趣味の活動記録。
【タイトル題字:細身のシャイボーイ様】
乗車記の前に、例によって特急踊り子号とその使用車両について少々。で、これについては完全に個人的おぼえ書きなので、乗車記に行くにはここをクリックするか、マウスやトラックボールのホイールをガンガン回していただければ。
特急「踊り子」号は、東京駅など首都圏と、伊豆急行電鉄の伊豆急下田駅、伊豆箱根鉄道の修善寺駅を結ぶ特急列車。うち、251系特急型電車が使用される一部列車には「スーパービュー踊り子」の愛称が付きます。
首都圏と湘南・伊豆地方を直通で結ぶ優等列車の歴史は古く、戦前の昭和3年(1928年)、東京駅と熱海駅結ぶ休日運転の客車準急列車(当時は料金不要で現在の快速列車に相当)が誕生。その翌年には増発され、更にその翌年にはうち1往復が毎日運転となりました。また昭和8年(1933年)にはその列車に併結された車両が、当時の駿豆鉄道(現在の伊豆箱根鉄道)修善寺駅まで乗り入れを開始。昭和13年(1938年)には伊東線全通に伴い熱海駅までの列車1往復が伊東駅まで延長運転されることになりました。
ですが太平洋戦争によって一旦それらの列車は廃止となり、そして戦後の昭和24年(1949年)。まず2月に、東京駅-伊東駅間下りのみ土曜日運転の準急列車が復活。4月には駿豆鉄道修善寺駅乗り入れも復活し、更に10月には上りのみ日曜日運転の準急列車が復活。これらの列車に「いでゆ」という愛称が付き、12月には東京駅-三島駅・伊東駅間に下り土曜日・上り日曜日運転の姉妹列車「いこい」が新設されました。
それから、昭和36年(1961年)の伊豆急行全線開業に伴う伊豆急下田駅乗り入れ開始や、昭和39年(1964年)の東海道新幹線開業などを原因とする紆余曲折を経て、昭和51年(1976年)3月のダイヤ改正以降、首都圏と伊豆方面を結ぶ列車は、153系急行型電車を使用した急行「伊豆」と、183系特急型電車を使用した特急「あまぎ」の2系統となりました。
そして昭和56年(1981年)10月のダイヤ改正で、急行「伊豆」と特急「あまぎ」が統合され、エル特急「踊り子」が誕生。(列車種別はエル特急廃止と共に通常の特急に移行。)車両は前出の183系の他、この年の3月から急行「伊豆」に先行投入されていた185系特急型(っていうか、普通列車での運用も考慮した汎用型ですが)電車が使用されましたが、昭和60年からは定期列車については185系に統一されました。で、この踊り子号の変遷こそここで詳細に書くべきことかもしれないのですが、あまりにも多岐にわたるため概ね省略。ですがその中で特筆しなくてはならないのが、JR化後の平成2年(1990年)に運転開始したのがスーパービュー踊り子号じゃないでしょうか。これまでの特急列車と全くコンセプトが違う専用の251系特急型電車を新製投入し、テレビCMまで放送されました。
そして現在の定期列車は、185系を使った特急踊り子号が、東京駅-伊豆急下田駅・修善寺駅間に2往復と東京駅-伊豆急下田駅間に1往復の合計3往復。251系を使ったスーパービュー踊り子号は全列車が伊豆急下田駅が終着・始発駅となり、平日は東京駅から2往復、新宿駅発の下り列車が1本と池袋駅着の上り列車が1本、休日は東京駅から2往復、池袋駅から1往復に加え、新宿駅発の下り列車が1本と東京駅着の上り列車が1本運転されます。また臨時列車としては多客期を中心に、伊豆急行のリゾート21車両(2100系電車)を使用した「リゾート踊り子号」(東京駅-伊豆急下田駅間)や、N'EX用E259系特急型電車を使用した「マリンエクスプレス踊り子号」(東京駅-伊豆急下田駅間)が運転されています。
現在というか平成2年(1990年)の登場以来「スーパービュー踊り子」号に使われているのが、その専用形式とも言える251系特急型電車。で、それについて簡単に。
251系特急型電車は、JR東日本としては昭和63年(1988)年の651系に続く2番めに登場した特急型車両。国鉄時代の車両は、一部を除き汎用性を重視していた設計だったのに対し、この車両は国鉄自体とは全く異なる、「乗ったらそこは伊豆」という1つの列車に特化したコンセプトで制作されました。っていうか、先に登場した651系もそうなのですが、この列車の後、N'EX(成田エクスプレス)の253系や房総ビューエクスプレスの255系などなど、投入される列車に特化した車両製作を行うことに、国鉄からJRに変わったんだということを実感したんですよね。
