たひお備忘録

趣味の活動記録。
【タイトル題字:細身のシャイボーイ様】

スカイライナー乗車記 【平成30年2月7日】

車両側面のロゴ

 今回、平日にもかかわらず競馬をしに船橋まで行くことになったのですが、そのついでに「鉄」分補給として、京成電鉄のスカイライナーに乗ることができました。


スカイライナーについて

 スカイライナーは、成田空港(開港当初は新東京国際空港)へのアクセス列車として、昭和53年(1978年)の成田空港開港と同時に運行を開始。車両は専用に作られた6両固定編成の特急形車両AE車("AE"はAirport Express の略)を使用し、京成上野駅と成田空港駅の間をノンストップの1時間で結んでいました。で、個人的には当時とても憧れた列車だったというのは、5年前に京成の今は無きAE100形シティライナーに乗った時に書いたとおりなのですが、とにかく、マルーンとクリーム色に塗り分けられた初代AE形はとても格好が良く見え、昭和55年(1980年月日不明)と昭和56年(1981年)3月下旬、家族に頼み込んで乗せて貰いました。ちなみに、当時の成田空港駅は空港のターミナルビルとは離れた位置にあり(現在の東成田駅)、駅から空港まではバスで連絡していたのですが、空港開港以前から開港した後も過激派などによる実力闘争があったため、バスから降りた後、見学のために空港に入る際だったと思うのですが、厳重なセキュリティチェックがあった事を覚えています。

 と、話が逸れましたが、運行開始当初は京成上野-成田空港間ノンストップだったものが、空港アクセス特急とは言え、前述のとおり空港直行というわけにはいかなかったため、リムジンバスなど他のアクセス手段にお客を取られてだいぶ苦戦していたような。(私が乗った時も2度とも車内は空いていました。)なので運転開始後、一部列車の成田駅停車、日暮里駅停車が開始。また、朝夕の時間帯には停車駅を増やしたモーニングライナー・イブニングライナーの運行も開始されました。

 その後平成3年(1991年)に、空港アクセス用に建設を開始していたものの反対運動によって建設中止に追い込まれた成田新幹線の、建設済だった施設の一部を利用して空港ターミナルビル直下に現在の成田空港駅が開業することとなり、新たに延長開業するJR成田線と共に乗り入れが開始されることとなりました。で、それに先立つ平成2年(1990年)、6両固定編成だったAE車を一部車両改造のうえ8両編成に組み替えると共に、新型のAE100形電車(8両固定編成)がデビュー。AE車は順次新型車に置き換えられ、平成5年(1993年)を最後に運用から外れ、別形式へと改造されました。

 そして平成22年(2010年)、成田空港へ向かう新ルートとなる成田スカイアクセス(成田空港線)が開業。スカイライナーも同線経由となり、更に新型車両のAE形電車(8両固定編成)を導入。同線内では国内の在来線最高速度となる160km/hでの運転が開始。平成29年(2017年)11月1日には、運転開始からの累計乗客数が2500万人に達しました。

実際に乗ってみる

京成上野駅まで

 冒頭にも書いたとおり、今回、平日の船橋競馬場へと行くことになったのですが、その日の船橋競馬場の開門時刻は午前10時20分とゆっくりめ。なので早朝に自宅を出れば、開門前に成田空港まで行って引き返えしても充分間に合うではありませんか。っていうか、以前、AE100形シティライナーに乗った時も、船橋競馬場に行くついでだったんですけどね。

【氏家駅で発車を待つ熱海行き普通列車】
氏家駅で発車を待つ熱海行き普通列車
【小金井駅で乗り換え】
小金井駅で乗り換え

 それで平成30年2月7日の水曜日。自宅からだとちょっとばかり南となる、氏家駅5時20分発の始発列車に乗車。小金井で先発の上野行き普通列車に乗り換え、定刻の7時30分、上野駅に到着しました。

スカイライナー13号

【京成上野駅入り口付近】
京成上野駅入り口付近

 広小路口から出て、昔は聚楽だった建物を見つつちょっとだけ歩くと京成上野駅。券売機で乗車券とスカイライナー券を購入するのですが、小金井で乗り換えたお陰(その方が4分早く上野駅に着く)で今なら乗ろうと思っていた列車よりも1本早い、7時40分発スカイライナー11号に乗れる状態。ですが、これから慌ただしく乗るのも嫌だったので、予定どおりとなる8時00分発スカイライナー13号の指定席を購入。それにしても、今や券売機で好きな座席を指定してチケットが買える時代なんですね。

【スカイライナー11号に貼られた累計乗客数2500万人達成記念ステッカー】
スカイライナー11号に貼られた累計乗客数2500万人達成記念ステッカー
【京成上野駅の駅名票】
京成上野駅の駅名票
【ホームに立ててあった注意看板】
ホームに立ててあった注意看板

 自動改札を通ってホームに降りると先発のスカイライナー11号が停車していたのですが、車体側面には、累計乗客数2500万人達成記念のステッカーが貼り付けられていました。あと、ホームには「スカイライナーは座席指定券が必要です。お持ちでないお客様はご乗車できません。」と書かれた看板が立ててあったのですが、その「スカイライナー」のフォントが、初代AE車のヘッドマークに書かれたものと同じだったのにちょっと感激したりして。

