たひお備忘録

趣味の活動記録。
【タイトル題字:細身のシャイボーイ様】

旅のメモ 私的 台湾鉄路一人旅 【平成30年7月31日(火)~8月4日(土)】 計画編

行きに乗ったエバー航空BR189便

 なかなか筆が進まずに、全て彰化消化(ATOKの変換がすっかり台湾仕様になってます……。)するのに1ヶ月もかかってしまった台湾旅行がらみのネタですが、それも今回が最後。

 旅行の後、いつもは覚え書き兼旅行記的な記事を書いているんですが、今回、旅行記については「鉄道ネタ」でほぼほぼ書いてしまいましたので、この記事ではそこに書かなかった計画や往復の飛行機についてなどをば。


旅の発端

 3年ほど前、当時所属していた某団体の積み立て旅行で行った台湾旅行(旅行記その1その2その3)でしたが、とても楽しかったものの、団体旅行ゆえ個人的趣味としている鉄道関係がほとんど無く(最終日にほんのちょっと台北捷運に乗っただけ)、そこがとても心残りになっていました。それで今回、再び台湾に、しかも1人で行くチャンスが訪れたので、台湾の鉄道に思う存分乗ってこようかと。

 私の、台湾の鉄道に対しての思い入れについては、前回の台湾旅行記の冒頭にも書いたとおり、幼少の頃からの鉄道好きだった私が高校時代に出会った、宮脇俊三著『台湾鉄路千公里』という本に依るところが大きく、その中で描かれた台湾の鉄道やそれに関わる人物の様子を読むにつれ、「いつか行って乗ってみたい」という思いを強く抱いておりました。(ですが、前回の台湾旅行の際、ほとんど乗らなかったことも以前書いたとおり。)

台湾の鉄道のこととか

 今回の旅の目的、台湾の鉄道について簡単に書くと、まずは、国有鉄道にあたる台湾鉄路管理局。島のほぼ外周に沿って敷設された幹線と、それに接続するいくつかの支線を擁し、その営業距離は実に1078.2km。(ただし、このうち20.6kmは貨物線となっているので、実際に乗れるのは1057.6km。)ちなみに線路の幅(軌間(きかん)、ゲージとも。)は1067mmと、日本の在来線と同じとなっています。そして次に、2007年に開業した、台北市の南港駅と高雄市の左営駅の間348.4kmを結ぶ台湾高速鉄路。台鉄とは別組織となっているのですが、それ故、台鉄の駅と別の場所にあるのに同じ名前を使っていたりと、ちょっとややこしいところも。ちなみに、線路の幅は1435mmで、日本の新幹線と同じ。更に車両も、日本の新幹線700系電車をベースとした車両が使われています。更に、台北市と高雄市、桃園国際空港には、捷運(ジェユン)と呼ばれる、地下鉄やライトレールなどを組み合わせた都市交通システムがあり、中でも前回ちょこっとだけ乗った台北市のものは、約130kmもの営業路線長を誇ります。あと他に、お茶で有名な阿里山には、台湾林務局が所管する阿里山森林鉄道があるのですが、度重なる災害によって、現在は部分的に不通となっています。

 で、このうち、個人的に最も興味を引かれるのが、台鉄とも呼ばれる台湾鉄路管理局。鉄道の魅力の一つに、いろんな列車種別、いろんな車両の列車が走っている、というのがあるのですが、台鉄には、特急列車に相当する自強号(ツーチャンハオ)、急行列車に相当する莒(草かんむりに呂という文字。日本語読みだと「キョ」。)光号(ジュグァンハオ)、準急列車に相当する復興号(フーシンハオ)、快速列車に相当する区間快車、普通列車に相当する区間車(チュジェンチャー)や普快車(プークアイチャー)など列車種別が沢山有り、またそれに使われる車両も電車や気動車の他、日本ではすっかり見られなくなった機関車牽引の客車列車が多数。更に車両の製造国も、近年出てきた台湾製の他、日本、韓国、イタリア、南アフリカと多岐にわたっているなど、とても魅力的なんですよね。