と、話が逸れましたが、その251系。グリーン車2両を含む10両固定編成で、1号車となる伊豆急下田方先頭車と続く2号車のいずれもグリーン車と、東京方先頭車となる10号車が2階建てで、残る9両がハイデッカー構造。また両先頭車両には展望席が設置され、1号車の1階部分がグリーン車専用のラウンジ、2号車の1階部分はグリーン車個室、10号車の1階部分は子供用プレイルーム(フリースペース)になっています。それでまず平成2年(1990年)に1次車として2編成、平成4年(1992年)に細部を改良した2次車として2編成の合計4編成が作られました。
それで2次車の登場から10年経過した平成14年(2002年)、リニューアル工事を実施。両端の展望席の定員の変更や、普通車では旧来はグループ客用ボックスシートだった9,10号車を含めた全ての座席を座面スライド機構付きの回転リクライニングシート(ただし展望せは回転不可)に変更。またシートや内外装の色も変更され、特に外観は落ち着いた淡いブルーとグレーの間にホワイトのラインから、ホワイトとエメラルドグリーンの間にライトブルーのラインと全体的にビビッドな色合いとなりました。そしてリニューアル工事を機に、これまでの特急「スーパービュー踊り子」に加えて、「おはようライナー新宿」「ホームライナー小田原」の運用に就くことになりました。
そんな251系ですが、登場から約30年となる2020年3月のダイヤ改正を期に引退することが先日発表に。後継には、新造車E261系が投入されるのですが、列車愛称がこれまでの「スーパービュー踊り子」から「サフィール踊り子」に変更となるようです。
それから「スーパービュー」が付かない「踊り子」号に使用されているのが、前述のとおり急行「伊豆」時代の末期から使用されている185系特急型電車なのですが、それについて簡単に。
これまで急行「伊豆」など東海道本線系統で使用されていた153系急行型電車の老朽置き換え用として、国鉄末期の昭和56年(1981年)に登場。当時の急行形車両と同じ1000mm幅の片引扉を車両の両端2箇所(グリーン車は片側1箇所)に配置。デッキで仕切られた客室には、普通車の場合、関西圏の新快速列車に使用される117系近郊型電車と同様の転換式クロスシート(グリーン車は回転式のリクライニングシート)が並び、窓は開閉可能とするなど、特急型車両にもかかわらず普通列車での使用も考慮された設計となっています。また登場時に話題となったのがその塗装。それまでは帯を巻くように車両と並行して塗り分けなりラインなりが入っていたところ、クリーム色地に緑色というこれまでの国鉄型車両とは違うカラースキームで、3本の幅が違うラインを斜めに配置した塗装は斬新と評されました。(ちなみに、個人的には格好悪いと思って好きになれなかっんですがね。)で、新製された185系(0番代)は田町電車区に配属。(昭和56年)3月から急行「伊豆」と一部の普通列車 に投入開始された後、10月から「伊豆」と特急「あまぎ」を統合したエル特急「踊り子」号として本格的に運用を開始しました。
そしてその翌年の昭和57年(1982年)に登場したのが、高崎線系統で使われていた165系急行型車両の老朽置き換え用しとして、先に登場した0番代に耐寒・耐雪装備と横軽対策(ざっくり言うと北陸新幹線の長野開業前、信越本線の横川駅-軽井沢駅間にあった碓氷峠は、たいへんな急勾配のため、特別に対策された車両じゃないと走行できなかったんです。)を施した200番代。こちらは窓下に緑色のストライプという常識的塗装となりました。で、新前橋電車区に新製配置され3月に急行「あかぎ」と一部普通列車から運用開始。6月には東北新幹線の大宮駅暫定開業に伴い、上野駅-大宮駅間の「新幹線リレー号」の一部列車に。11月の上越新幹線開業に伴うダイヤ改正では上越線系統急行列車の格上げによって生まれた特急「谷川」「あかぎ」及び従来からの特急「白根」、季節列車の特急「新雪」(石打駅行き)「そよ風」(軽井沢駅行き)の他、「新幹線リレー号」の全列車に充当されるようになりました。
その後については、0番台が特急「踊り子」号や、後に新設となった「湘南ライナー」を中心に、200番台が高崎線・東北本線系統の特急列車を中心に運用されていたのですが、200番台については新幹線リレー号の運行終了やその後の特急「新特急なすの」一部列車廃止に伴い、田町電車区に転属して特急「踊り子」号の183系置き換え用や増発用に転用されました。また車両のリニューアルも、200番台が平成7年(1995年)、0番台が平成10年(1998)から行われ、普通車の座席が回転式のリクライニングシートに、グリーン車の座席がバケットタイプに変更された他、クリーム時に緑色の塗装も、ブロックパターンを用いた新しいものに変更されました。
