趣味の活動記録。
【タイトル題字:細身のシャイボーイ様】
今年1月、ふと思い立って秩父鉄道に乗って以来、「乗り鉄」の虫が暫くぶりに疼きだし、2月には千葉まで行くついでに京成スカイライナーに乗ったりもしたのですが、それで収まるどころか更にウズウズしてしまったという。
それで、乗りたい列車や路線はダースとなって頭の中に渦巻いているのですが、そんな時には「先従隗始(先ず隗より始めよ)」の諺に従い、栃木県内を走り、個人的には一番身近な私鉄と言える東武鉄道の、特急列車といくつかの路線を乗り、そして、それらと合わせて、個人的に乗り鉄には付きものと思っている駅そばの類いもいってしまおうかと。
東武鉄道と言っても、日本の私鉄の中では第2位、関東に限って言えば第1位の旅客営業路線長(463.3km)を誇り、また、そこに走る列車もけごん、きぬ、りょうもうをはじめとする有料特急列車やTJライナーという座席定員制の列車、車両もスペーシアやリバティなど、乗ってみたいものが沢山。で、これらをまとめて乗ってしまうのは不可能に近いので、今回はその中から、以下の点を優先して計画を立てることにしました。
それでこれらを勘案した結果、東武宇都宮駅から上りの特急しもつけに乗車し春日部駅で下車。その後、獨協大学前駅で立ち食いそばをいただいた後、西新井駅から出ている大師線と船曳駅から出ている亀戸線に乗ってから春日部駅まで戻り、その間に西新井駅か春日部駅で立ち食いラーメンをいただいた後、野田線で一度大宮駅まで出て、改めて野田線全線に乗車して船橋駅まで。その後別の用事を挟んで、帰りは浅草駅から下りの特急しもつけで帰る、という計画ができました。
(平成30年)3月3日の土曜日。JR宇都宮線黒磯発宇都宮行き上り始発列車は、6時16分、宇都宮駅に到着。4分の接続時間で西口のバス停から日光東照宮行きの路線バスに乗って、6時24分に東武駅前停留所到着。それにしても、途中の県庁前停留所から乗ってきた若い女性は、片手に缶チューハイが数本入ったレジ袋を持っていたのですが、そのちょっと疲れたような表情から、仕事上がりの一杯でしょうか。(だとしたらお疲れ様です。)
バス停からは、東武馬車道通りを歩くこと3分程で、突き当たりの東武デパート内にある東武宇都宮駅へと到着。早朝なのでデパートも駅構内のテナントも全て閉まっているのですが、そういえば東武宇都宮駅って、東武診療所というクリニックが入っているのが昔から珍しく思っていたんですよね。
それで旅の最初に乗るのは、東武宇都宮駅発の特急しもつけ282号。で、乗る前に、特急しもつけについてちょっとだけ。
東武鉄道の浅草駅から東武宇都宮駅に直通する列車は、以前から料金不要の急行と準急が運転されていたのですが、そこに有料急行が新設されたのは昭和28年(1953年)。現在と同じ、朝は上り1本、夕に下り1本という設定で、その後昭和31年(1956年)、その列車に「しもつけ」という愛称が付きましたが、運転開始から6年後の昭和34年(1959年)、急行しもつけは廃止となり、浅草駅から東武宇都宮駅間の直通列車は再び料金不要の急行と快速列車になってしまいました。(その後、伊勢崎線~日光線~宇都宮線の直通運転自体も廃止になってしまった記憶があるのですが、ひょっとしたら勘違いかもしれません。)
そのしもつけが復活したのが昭和63年(1988年)。2扉でボックスシートを備えた6050系電車4両編成を使用した座席指定の快速急行の、上り列車がしもつけ272号、下り列車がしもつけ279号として運転を開始。平成2年(1990年)からは定期券での利用が可能となったので列車種別の前に「ビジネスライナー」が付き、号数も上り列車が282号、下り列車が281号となりました。
そして平成3年(1991年)。現在も使われている350系電車が投入され列車種別を急行に変更。「ビジネスライナー急行しもつけ」となりましたが、平成9年(1997年)に全列車定期券利用が可能となってビジネスライナーが廃止となり「急行しもつけ」となりました。
更に平成18年(2006年)には特急格上げとなって列車名が「特急しもつけ」となり、平成29年(2017年)からは現在と同じダイヤ(上り列車が東武宇都宮7時00分発、下り列車が浅草18時20分発。)になると共に、下り列車の号数が283号と改められました。
