曽川が注ぐ利根川が進行方向左側から現れ、それが右側へと変わると程なくして、終点の水上駅に到着。先程、土樽駅で余計に止まっていた影響で、約6分の遅延となりました。
水上駅からは、15時53分発の高崎行き普通列車に乗り換え。先程の列車が遅れたため、早足で跨線橋を渡って、停車していた4両編成の211系3000番代電車に乗り込みました。
結局、列車は定刻から7分遅れた16時00分頃発車。上越線はここから暫くの間、利根川に沿って走り、その景色は絶景と言って差し支えない程なのですが、生憎、乗っている211系3000番代の車内は、ごく一部を除きロングシートとなっていて、その景色を眺めるには不適。それでも体を捻って、可能な限り景色を眺めつつ写真を撮ったり。
ですがそれよりもこのとき深刻だったのが、スマートフォンの電池切れ。というのも、モバイルバッテリーはたっぷり持ってきていたものの、それとスマートフォンを繋ぐライトニングケーブルに不具合が出てしまい、充電も残り20%を切ってきてしまったという。
このままでは、メモも取れなくなるし、写真も撮れなくなるし、地図も見られなくなるし、時刻表も見られなくなるし、旅程の確認もできなくなるし、本を読んだり音楽を聴くこともできなくなるしと、非常に困った状態。何にでも使えるスマートフォンですが、それ使えないと逆に何もできないくなるというのは、我ながらどうかと。(せめてメモ帳と時刻表くらいは、紙で用意しないと駄目だよなぁ。でも、荷物が増えるのは……。)
そんな、嫌な意味でのドキドキを抱えつつも列車は進みますが、関東平野に降りてくるに連れ、雪は止みそのかわりにだいぶ傾いた陽が差し込み、上牧駅、後閑駅と進むごとに視界から雪が消えていきます。そして沼田駅まで来ると、雪は日陰にも残っておらず、少し遠くの山に薄っすら残っているだけ。
このあたりから徐々に乗客が増え始め、上半身は制服、下半身は学校指定のジャージという格好の女子高生が団体で乗り込んできた渋川駅まで来ると、席を立ったり体を捻ったりして写真撮るのが憚られるように。(いっそドア付近に立ちっぱなしになっていた方が、景色がよく見えたりして。)
群馬総社駅出る頃には日が落ち、混雑する車内で、ほくほく線の快適さを懐かしく思い出したり。でもほくほく線に乗っていたのって、つい2時間ほど前のことなんですよね。
そして列車は、遅れをだいぶ取り戻して、定刻より1分遅れの16時57分、高崎駅に到着しました。
高崎駅では一度改札口を出た後、まずはコンビニエンスストアでライトニングケーブルを購入。(バッテリーは、何とか持ちました。)あとは、駅付近で夕食を適当に食べてから、両毛線か、高崎線の大宮経由(どちらに乗っても、自宅最寄り駅に着く時間は変わらず。)で帰るだけとなったのですが、まだ開いていた駅弁屋さんを除くと、高崎駅名物のだるま弁当が売っているではありませんか!前に食べた時からだいぶ経ってしまっていたのですが、それ故懐かしくなって、ついつい購入してしまったという。
ということで、ロングシートの211系3000番代が走る両毛線ではなく、車中で快適に弁当をいただくべく、グリーン車付きの普通列車が走る高崎線の列車に乗って帰ることになりました。
今日初めてICカードを使って改札口を通り、既に10両編成でホームに停車していた17時12分発の湘南新宿ライン平塚行き快速列車に、ホームでグリーン券を買ってから乗車。乗り込む際、出入口付近に書かれた車番を見ると、サロE232-3001と。ということは、E233系3000番代のトップナンバー編成じゃないですか。別に車番が違ったからといってどうということはないのですが、トップナンバー編成って、個人的にはちょっと嬉しくなったりして。
強風のため遅れた両毛線の接続を待って、3分遅れで高崎駅を発車。腰を落ち着けた前寄りのグリーン車の1階席は、貸切状態です。で、発車後、高崎駅で買い込んでおいた缶ビールをプシュッとしてから、だるま弁当を。
久しぶりにいただきましたが、味のついた御飯の上に乗った色々なおかずが、なんとも良いツマミになりますね。
ビールと、他にも買い込んでおいたお酒でほろ酔い加減になりつつ、高崎駅から1時間ちょっとで大宮駅に到着。ですが、もう少し飲みたい気分だったので、改札内のニューデイズでお酒を追加して、改めてグリーン券を買ってから、今度は18時54分発の宇都宮行き快速ラビットに乗車。
宇都宮駅に着く頃には、すっかり気持ち良くなり、その酔い加減のまま、最後は20時18分発の黒磯行きの普通列車に乗り換えて、自宅の最寄駅まで。
那須塩原
06:35
|JR東北新幹線
|258B
|なすの258号 (E5系 8号車)
07:44
東 京
08:04
|JR上越新幹線
|2403C~4403C
|Maxたにがわ403号 (P20編成14号車 E455-22)
09:40
ガーラ湯沢
09:50頃
|徒歩
|
|
10:20頃
越後湯沢
10:30
|JR上越線
|1731M
|普通 (クモハE129-121)
10:52
六 日 町
10:57
|北越急行ほくほく線
|834M
|普通 (HK100-5)
11:12
十 日 町
12:16
|北越急行ほくほく線、JR信越本線
|3836M
|快速 (HK100-9)
12:58
直 江 津
14:28
|JR信越本線、北越急行ほくほく線、JR上越線
|3841M
|超快速スノーラビット (HK100-9)
14:54
越後湯沢
15:08
|JR上越線
|1736M
|普通 (E129系電車 4両編成)
15:46
水 上
15:53
|JR上越線
|744M
|普通 (211系電車 A25編成)
16:56
高 崎
17:12
|JR高崎線
|2853Y
|快速 (サロE232-3001)
18:33
大 宮
18:54
|JR東北本線(宇都宮線)
|3551M
|快速ラビット (サロE233-3021)
19:57
宇 都 宮
20:18
|JR東北本線(宇都宮線)
|687M
|普通 (クハ204-601)
東北新幹線eチケット なすの248号(えきねっとトクだ値50) 2910円
東北新幹線eチケット Maxたにがわ403号(えきねっとトクだ値35) 4560円
JR運賃 越後湯沢-六日町 330円
北越急行 ほくほくワンデーパス(1日乗車券) 1500円
JR運賃 犀潟-直江津 200円
JR運賃 直江津-犀潟 200円
JR運賃 六日町-高崎 1980円
JR運賃 高崎-宇都宮(IC) 2310円
(合計 13990円)
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