一方、車両の配置については、平成18年(2006年)3月、高崎総合車両センター(新前橋電車区から名称変更)所属の全車が大宮総合車両センターに転属に。そして田町車両センター(田町電車区から名称変更)の廃止に伴い平成25年(2013年)所属車両全車が大宮総合車両センターに転属。そしてこの頃から廃車が始まり、まずは編成組み換えによって余剰になった中間車が。その後高崎線系統特急列車の651系1000番台電車による車両置き換えなどを受けて編成単位での廃車が進行しています。
そして現在は残った車両が、定期列車としては特急「踊り子」号と「湘南ライナー」「小田原ライナー」のみの運用に就いているのですが、令和2年(2020年)3月のダイヤ改正から、元々は中央本線の特急「あずさ」「かいじ」号で使用されていたE257系を改造したE257系2000番台、2500番台電車に順次置き換えられる予定となっています。
例によって列車に乗る前から長々と書いてしまったのですが、実はこの「スーパービュー踊り子」を含特急「踊り子」号は、個人的に長年憧れの列車だったんですよね。上京した折、東京駅などでこれらの車両を見かけた時、乗りたい衝動にかられることもしばしば。というのも私のような田舎者にとって、伊豆自体が東京の人のハイソな観光地というイメージでちょっと縁遠く感じてしまうのですが、その伊豆に向かって、身なりの良い人達が乗り込んで、颯爽と走っていく列車(「スーパービュー踊り子」の登場当時放映されていたテレビCMが、まさしくそんな感じだったかと。)は、とても格好良く見えたんですよね。ちなみに、「踊り子」「スーパービュー踊り子」号に乗ったことはありませんでしたが、縁遠く感じると言いつつも伊豆自体はクルマやバスで何度か旅行に来たことがあったりして。
で、そんな憧れの「スーパービュー踊り子」「踊り子」号ですが、先日残念なお知らせが。車両のところにも書いたのですが、まずは「スーパービュー踊り子」号に使用されている251系特急型電車が、来年(令和2年)3月のダイヤ改正をもって引退。後継車は全く別の車両となり、相性も「サフィール踊り子」号に変更となってしまうとのこと。そして通常の「踊り子」号に使用されている185系特急型電車も、来年3月のダイヤ改正から新型(というか、元は中央本線の特急「あずさ」「かいじ」に使われていた車両の改造)車への置き換えが始まるとのことで。
個人的に、廃止(廃車)になるからといって乗りに行くのは好きではないのですが、憧れた「スーパービュー踊り子」号や、これが185系最後の特急仕業となっている「踊り子」号に乗っておかないと絶対後悔すると思い、冒頭でも書いたとおり少々乱暴でもあったのですが、東京に用足しに行くついでにという感じで。ちなみにそれが決まったのが、出発日前日の夜。それからすぐに、JR東日本のえきねっとで指定席特急券を予約。そして当日、午前5時過ぎに自宅をクルマで出発。とりあえずJR宇都宮駅近くの、いつも停めている駐車場まで。(この日は帰りがとても遅くなる予定で、宇都宮駅までしか鉄道で帰ってこられないため。)
この日まず乗るのが、宇都宮駅を6時33分に出発する、湘南新宿ラインの列車番号2529Y、大船行き普通列車。これで新宿駅まで行き、新宿駅始発となる特急スーパービュー踊り子3号に乗り継ぐことになっています。
それで定刻に宇都宮駅を発車した列車は順調に進み、こちらもグリーン車で「(途中で乗ってきた)前の席のおばちゃん香水臭いなぁ。」などと思いながらウトウトしていたのですが、新白岡駅に停車した際、蓮田駅-東大宮駅間で前を行く電車が走行中異常な音を認めたので安全確認を行っていますとのアナウンスが有り、一時運転見合わせに。その後、定刻より9分遅れの7時48分、とりあえず白岡駅まで行くとして発車。程なくして、前を行く列車の安全確認が取れたとの放送がありました。
白岡駅では、隣のホームに停車中だった上野東京ラインの列車を先発させ、この列車は信号が変わり次第の発車とのこと。結局15分遅れとなる7時55分に発車しました。で、平日の朝のラッシュ時は、どの路線もギリギリまで列車の間隔を詰めているため、一度遅れが発生すると回復もままならず、逆に遅れが拡大していくことがまま有るんですよね。そしてそれは見事に的中し、山手貨物線に入ったあと池袋駅手前で信号停車。アナウンスによると、前の列車が池袋駅に停車中とのこと。池袋駅から同じ線路(山手貨物線)に合流する埼京線も、新宿駅でホーム上の安全確認の影響でダイヤ乱れ、現在は最大20分の遅れており、この後も遅れが拡大する見通しとのことです。ちなみに、新宿駅から乗車する予定のスーパービュー踊り子3号も、ダイヤが乱れている湘南新宿ラインと埼京線と同じ線路を通る筈なのですが……。