それと、使用されている350系電車ですが、元々は伊勢崎線の急行りょうもうで使用されていた1800系電車で、そのデビューは昭和44年(1969年)。当初は4両編成だったものが昭和54年(1979年)に中間車を増備し6両編成となりました。それで平成3年(1991年)にりょうもう用の新車(200系電車)投入に伴って運用から外れた編成のうち2本を、中間車の先頭車化改造をするなどして4両編成3本に組み替えたものです。
まず、東武宇都宮駅の改札前コンコースに置かれた自動券売機で、行きの分と、ついでに帰りの分まで特急券を購入。その券売機は、座席は窓側か通路側のみ選べ、シートマップからは選択できないタイプでした。あと、春日部駅で降りる行きの特急券には、券面に春日部駅では3号車の前部と2号車後部のドアしか開かない旨の注意書きが。ちなみに、特急料金は東武宇都宮駅から春日部駅、浅草駅から東武宇都宮駅の両方とも820円でした。
Suicaをタッチして改札を通る(本日は乗る全ての区間、Suica(ICカード)利用しています。)と、特急しもつけ282号は既にホームに入っていて乗車可能な状態。ちなみに車両は、前述のとおり4両編成の350系電車。3編成(351F、352F、353F)あるうちの353F編成で、車番は浅草方から4号車が353-1、3号車が353-2、2号車が353-3、1号車が353-4となっています。
【3号車の車内】
【2号車後部のドア付近】
【クロスシート】
【クロスシート背面】
【背面のテーブルを出したところ】
【車内客用扉上部に貼られた注意書きのステッカー】
【1号車の自動販売機】
で、まだ他のお客さんが乗ってこないうちに今のうちに写真をパシャパシャと撮って(ちなみに今日の写真は全てiPhone6S+で撮りました。)から、指定された2号車の13D席へとついたのですが、進行方向左側、っていうか朝日をもろに浴びる東側ということで相当まぶしそうです。またそのシートは、今や貴重品と思われるリクライニングしない回転クロスシートで、背面のテーブルやフットレストなどのディテールが泣かせますね。加えて、古い車両にありがちな前のシート下に足を入れられないタイプなので、実際の間隔(シートピッチは960mm。)より若干狭く感じられますが、これも味ということで。あと、1号車と4号車にはトイレと自動販売機が設置されているのですが、この350系の種車となった1800系は、日本で初めて列車内に自動販売機を設置した車両とのことです。
やがて車掌さんのアナウンスがあり、定刻の午前7時丁度に東武宇都宮駅を発車。ちなみに発車時、私が乗る2号車の乗客は私を含め5名で、私を含めて全員オッサンなのですが、中でも通路を挟んで反対側の窓際に座って時折ポケモンGOに興じている方は、イヤホンからシャカシャカ音が漏れているのが何とも。
東武宇都宮駅を出た列車は、新栃木駅までの間、全線単線の宇都宮線を走るのですが、駅ごとに両開きの分岐器(ポイント)があるせいか、駅通過時はかなり速度を落とす感じ。加えて駅間距離も短いので、特急列車らしいスピード感はないのですが、加速時に床下から聞こえるモーターの音が、何とも懐かしい感じなのが良いですね。で、江曽島駅、おもちゃのまち駅、壬生駅と、1駅もしくは2駅通過しただけでこまめに停車し、その度に僅かずつ乗客を増やしていきます。また車窓の景色も、宇都宮の市街地から徐々に郊外のベッドタウンという感じで移り変わり、いかにも北関東の田舎町という景色を経て、壬生を出ると辺りがパっと開け、田んぼの向に県南の低い山々が見えるようになりました。あと、梅が綺麗に咲いていますね。
やがて右手から幹線然とした(東武)日光線と合流し、7時31分、新栃木駅到着。5分停車の間に上り方向のスペーシアが颯爽と通過していきました。そして発車後高架に登り栃木駅と立て続けに停車。JRとの接続駅で、ここでも乗客を拾います。
栃木駅を出ると、私が降りる春日部駅まではノンストップ。新栃木駅から複線の日光線に入っていることもあり、先程よりもモーターがやや唸りを上げるのですが、それほど喧しい感じは無く(貫通路の渡り板がキコキコ擦れる音の方が響く。)、更には宇都宮線内よりはスピーディーとはいえそれほど飛ばしている感じはなく、適度な速度感というか。(そりゃ、急行時代から使用車両は変わっていないので当然っちゃ当然なんですがね。)そんな中、左手に日立の白物家電を作っている工場が過ぎ、藤岡駅の手前で渡良瀬川を渡るのですが、河畔には気球が沢山飛んでいました。(後で調べたところ、気球の全日本学生選手権が行われていたようで。)