計画のこととか その1 日数と飛行機

 それで今回は、その台鉄をメインに乗りたいと思うのですが、この旅のバイブルとも言える「ニュー台湾時刻表」(列車の時刻は台鉄の公式ウェブサイトでも調べられるんですが、正直大変使いづらい。で、それを日本の時刻表と同じ型式に編集した同人誌なんです。)で調べたところ、「環島(ホァンダオ)」と呼ばれる台湾を一周する旅だけなら、丸1日あれば可能なんですね。ただ、台鉄の全ての路線に乗って、乗りたい列車に乗って、更には、鉄道関連の名所旧跡(昔の車両や駅舎を展示している博物館的なところが結構あるんです。)を見て、魅力的な駅では降りてみるなんてやっていたら、それこそいくらあっても足らないというか。

 このあたりは、「いつ」、「どれだけ」の旅行日数を取れるかにも関係するのですが、結論から言うと、今回の台湾一人旅。7月31日(火)から8月4日(土)の4泊5日とすることにしました。

 それでまずは、「いつ」の話からですが、とある旅行会社のウェブサイトによれば、日本より温暖で過ごしやすくなり、更には台風のリスクが低い10~翌3月が台湾旅行のベストシーズンとのこと。ですが個人的には、最も南国らしい気候が味わえる夏の台湾に行ってみたい、と。それは私が、外見に似合わず夏が好きということもあるのですが、そのベストシーズン(10月下旬)に行った前回の台湾旅行の際、現地ガイドさんが、「暑かったり台風が来たりするかもしれないけど、一番台湾らしい夏に一度来てみて欲しい」と言っていたのが印象に残っていたというのもあります。加えて現在、台鉄の一部区間において、工事のために列車の運休(及びバス代行)を行っているのですが、7月と8月はそれが無いというのも理由の一つ。もっとも台湾は、台風が来ると公共交通機関は全便運休になってしまうらしいので、そうなったらバス代行もなにも関係ないのですが。

 次に「どれだけ」ですが、どうしても台風のリスクがあるので、行程には余裕を持たせておきたいところ。なのでまずは、飛行機が遅れ程度で済む場合を考慮して、台湾まで行くのに1日、台湾から帰ってくるのに1日充てることに。そして、何曜日を出発日にして何曜日を帰着日にするかなのですが、台風で帰りの飛行機が飛ばないなんてことも考えられるので、そうなった場合余計に休まなくてもいいよう土曜日に帰ってくるのがベストかな、と。また毎週月曜日には、できればその日にやってしまいたい仕事があることや、色々あって丸一週間以上続けて仕事を休むことが憚られることもあって、出発日は自ずと火曜日に決定。そうすると、間は丸3日となるのですが、台鉄が乗り放題となるTR-PASSという切符があり、その有効期間が3日(他に5日用もあり)というのも丁度良いです。

 と、もっともらしく理由を書いたところでぶっちゃけると、実は今回の日程、全日空のマイレージが溜まっていたので、その特典航空券が往復とも取れる日、ということで決まったんですよね。

 家人から今回の旅行にGOサインが出たのは5月の連休明けの頃だったのですが、その時点で、とりあえず7月か8月(月遅れお盆期間以外)で特典航空券の空きがある日を探したところ、既に「キャンセル待ち」となっている日が多いこと!それでも何度か探すうち、前述の日に空きがあることがわかり、そこで逆に「どれだけ」の条件を当てはめていったら、もう、ここしか無いという結論に至ったというか。しかも行きは午前中出発で昼過ぎ到着の便(偶然にも、前回の台湾旅行で乗った便と同じ便でした。)、帰りは夕方出発で夜到着の便と、飛行機が時間どおりに飛びさえすれば、その日、半日程度は自由に動ける時間を作れるというのも魅力。更には、行きも帰りもアクセスの良い羽田・松山発着というのも良いですね。