その後列車は、埼京線の車内は乗客でパンパンになっている新木場駅行きの列車が駅手前で抑止されているのを見つつ池袋駅に到着。すると今度は停車中、ホームから「2番1号車急病人発生。救護願います。」とのアナウンスが。2番線に止まっているのは、この列車じゃないですか!結局、救護は程なくして終了したのですが、遅れは27分まで拡大して8時51分に発車。最後に新宿駅手前でも止められ、新宿駅に到着したのは定刻の29分遅れとなる、9時2分のことでした。スーパービュー踊り子3号の新宿駅発は9時25分なので、乗り継ぎに影響はないのですが、余裕を取っていた新宿駅の乗り換え時間を利用して、立ち食いそばでもいただこうと思っていたのですが、ちょっと無理っぽいですね。
下車後、立ち食いそばは諦めて、特急スーパービュー踊り子3号が発車する5番線ホームへと。そこからあまり時間をおかず、折返しが特急スーパービュー踊り子3号になるおはようライナー新宿26号は、定刻よりも7分遅れの9時9分に到着。席は全車指定のため焦る必要はないので、車内清掃の間に編成をひととおり見て回ることに。入線時、10号車付近にいたため、先頭となる1号車まで歩きがてら車両を見たところ、その車両は以下のとおり。これは、編成番号RE-3。平成4年(1992年)に作られた2次車2編成のうちの1つですね。
至 新宿駅
10号車 クハ251-3(普通車指定席・子供用プレイルーム)
9号車 サハ251-3(普通車指定席)
8号車 モハ251-5(普通車指定席)
7号車 モハ250-5(普通車指定席)
6号車 モハ251-6(普通車指定席)
5号車 モハ250-103(普通車指定席・売店)
4号車 モハ251-103(普通車指定席)
3号車 モハ250-6(普通車指定席)
2号車 サロ251-3(グリーン車指定席・グリーン個室)
1号車 クロ250-3(グリーン車指定席・グリーン車専用ラウンジ)
至 伊豆急下田駅
【新宿駅に停車中の特急スーパービュー踊り子3号】
【先頭車側面のエンブレム】
【車両側面の幕式行先標(方向幕)】
幕式の行先標など、車両が製造された時代を感じるディテールはあるのですが、それよりも、外装はだいぶやられて、塗装も劣化した一部分だけ塗装したマダラ模様になっていたのが、引退間近という感じで哀愁を誘います。そして先頭車の写真を撮ってから引き返し、10号車まで戻ってきたところで乗車開始に。2,3,5,7,10号車のみドア開放となり、乗車口には指定席特急券の確認のためビューアテンダントさんにが立っています。その方に切符を見せつつ乗車。その際、席の案内がありました。
それで今回の席。最後尾10号車の展望室内なのですが、前日だとさすがに最前列は取れず。で、席に落ち着いてみると、車内も天井部分やエアコンの吹き出し口など、あちこちに応急処置的なテープが貼られています。そういえば昭和の頃の車両って、無骨で飾り気の無い内外装のため、経年劣化がむしろ「味」になっているようなところもあったのですが、最近(といっても約30年も前の車両ですが)の車両は洒落た内外装のため、経年劣化が余計に目立つような気がします。
特急スーパービュー踊り子3号は、定刻よりも1分遅れた9時26分、新宿駅を後に。私が座る最後尾の展望室には、私の他、進行方向右側最前列に両親+男の子の親子連れが。発車後、車内のどこからかキュッキュッとした低級音が。こういう所からも、経年劣化を感じます。そんな中、私の席の後方というか向かって前方の運転席にいらっしゃる男性車掌ではなく、女性乗務員から案内放送がありました。
そんな中列車は、途中まで埼京線や湘南新宿ラインの列車が走る山手貨物線を走行するのですが、先述のとおり絶賛ダイヤ乱れ中。この列車も、前後の列車に挟まれてノロノロ運転となり、駅手前などで一時停止しながら進みます。後ろの列車との間隔が相当詰まっているようで、恵比寿駅手前で一時停止した際、同じ線路を走る、11月30日から埼京線と直通運転を開始した相模鉄道の列車が見えました。また反対方向に走って行く相鉄線車両もあり、こんなにダイヤが乱れていても、直通運転は行われているようです。