その後、左手に渡良瀬遊水池、そして渡良瀬川の堤防が続くのが見え、それが暫く続いたと思ったら、利根川を鉄橋で渡ります。このあたり、渡良瀬川と利根川の合流部分も車窓から見えるんですね。で、その橋を渡り終わると栗橋駅を通過。更にその次の南栗橋駅手前では、巨大な車両基地兼検修施設である南栗橋車両管区及び栗橋工場が。そこに停まっていた車両の中には、東武鉄道と相互乗り入れを行っている東急電鉄の、スペシャルな塗装の8500系電車(伊豆のなつ号)もありました。
その車両基地を過ぎ、次の幸手駅を通過する辺りから車窓の街並みは途切れずに進み、やがて伊勢崎線と合流する東武動物公園駅をゆっくりと通過。この先は路線に東武スカイツリーラインという愛称が付きます。そして、結構手前から減速するんだなと思ったら未だ北春日部駅で、それを通過後、定刻8時27分、春日部駅に到着。10人程度乗っていた2号車からは、私を含め3人が降りました。で、降りる時に気がついたのですが、春日部駅で開くドアの数が制限されるのは、乗車時に特急券を確認するからなんですね。
特急しもつけ282号を春日部駅で降りた後は、まず東武鉄道系最後の駅そばをいただきに獨協大学前駅まで。
その為に、降りたホームの次発、8時29分発の浅草行き区間急行に乗るのですが、やって来たのは(東武)10030系電車で、乗車しようとしたところ、これがかなりの混雑。この列車、短めの6両編成というのも関係しているかもしれません。で、この東武スカイツリーラインというか東武伊勢崎線は、北越谷駅(この列車は通過)から北千住駅までの18.9kmが複々線化されており、JR以外では日本最長を誇るのですが、そこに入ったことも判らずに越谷駅に到着。次の目的地のある獨協大学前駅は普通列車しか停車しないため、越谷駅か次の新越谷駅で乗り換える必要があるのですが、混雑が酷いのでここで降りてしまうことにしました。
後続の普通列車は、東京メトロ日比谷線直通の中目黒行き。車両は昨年デビューした(東武)70000系という車両の7両編成なのですが、内装などはまだピカピカですね。それで中央部の車両は立ち客が出る程度の混み具合だったのですが、次の新越谷駅で席が空いたので、有り難く座らせて貰います。
列車は複々線内側の緩行線を走行。新田駅に停車中、外側の急行線を東急田園都市線直通の急行列車が追い抜いていきました。そして定刻の8時54分、獨協大学前駅に到着。東武宇都宮駅からの運賃は、1,059円でした。
大手私鉄の駅構内や周辺には、小田急電鉄の箱根そば、東急電鉄のしぶそば、京浜急行のえきめんやなど、鉄道会社毎の屋号を持った駅そばがつきものだったのですが、会社によってはそれが無くなってきていて、東武鉄道に至っては、今やここ獨協大学前駅の改札外にある1店舗を残すのみになってしまったという。
それでお店の名前どおり駅の東口から出て辺りを見渡すと、すぐ近くにあるお店を発見。注文は、入口の券売機で食券を買う方式なのですが、店頭に置いてあったPOPに惹かれて季節のかき揚げそばと、トッピングの温泉玉子を。で、カウンターには椅子があったので着席し、目の前にいた女性の店員さんに食券を渡すと、奥にいた男性の店員さんに「季節作っておきなって言ったでしょ?」と。こちらのお店の天ぷらはこの手のお店らしく揚げ置きが基本らしいのですが、こちらにしてみれば、お陰で揚げたてのをいただけるので逆に有り難いんですけどね。
【季節のかき揚げそば(桜海老かき揚げそば) 420円 + 温泉玉子 80円】
それで待つことちょっとだけで登場したこちらの品。早速ツユからいってみたところ、濃口醤油が立った関東地方の標準的味わいなのですが、個人的好みからすれば、甘さ辛さ共に丁度良く、そして何より、味の濃さがかき揚げに負けていないのが良いですね。そしてソバは、何と茹で立ての生蕎麦。香りはそれほど強くないものの生蕎麦らしい自然なコシのある食感とツルツルっとした啜り心地が良い感じ。そしてかき揚げは前述のとおり揚げ立てて香ばしく、写真だと良く写っていないのですが、「季節のかき揚げ」ならではの桜海老が、良い仕事をしていました。
と、昔の駅そばよりは格段にアップデートしていた味に満足したのですが、残念なのは自宅からおいそれと来られる場所にないということでしょうか。
以上、若干中途半端ではあるのですが、ここまででだいぶ長くなってしまったので、記事を一旦切りたいと思います。で、次の記事では、東武大師線、亀戸線に乗りつつ、東武鉄道名物の立ち食いラーメンをいただいたりとか。
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