計画のこととか その2 鉄道と宿泊地

 行きと帰りの飛行機が決まったので、今度はその間の計画を。台鉄をメインに、どれだけ鉄道に乗ることができるか。そしてその結果、どこに宿を取ったら良いのか。今回は現地に滞在する丸3日間+前後半日ずつを全て鉄道に乗るために充てようとは思っているのですが、ただ闇雲に乗っても勿体ないので、以下の、乗りたい車両、乗りたい列車を極力優先して計画を立ててみることに。

 その筆頭が、旧型客車を使った普快車(冷房無しの普通列車)。台湾には、日本ではすっかり見なくなった、(電気機関車やディーゼル機関車が牽引する)客車列車が多数走っているのですが、莒光号、復興号といった座席指定の優等列車がメイン。もちろんそれにも乗りたいのですが、それよりもっと乗りたいのが、南部に1往復だけ残る、1970年代に作られた旧型の車両を使用した普快車。鉄道趣味ってとても後ろ向きな部分が多いというか、こういう、ノスタルジックなものにたいへん弱く、走っているうちに是非一度乗っておきたい、と。

 そして、それと同じくらい乗りたいのが、吊り掛け式駆動の自強号。いきなりですが、「電車」って、電気モーターで車輪を駆動して走る乗り物ですよね。それでここからは大変マニアックな話になるのですが、そのモーターの位置によって電車は、「吊り掛け式駆動」と「カルダン式駆動」に大別できます。で、日本においては、昭和40年代頃までは吊り掛け駆動が主流だったのですが、現在は路面電車などごく一部を除いて廃れてしまい、そのほとんどがカルダン駆動の電車に。ですが台湾には、その吊り掛け駆動の電車がわずかながら残っていて、しかも、日本の特急にあたる自強号で運用。更には、その車両は2種類有って、1つはイタリアのソシミ社で製造、もう1つは南アフリカのUCW社で製造したものを台湾で改造したものと、馴染みの無い国・メーカー製というのも興味をそそられます。

 この3つの列車は必ず日程に組み込むとして、あとは可能な限りなのですが、前出の莒光号や復興号。自強号(特急列車)では、現在行われている南部の電化工事の進展によっては廃止されてしまうかもしれないディーゼルカーのものや、日本では馴染みの無いプッシュプル方式(編成の前後に機関車を連結した動力集中方式の電車。)のものを優先的にという感じで、計画を立てていくことにしました。

 それでニュー台湾時刻表をめくりつつ悩むこと約1ヶ月。以下の計画ができました。

初日(7月31日(火))
 自宅を早朝に出発。羽田空港まではJRと京急で向かい、羽田空港10時50分発エバー航空BR189便に搭乗。台北市の松山空港には現地時間13時30分に到着した後、台北捷運で台湾鉄路管理局(以下「台鉄」)台北駅に移動。その後、台湾北部の基隆市、新北市にある台鉄のローカル線に乗車した後、台北市に戻り一泊。
2日目(8月1日(水))
 この日から本格的に台鉄に乗りまくるべく、まずは早朝、台北市を発ち基隆市の基隆駅へ。そこから反時計回りで進むのですが、まずは、この旅の主目的の1つである吊り掛け式駆動の自強号に乗車し、台湾西部にある彰化県の彰化駅まで。あとは、途中のローカル線などに立ち寄りつつプッシュプル式自強号などで南部の高雄市まで行き一泊。
3日目(8月2日(木))
 早朝、高雄市を発ち、莒光号に乗る為だけにちょっと戻る感じで南部の台南市に。そこからまた反時計回りで進むべくディーゼルカーの自強号に乗車。そして枋寮駅から台東駅までは、この旅の主目的の1つである旧型客車の平快車に乗った後も反時計回りでずんずん進み、台湾一周を達成しつつ台北市まで戻って一泊。
4日目(8月3日(金))
 早朝、台北市を発ち、今度は台湾高速鉄道(以下「高鉄」)で一気に彰化県まで。そこからは台鉄の吊り掛け駆動電車の自強号(2日目に乗ったのとは別の車両)に乗って高雄市を目指し、高雄からは高鉄と台鉄を使って時計回りに北上しつつこれまで乗っていないローカル線などに乗車。この日で台鉄の旅客営業路線と高鉄の全路線乗車達成。
5日目(8月4日(土))
 出発までフリータイム。台北市内でグルメ巡りしても良いし、乗り足りなければ台鉄に乗っても良いし、高鉄を使えば南部まで往復も可。それで台北市を発つのは、松山空港16時45分(現地時間)発の全日空NH854便。羽田空港へ20時50分に到着した後は、東京モノレール、東北新幹線含むJRで帰宅。