やがて列車は大崎駅から湘南新宿ラインの列車と同じく東海道貨物支線の大崎支線を通って、横須賀線の列車が走る東海道本線の支線、通称品鶴線へと合流。最初の停車駅である武蔵小杉駅には、23分遅れで到着しました。ここで展望室の乗客は鉄道ファンっぽい2人が増え発車。武蔵小杉駅発車するとようやく特急列車らしい速度になり、21分遅れで横浜駅に到着。ここで展望室の乗客は、一気に5人増えました。
【車内販売で購入したエビス(300円)】
【215系DDLと抜きつ抜かれつ】
車内が賑やかになったので、横浜駅発車後はイヤホンを装着。暫くの間、この列車がデビューした頃の音楽を聴きながら行くことに。そんな時タイミング良く、JR東日本管内でもすっかり珍しくなってしまった車内販売が。展望席は、先程の乗車時、入り口で特急券のチェックをされてたビューアテンダントさんが、メニュー表を持って注文を取りに来るんですね。で、とりあえずという感じで缶ビールを注文。冬物語(280円)とエビス(300円)からエビスを。音楽とそのビールで気分良くなっていたあたりで、後方から複々線山側の下り線を、全車2階建てのダブルデッカーライナー(DDL)こと215系電車(回送列車でした)が追走してくるのが見えました。ダイヤが乱れている所為かこちらの速度がなかなか上がらず、更にはところどころ徐行するせいか、その後暫くの間、抜いたり抜かれたりを楽しむことができたのですが、(この列車は通過する)小田原駅で複々線区間が終わるとそれも終了。
小田原駅から先は、東海道本線でも屈指の景色が良い区間、簡単に言うと海が見える区間に。太平洋は冬なのにとても穏やか、という感じで。また海沿いの斜面にはミカンの木が実をたわわに付けて、ほんと、かつて80系電車から採用されたカラーリングの元ネタ「湘南」って感じなのですが、このあたりを湘南に含めるかは微妙なところかと。(湘南ナンバーは小田原市もその圏内らしいですが。)そして列車は、横浜駅到着時よりも遅れを拡大させ、10時55分の定刻より29分遅れの11時24分、熱海駅へと到着。武蔵小杉駅から乗った2人組と横浜駅から乗った親子連れ3人が下車し、その代わり男性の一人客が乗車してきました。
【心穏やかでは無いけど、これ見ると脳内に「伊東に行くなら♪」】
熱海駅を31分遅れの11時27に発車。ここから終点の伊豆急下田駅までの区間は単線となるため、この遅れがどこまで広がるか心配になってきました。というのも、伊豆急下田駅からは、この列車の後ろを走っている筈の特急踊り子107号の折り返しとなる、13時3分発の踊り子108号に乗る予定だったもので。ただ、熱海駅で乗ってきた一人客が自席で携帯電話を使い、「乗る予定だった踊り子が遅れているので、1本前のこの列車に振り返って貰った云々」などと話していたため、私が乗る予定の踊り子108号の出発時刻も遅れる可能性は多分にあるな、と。だったらあまり心配しても仕方が無いというか、とりあえずは、このまま伊豆急下田駅までこの列車に乗っていて大丈夫そうです。そんな中列車は伊東線を進み、網代駅で列車交換のため運転停車。そして私の世代にはCMソングで有名な某ホテルを眺めつつ、37分遅れて伊東駅に到着。新宿駅から乗っていた親子連れが下車し、展望室の乗客は4名になりました。また、この先は伊豆急行線へと入るため、運転手と車掌がJRの職員から伊豆急行の職員に交替となります。
【空いた普通車の車内】
【購入したハイボール(250円)と酔明ほや(350円)】
伊東駅では更にまた1分遅れを増やして11時56分に発車。ここで、これまでの女性乗務員では無く伊東駅から乗り込んだ伊豆急の車掌氏よりアナウンスがあり、その中で、伊豆急下田駅到着は13時1分頃(定刻から48分遅れ)とのこと。ということは、伊豆急下田駅までの変更されたダイヤがちゃんと決まっている(じゃなければ到着予定時刻までは言わない)と安心し、しからばと、いつの間にかガラガラになっていた車内を通り抜け5号車の売店まで出向き、ハイボール(250円)と、つまみに東北新幹線でもお馴染みの酔明ほや(350円)を購入。その頃列車は、ゴルフ場で有名な川奈駅で運転停車して反対方向の列車と交換していました。そして席に戻ると、それまで私のいる側最前列に並んで座っていた二人組の中年女性のうち一人が、熱海で空いた隣の最前席に移り(この列車、一応は、全車指定席なんですけどね。)、通路を挟みこちらまで聞こえる声量でお喋りしていたという。それを不快に感じたので、またイヤホンで耳を塞ぎ、早速買ってきたハイボールをぐいっと。
