たひお備忘録

趣味の活動記録。
【タイトル題字:細身のシャイボーイ様】

名古屋鉄道完全乗車記 【令和2年1月23~25日】 その3(尾西線)

津島駅に入ってくる名鉄一宮行き普通列車

 3回目となる名古屋鉄道乗車記ですが、今回は旅の1日目に尾西線に乗った時のことを。



目次

【1日目の乗車区間】
1日目の乗車区間
※クリックで拡大(この絵に限らず当ブログの画像はクリックでだいたい拡大しますので。)

尾西線

【弥富駅の駅舎】
弥富駅の駅舎
【弥富駅の駅名標】
弥富駅の駅名標

 弥富駅は、鉄道に詳しい人なら「(地上駅では日本で一番海抜が低いところ(海抜マイナス0.93m)にある駅」と言われていたことを覚えている人も多いと思うのですが、現在は、当駅の南約100mのところにある近鉄弥富駅のほうが海抜が低いのでは、という話もあるようで。またこの弥富駅は先述のとおりJRとの共同使用駅となっており、駅の管理はJR東海。(名鉄は業務委託駅という扱い。)(ホーム)2面(線路)3線のうち、1番線と跨線橋を渡った2番線がJR関西本線、2番線と同一ホームの3番線が、名鉄尾西線となっています。で、乗り放題の切符を持っているので改札口を出る必要はなかったのですが、一応、区切りとして一度改札外へ。それで駅舎の写真を撮ろうとしたところ、雨の中、駅に人を送ってくるクルマがひっきりなしに来ていてなかなかに難渋しました。

 で、ここに来るまでに一部乗ってしまったのですが、改めてこれから乗るのが、この弥富駅を起点に名鉄一宮駅を経て終点の玉ノ井駅まで30.9kmを結ぶ尾西線という路線。単線一部複線で、起点終点を含む駅数は22駅。名鉄が定めた路線記号は先程乗った弥富駅-津島駅の間が「TB」、町方駅(津島駅の次駅)-玉井駅間が「BS」となっています。

 元々は尾西鉄道として、先程の列車で乗ってきた津島駅からこの弥富駅の区間が明治31年(1898年)に開業。その後路線を延ばし、現在は廃止となってしまった区間を含め全通したのは大正7年(1918年)のことなのですが、その後の大正14年(1925年)に旧名古屋鉄道に買収されて以降は、先述の津島線と同じ経緯をたどって名鉄尾西線となりました。

【弥富駅に停車中の国府行き普通列車】
弥富駅に停車中の国府行き普通列車

 それでまず弥富駅から乗る列車は、6時46分発の国府行き。車両は、先程の折り返しとなる3100系2両編成+3500系4両編成の6両編成で、これがなかなかに名鉄らしい運用というか、まず普通列車で弥富駅を出発し、名古屋本線へと入る須ヶ口駅から準急列車に。名鉄名古屋駅からは急行列車となるものの、東岡崎駅から終点の国府駅まで再び普通列車になるという。その列車の先頭車、3102(ク3100形、平成9年(1997年)製造。)に乗車。車内は名古屋方面への通学でしょうか?中学、高校生が多いのですが、この時間から通学とは大変ですね。そういえば先程の駅まで送ってきたクルマから降りてきたのは、学生さんばかりでした。

【弥富駅-五ノ三駅間】
弥富駅-五ノ三駅間

 やがて定刻となり、列車は弥富駅を発車。先頭車の一番前の席から前方を見ていたのですが、ようやく空が明るくなってきたという感じで。そんな中、停車する駅ごとに通勤、通学客が乗ってくる中、呑気に電車に乗っている私だけが浮いてるような。それで弥富駅を出て2つめの佐屋駅を出ると線路が単線から複線へと。この尾西線、ここから途中の森上駅までの区間が、複線となっています。で、前方の窓から見える沿線の建物が増えてきたなと思ったところで、この列車を降りる津島駅に到着。時刻は定刻の6時57分でした。

【津島駅の駅名標】
津島駅の駅名標
【津島駅に入ってくる名鉄一宮行き普通列車】
津島駅に入ってくる名鉄一宮行き普通列車

 津島駅のホームに降りると、通勤通学客でわりと混雑しています。で、それらの人達に混ざって待つ次の列車は、津島駅始発となる7時00分発名鉄一宮行き普通列車。程なくして、弥富方面からスカーレット色した4両編成の電車が入線してきましたが、その車両は、これまで乗ってきた3500系のグループではなく、それより1世代前の3扉通勤型車両である6000系というグループに属する車両。ちなみに、3500系グループが約200両、6000系グループが約300両と、名鉄の通勤型電車の中ではこの2つが数が多いグループになっています。それでその6000系グループの中でも、この列車に使われているのは6800系という比較的製造が新しい形式で、後から調べたところ、私が乗った先頭車の(ク6800形)6835という車両は、平成23年(1991年)に製造され、平成23年(2011年)に尾西線・豊川線用ワンマン運転対応車両に改造。ちなみに6800系は2両固定編成なので、それを2つ繋げて4両編成を作っているんですね。