 もっともこれは、飛行機も遅れず鉄道も大幅に遅れず、更には台風にも直撃されない時の予定で、もし台風が直撃した場合、ひどい時は2日くらい身動きが取れなくなってしまう(政府の決定で官庁の他一般企業まで休みとなってしまうとのこと。)のですが、何かあった場合でも行程の組み替えが効くよう、台北泊を多く、という感じで。(ちなみに、2日目も高鉄を使えば台北まで帰れたのですが、さすがに全て台北泊だと切ないので高雄泊としました。)

準備のこととか

 あとは、出発までの間に、諸々の準備を。

 まず宿の手配ですが、インターネット経由で予約。で、今回は世界最大の宿泊予約サイト「Booking.com」を使ってみました。もっとも、その理由は特にないというか、国内旅行の際にだいたい使っている楽天トラベルで海外のホテルを予約できる事をすっかり忘れていただけなんですが。加えて台湾は日本でも人気の観光地とあって、どの旅行系サイトでも、扱っているホテルの数はわりと多いんですけどね。でも、さすがは世界最大だけあって、ホテルも調べやすく、手続きも難しくなく、結果的に普通に使えました。ただ、今回はトラブル無く帰ってくる事が出来たのですが、台風などで急遽予定が変更になった場合など、イレギュラーなことが起きた時にどのような対応を取ってくれるのかは、そのような事が起きなかったので不明なままです。

 次に鉄道ですが、これも台鉄、高鉄ともインターネット経由で予約ができます。で、台鉄は、当日だと予約が難しいと言われる「東部幹線」(宜蘭、花蓮を経て台東へ至る、宜蘭線・北廻線・台東線の総称)の対号列車(全車座席指定列車)の切符だけ確保。ちなみに台鉄の切符は基本的に乗車日2週間前の午前0時(台湾標準時なので日本だと午前1時)から発売となるのですが、その日の夕方に申し込んだところ希望の列車が満席な場合もありました。(第2希望的な列車の切符が取れたので実害は無かったのですが。)ちなみに、予約サイトの操作方法については、個人サイトで説明しているところがあり、とても助かりました。

 あとは、レンタルWi-Fiもあらかじめ申し込んでおきました。前回台湾に行った時、調子に乗ってローミングしていたら、電話代がえらい事になっちゃったんで。その他、服を買い足したり(余談ですが、ユ○クロのエ○リズムって重宝しますねぇ。)、日焼け止めやデオドラントシート、虫除けスプレー(飛行機に持ち込むのでガスを使っていないタイプ)など持って行く物を買い足したり。特に虫除けスプレーは、蚊が媒介するデング熱対策として必須との事なので。

 それにしても、7月25日に発生した平成30年台風第12号「ジョンダリ」にはやきもきさせられました。本州に上陸した後、東から西へという通常の逆ルートを辿り、その影響で7月28日には東京発、29日には中部、関西発の空の便が軒並み欠航と、あと数日ずれていたらどうなっていたかと。


 と、ここまで書いたところでえらく長くなってしまったので、一度記事を切りたいと思います。もしこの記事を読んでくださる方がいたのなら、テキストオンリーのヤマもオチもない記事になってしまい申し訳ない。

(つづく)

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