その後も列車は、伊豆高原駅、伊豆熱川駅と停車駅ごとに遅れを若干増やしつつ南下。ちなみに、伊豆熱川駅で交換した上りの踊り子106号はほぼ定刻で運転していました。そして伊豆熱川駅を出た後は、伊豆急行線随一の車窓風景となる、海の間近を行く区間。その海越しに、大島に続いて利島、新島などの島影が見えました。更に伊豆稲取駅ではキンメ電車と交換し、最後の停車駅である河津駅に48分の遅れで到着・発車。終着の伊豆急下田駅には予定よりもほんの少し早い13時丁度に到着しました。
伊豆急下田駅で下車して真っ先に確認したのが、次に乗る予定の踊り子108号の出発。関所を模した出札口から改札口まわり、そこにいた駅員さんに尋ねると、真横にそれが書かれた案内看板があったにもかかわらず、13時40分頃の予定ですと、列車が遅れるお詫びと共に丁寧に教えてくださいました。
それで元々の予定では、伊豆急下田駅での約1時間の滞在時間を利用し、駅前から出ている下田ロープウェイに乗って寝姿山にでも登ってこようと思ったのですが、時間的に余裕が無くなってしまったので断念。駅の周りをぐるっと歩いただけで駅に戻り、帰りの車中でいただくための弁当を確保。ここ伊豆急下田駅では、私鉄では珍しい駅弁を売っているんですよね。
そうこうしているうちに、定刻よりも1時間近く遅れていたでしょうか?踊り子107号が東京より到着。そして13時30分頃には折り返しとなる踊り子108号の改札が始まったので、冷えたビールとハイボール、そしてつまみ類を購入してから、改札口を通りました。
改札口を入った後、まずは改札口に近い列車の最後部で写真を撮り、次に編成全体の点検がてら先頭車まで。今や特急列車に使われるのはこの踊り子号のみとなってしまった185系電車。個人的に好きな形式なので、外観もゆっくりと見たいのはやまやまなのですが、先程見た発車予定時刻「13時40分頃」まであまり時間が無かったのと、おまけに「頃」まで付いていたのでかなり急ぎ足で写真を撮りつつ向かいました。ちなみにこの列車は、グリーン車2両を含む10両編成。両先頭部の窓内に吊り下げられた編成番号はA8で、その車両は以下のとおりとなっています。
至 伊豆急下田駅
1号車 クハ185-15(普通車指定席)
2号車 (普通車指定席)
3号車 モハ184-31(普通車指定席)
4号車 サロ185-16(グリーン車指定席)
5号車 サロ185-15(グリーン車指定席)
6号車 モハ184-30(普通車指定席)
7号車 モハ185-30(普通車指定席)
8号車 モハ184-29(普通車指定席)
9号車 モハ185-29 (普通車自由席)
10号車 クハ185-115 (普通車自由席)
至 伊豆急下田駅
【先頭の10号車(背後は来る時乗ってきたスーパービュー踊り子)】
【指定席車両の幕式行先標(方向幕)】
【出入り口付近に残る号車札差しと愛称板差し】
【普通車の車内】
ただ、先頭部まで行ってわかったのが、列車の長さに対してホームの長さがギリギリ。そのため先頭部の写真を撮るのは断念して列車に乗り込み、自席まで車内を移動。それにしても、先頭部中央の特急マーク(逆三角形のオブジェ)や幕式の行先標、車両の出入り口付近に残る号車札差し(今はそこに号車を表すステッカーが貼ってありますが)と愛称板差しなど、いかにも国鉄型車両というディテールはたまらないものがありますね。また車内は車内で交換されたシート以外は無骨な国鉄型車両の面影が残りそそられるのですが、発車までさほど時間が無いにもかかわらず乗客の姿は少ないようでした。
【グリーン車の車内】
【グリーン車のシート】
【客室出入口丈夫付近のあれこれ】
【トイレ内に貼られた張り紙】
【懐かしい形状の洗面台】
それで今回乗るのは5号車のグリーン車。以前、特急「おはよう(ホームタウン)とちぎ」やその前の「(新特急)なすの」の200番台を含め、185系電車のグリーン車にはこれまで乗ったことが無かったのと、多分今回が、185系電車に乗る最後の機会になると思ったので奮発してしまいました。ちなみにその椅子は、足が全席の下に入れられない古いタイプなれど、シートピッチが広いので問題なく足が投げ出せますね。また、ちょっと座った限りでは掛け心地も良く、さすがグリーン車。で、そのシートに腰を落ち着ける前に、トイレで用足し。トイレ内の張り紙は、この185系電車がかつて配属されていた「田町電車区」名前が残り、用を足した後に手を洗う洗面所の形状も、大変懐かしいものだなぁ、と。