 扉が開き早速乗り込むと、ホームに待っている人数の割にはあまり乗ってこなかったというか、6人掛けのロングシートに座った乗客は4人程度。私も、乗車を待つ列の先頭じゃなくてもシートに座ることが。ですが、ドア付近には立っている学生も多数いて、それを不思議に思っていたところ、その学生さんたちは、次の町方駅で降りていきました。

 その後列車は、いかにも郊外という景色の中を走行。駅に停まる度に通勤、通学の乗客が増え、また肩身が狭くなる気が。そしてここから先は単線区間となる森上駅で、反対方向の列車の交換待ちをしてから発車したのですが、この頃には、車内の混雑と、人いきれによる窓の曇りで、外は見えなくなってしまいました。やがて混雑する列車は、苅安賀駅でも交換待ちをしつつ、定刻の7時34分よりも若干遅れて、高架駅となっている名鉄一宮駅に到着。

【名鉄一宮駅中央改札口付近】
名鉄一宮駅中央改札口付近

 名鉄一宮駅では少々時間をとって、朝食を駅構内の立ち食いそば・うどん店で食べようと思っていました。それを見越して、金山駅近くのコンビニ買ったおにぎりは1個にとどめたにもかかわらず、私の下調べ不足というか、かつてあったそのお店は、だいぶ前に閉店していた模様。ついでに調べたところ、隣接するJRの尾張一宮駅構内にあった立ち食いそば・うどん店も無くなっているではありませんか!この頃にはすっかり空腹になっていたので、こりゃ、この後競馬場に行くまで食事無しかと覚悟したのですが、この後の行程で食べられるところを発見したので、とりあえずは玉ノ井駅まで尾西線の残りを乗ってしまうことに。

【名鉄一宮駅に停車中の玉ノ井行き普通列車】
名鉄一宮駅に停車中の玉ノ井行き普通列車

 名鉄一宮駅から乗るのは、7時55分発の玉ノ井行き普通列車。3500系の4両編成で、その前から2両目の3671(モ3650形)に乗車。平成7年(1995年)に製造された車両のようで。それで朝のラッシュ時とはいえ市街地から逆方向に進む列車なので、車内は混雑まではいかない乗車率。定刻に発車すると、すぐに西一宮駅に停車し、わずかに乗客が下車。その直後、高架線から地上に降りると景色は市街地から郊外へと一気に変わり、次の開明駅で乗客はほとんど下車。そして残った乗客の大半も、次の奥町駅で降りてしまいました。

【玉ノ井駅に入る列車】
玉ノ井駅に入る列車

 奥町駅で車内がガラガラになったのをいいことに、発車後先頭車へと移動。というのもこういう路線の場合、終点の改札口は列車前方と相場が決まっていて、また僅かな折り返し時間の間に一度改札口を出て駅舎の写真を撮りたかったため、改札口に近い一番前の出口付近に待機したかったからでして。それで奥町駅を出た列車は、2分と掛からずに玉ノ井駅の構内に。その駅構内にある架線柱は、懐かしい木製の物が残っているんですね。で、定刻の8時3分よりも若干遅れて列車は停止。終点まで乗り通した乗客は、ほんの僅かなようでした。

【玉ノ井駅の駅舎】
玉ノ井駅の駅舎
【玉ノ井駅の駅名標】
玉ノ井駅の駅名標

 思ったとおりの場所に改札口があったので、焦ること無く駅舎の外に出て写真を撮ることが。それにしてもこの玉ノ井駅。ホームには先述の木製架線柱など懐かしい雰囲気が漂っていたものの、コンパクトな駅舎はだいぶ新しげ。それで今でこそ尾西線の終点になっている玉ノ井駅ですが、かつてはこの先、木曽川のほとりまで路線は延びていて、旅客駅の終点が、木曽川橋の袂に木曽川橋駅。そしてその先、木曽川の堤防を越えたところに、貨物駅の木曽川港駅があったとのこと。また現在の名鉄名古屋本線が出来るまでは、木曽川橋駅で列車を降り、木曽川橋を徒歩、後にバスで渡ってから、対岸の笠松駅(現在の笠松駅とは若干違う場所にあった、初代笠松駅。)で再び列車に乗り換えて岐阜に向かったそうです。

【玉ノ井駅に停車中の名鉄一宮行き普通列車】
玉ノ井駅に停車中の名鉄一宮行き普通列車

 駅舎の写真撮って列車に戻ると、先程の列車の折り返しとなる8時7分発の名鉄一宮行き普通列車は、程なく発車しました。その前から2両目の3571(モ3550形、平成7年(1995年)製造。)という車両に乗車したところ、玉ノ井駅発車時点では、6人掛けのロングシートに2,3人程度という乗車率です。それでこの車両、加速の際に床下から聞こえる「プゥォーーン」という音から、電動機を制御するVVVF機器が。また加速と共にその音程が明確に替わることから、制御方式はVVVF制御の初期に一般的だったGTOサイリスタ制御だなぁと、大変マニアックなことを思ってみたり。で、そんなこととは全く関係なく、次の奥町駅で沢山、更にその次の開明駅でもそこそこの乗客が乗ってきたのですが、時間的に通学客はなくなり通勤客に替わっていました。


つづく

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