そうこうしているうち、向かい側のホームにスーパービュー踊り子5号が10分ほど遅れて到着した後の13時42分、39分の遅れで伊豆急下田駅を発車。その際この車両の乗客は私1人でした。そして発車直後、これまた懐かしい「汽笛一斉新橋を♪」のオルゴールが流れ、女性の声でアナウンスがあったのですが、その際、列車遅れの理由が朝の埼京線のダイヤ乱れとの説明が。ほんと、今日はそれに存分に巻き込まれているなぁ、と改めて。そして発車後は早速肘掛けからテーブルを引き出し、先程購入した駅弁やつまみ類でかなり遅めの昼食を。
【金目鯛かまぼこ(240円)】
【真あじくんせい(200円)】
【サッポロふじのくに限定静岡麦酒(260円)と 伊豆の国ビール ピルスナー(330円)】
まずは前菜というかつまみ類。伊豆の名物にもなっている金目鯛を使ったというかまぼこは、間違いが無いけど逆に想定内の旨さ。個人的にはわさび漬けでも合わせたくなったのですが、買ってこなかったのを後悔しました。次に真あじの燻製は、アジの身の旨味に薫香とオイル感がマッチして、ビールや(写真には写っていませんが)ハイボールに合いますね!それとビールですが、左側のサッポロ静岡麦酒ふじのくに限定は、今年(令和元年)の6月に発売になったという、静岡県限定発売のビール。サッポロビールって、焼津市に工場を持ってたんですね。それと、ご当地ビールである伊豆の国ビールは、ピルスナーをチョイス。軽快な飲み口ながら、しっかりした味わいです。
そして今回のメインは、「金目鯛押寿司 匠の三種」。名前のとおり、3種類の押し寿司が入っています。で、写真の一番上のものは、一見したところ紀州・熊野名物のめはり寿司を連想したのですが、包んでいるのは高菜ではなく伊豆名物であるワサビの葉で、中には甘辛く煮たそぼろ様の金目鯛が入っているという、とても凝った作り。その下の炙りタイプは、見た目どおりの香ばしさ且つ火を通し過ぎない身の具合が、もう。そして一番下のノーマルタイプは、味のバランスが、また。加えて、添えてあるのがガリではなく、ワサビの茎の甘酢漬けというのも良い感じですね。1300円と、一般的な駅弁よりも正直お値段は少々張りましたが、その価値はあったかと。
それらを空いた車内で気兼ねなくいただいている間に列車は進み、稲梓駅で列車交換の運転停車のあと、最初の停車駅である河津駅では、ジャパンレールパスで日本旅行中っぽいラフな格好の外国人が1人乗車。その後伊豆稲取駅に停車したあと、次の伊豆熱川駅では、壮年の夫婦っぽい二人連れが乗車。私を含むこの4名が、この車両の最大乗客数。それとこのあたりから先程から飲んでいるお酒が効いてきて、妙な心持ちになってきたというか、やっぱり、廃止を前提に乗り鉄するのって、メンタル的に変になりますね。ただそんな中見えた伊豆の海と島々が、妙に綺麗だったというか。
更に列車は進み、伊豆大川駅で列車交換のための運転停車を挟み、伊豆高原駅、伊東駅と停車。こちらの列車はこの時点で、約36分の遅れで運転しているのですが、先程伊豆大川駅で交換した踊り子115号や、ここで交換したスーパービュー踊り子7号は、定刻で運転している模様。それにしても、持ち込んだお酒も全て飲み終わり、もう1本くらい追加したかったのですが、今年(令和元年)3月に、スーパービューじゃない踊り子号の車内販売は無くなってしまったんでしたっけ。もっとも、今日遅くというか明日未明にクルマの運転が控えていたので、確実に酒を抜く為にはそろそろ止めておいた方が良いので、今日に限っては無い方が都合が良いのかもしれませぬ。その伊東駅で伊豆急からJRの乗務員に交替し、定刻より36分遅れの14時42分に発車。次の宇佐美駅で運転停車後、網代駅、そして熱海駅に停車。熱海駅手前で信号による一時停止がありました。
列車は熱海駅を、36分遅れの15時5分に発車。それでここから先、東京駅までは複線・複々線区間が続くので、回復運転すれば少しは遅れが取り戻せるのかな、と。ただ気持ち的には先程のお酒の影響もあるのか「まだこの列車に乗っていたいので遅れは回復しないで欲しい。」と「この先に今日上京した本来の用事が2つばかり控えているので早く東京駅に着いて欲しい。」という相反する状態になり、正直、訳がわからなく……。それでも列車は日が傾く中、湯河原駅、小田原駅、大船駅、横浜駅、川崎駅、そして最後の停車駅である品川駅に停車。それで先程の思いのうち前者の思いが勝ったという訳では無く、ただ単に列車本数が多い東海道本線で前の列車に続いての運転を強いられたため回復運転どころか余計に遅れを拡大させ、「汽笛一斉新橋を」のオルゴールと車内放送のあと、すっかり薄暗くなった東京駅に着いたのは、定刻の15時49分より51分遅れの16時40分でした。
ここまで書く必要は無いのですが、今回はいつも書いている「旅のメモ」を書かないので、東京での用足しについても少々。
それでまず、東京駅から山手線に乗り換えて秋葉原駅まで。2つあると前述した用事うちの一つが、秋葉原でのパソコンパーツと中古パソコンの購入です。もっとも、これは「良さそうなものがあれば」という条件が付きだったのですが、結局のところピンと来るものがなく、お店を回りつつ悩んだだけで終わってしまったという。
そしてもう一つの用事が、某アーティストさんの主催ライブ。中央線の各停と小田急小田原線で下北沢駅まで行き、前の用事が(成果は上がらずとも)思った以上に時間が掛かってしまったため急いで会場のライブハウスまで。で、これがもう、大盛り上がり大会で大変良かったのですが、アラフィフにはオールスタンディングがつらく、先程秋葉原で歩き回ったのと相まって、終わった後は足がマジで棒のように。
ライブが終わって某ライブハウスから出てきたのが午後10時をだいぶ回った頃。あとは、適当に大宮か上野か東京あたりまで出て、JR宇都宮線(東北本線)の宇都宮行き普通列車に乗って帰るだけなのですが、昼過ぎに踊り子108号の車中で食べて以来、水は意識して飲んだけど固形物は全く口にしてなかったので猛烈に空腹。今から下北沢駅に向かえば、最終列車の1本前に間に合うのですが、空いたお腹を収めるべく、まずは別記事にも書いたように下北沢駅近くの富士そばで、話題になっている肉骨茶そばを。その後は、上野駅始発の最終電車に乗るため、京王井の頭線と東京メトロ銀座線を乗り継いで移動。それにしてもこの時、渋谷駅の銀座線ホームが年明け早々に新しいホームに切り替えになるということを覚えていたら、写真の一枚でも撮っていたのに……。
上野駅に到着後、列車の発車までまだ時間があったので、こちらも別記事に書いたように駅近くにある立ち蕎麦つるやで、また蕎麦を一杯。というのも先程の肉骨茶そば。美味しかったのですが、蕎麦屋に来ていかにもな蕎麦つゆを味わっていなかったのが妙に引っかかってしまい、しからばともう一杯行ってしまった次第で。(蕎麦一杯だと腹6分目くらいだったというのもある。)
【1列車しかない案内表示】
【上野駅に停車中の宇都宮行き最終の普通列車】
上野駅から乗車するのは前述のとおり、宇都宮線(東北本線)の最終列車となる、23時38分発の宇都宮行き普通列車。発車時刻の10分前くらいに乗り込んだところ、グリーン車1階には空席があまり残っていない状態で、程なくして満席に。それにしても、この日は12月下旬の金曜日ということもあり、車内は忘年会帰りとおぼしき人ばかりで、ほんと、お酒臭かったです。で、そんな中、グリーン券を持っていない人もわりといて、グリーンアテンダントさんは発券に追われていました。
それで定刻に上野駅を発車した列車ですが、さいたま新都心駅停車中、ホームから聞き覚えのあるブザーの音が!程なくして「反対側のホームにお客様が転落し、安全確認のため発車が遅れます。」といったアナウンスが。その時、窓の外を見たところ、さいたま新都心駅には停車するホームのない湘南新宿ラインの列車も、駅構内に停車していました。それにしても、今日はこんなのばっかりとですね。
その後列車は定刻より11分遅れの0時13分に発車。次の大宮駅で、先程さいたま新都心駅で停車していた湘南新宿ラインの最終列車に加え、高崎線の最終列車の接続待ちまで行った影響で遅れは13分に広がったのですが、この後は乗り継ぐ列車もないので、もうどうにでもなぁれという心境。一方車内の様子は、駅の手前で席が空くと、すぐさまデッキ付近に待機していた人がその席に座るという状態が大宮駅を過ぎても続いたものの、白岡駅あたりからポツポツと空席が。そんな中、後ろの席あたりから蕎麦を力強く啜る「ズゾゾっ」とした音が。窓に映った姿を見たところ、その人はコンビニで買ったとおぼしきもりそばを一心不乱に食べていたのですが、なかなかに上級者ですね。それと、大宮駅で入れ替わった私の隣席のオッサンは、近くに空席ができても動かず、最後はガラガラになった車内で、宇都宮駅まで二人並んで座っていました。
やがて列車は1時35分、10分遅れで宇都宮駅に到着。下車した際ホームに、「3号車、まったく起きないお客様を介助中」との放送が流れていました。
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