【出発案内】
出発案内
【京成上野駅に2番線ホームに入線する回送列車】
京成上野駅に2番線ホームに入線する回送列車

 スカイライナー11号が発車して5分あまり経った7時45分過ぎ、スカイライナー13号となる回送列車が成田空港方から入線してきました。

【購入した乗車券・スカイライナー券】
購入した乗車券・スカイライナー券
【1号車の車内】
1号車の車内
【車端部に貼ってある車番表示とブルーリボン賞受賞プレート】
車端部に貼ってある車番表示とブルーリボン賞受賞プレート
【京成上野駅で発車を待つスカイライナー13号】
京成上野駅で発車を待つスカイライナー13号

 前述のとおりスカイライナーは前車座席指定なので慌てることはないのですが、ドアが開くと早々に乗車。ちなみに先程、自動券売機で購入した際に指定した席は、1号車(成田空港方先頭車)の最後列進行方向に向かって左の窓際となる10D席なのですが、後から乗ってきた中国系の乗客が、席と後ろの壁の間に黙ってスーツケースを突っ込んでいきました。(車両前方には、大型荷物置き場も有るんですがね……。)もっとも、シートピッチが広く、後ろの壁との間も充分に空いているので、快適な角度までシートをリクライニングさせる分には影響ないのですが。

【京成上野駅発車直後の車内】
京成上野駅発車直後の車内
【日暮里駅発車直後の車内】
日暮里駅発車直後の車内

 やがて定刻の8時00分となり、列車は京成上野駅を静かに発車。その時点では座席が3割程度埋まるくらいの乗車率だったのですが、次の日暮里駅で結構な数の乗客があり、1号車は8割以上座席が埋まりました。で、京成上野駅発車時点では空席だった隣の席にも、若い女性が乗車。通路を挟んだもう1人の若い女性と2人組で、会話の内容や手に持ったパンフレットからイタリアへと行くらしいのですが、私がこの席を取ってしまったため、2人並んで座れなくしてしまったようで、ちょっと申し訳ないです。(私が券売機で買った時は、結構空いていたんですがね。)

 日暮里駅を発車した列車は、序盤こそカーブの多い京成線内をあまり速度を出せずに走る感じですが、京成高砂駅を通過後に京成本線と分かれて北総鉄道北総線に入り、新柴又駅を通過して江戸川の長い鉄橋を渡った後に速度を上げ、特急らしい走りに。

【成田新幹線跡地のソーラーパネル】
成田新幹線跡地のソーラーパネル

 車窓はいかにも郊外のベッドタウンっぽい景色が続いていたのですが、新鎌ケ谷駅を通過すると農地がちらほらと出現。ですが次の西白井駅(競馬好き的には、JRA競馬学校の最寄り駅という印象。)付近から線路の両隣の一段高いところを国道464号が併走するようになると、その向こうは大型の商業施設や工場、戸建ての住宅団地などが見えると同時に、線路脇に遊休地というか空き地というか、複線をもうワンセット置けるくらいのスペースが確保してあることに気がつきました。で、その時は「建設中止になった成田新幹線の用地だったっけ」くらいにしか思わなかったのですが、後で調べてみたところ事情はもっと複雑で、西白井駅付近から千葉ニュータウン中央駅付近までは、北千葉線や東京都10号延伸新線という名称の未成線(現在の都営新宿線をここまで延長する計画が有った。)で、そこから北総線の終点である印旛日本医大駅までが成田新幹線のようで。ちなみにその用地、小室駅を通過したあたりからはソーラーパネルが置いてあったのですが、千葉ニュータウンに供給する電気を発電する「日本最長」のメガソーラー発電所として、昨年7月から稼働しているようです。

【印旛沼を左手に見つつ160km/h運転へ】
印旛沼を左手に見つつ160km/h運転へ

 そんな中、列車は印旛日本医大駅を通過。ここからが、平成22年(2010年)に開業した成田高速鉄道アクセスが線路等を保有する区間になるのですが、そこに入ると印旛沼を左手に見ながら一気に加速し160km/h運転に。それにしても在来線(もっとも、京成は線路と線路の間の長さ(軌間~ゲージ~とも)が新幹線と同じ1435mmの標準軌なんですがね。)のこの速度は、ものすごく速く感じますね。

【JR成田線と併走(架線柱のカタチがJR)】
JR成田線と併走(架線柱のカタチがJR)

 そんな成田高速鉄道アクセスなのですが、唯一の駅である成田湯川駅を過ぎると単線になり、JR成田線が合流するところあたりからは成田空港高速鉄道が線路等を保有する区間に。そして程なくすると根古屋信号場を通過し、その先はトンネルに入ったと思ったら地下に潜っていて、空港第2ビル駅に停車。ここで乗客の半分くらいが降車しました。で、空港第2ビル駅を発車するとすぐに終点の成田空港駅に到着。時刻は定刻、8時49分です。

【成田空港駅に到着】
成田空港駅に到着
【成田空港駅の駅名票】
成田空港駅の駅名票

 それで、駅名票と線路の終端部の写真を撮った後、改札口へと向かうエスカレーターに乗ろうとしたのですが、そこはまだ、スーツケースを持った人たちで混雑していました。

乗った後

【成田空港駅チケットカウンター付近】
成田空港駅チケットカウンター付近
【駅構内に貼ってあったポスター】
駅構内に貼ってあったポスター

 成田空港駅では一度改札口を出た後、Suicaで入場。駅構内には、初代と二代目スカイライナーの写真を使ったポスターが貼ってありました。

 で、今度は船橋競馬場へと向かうため、8時58分発の京成本線経由京成上野行き快速特急に乗車。この列車にも、スーツケースを持った外国の方が結構乗車していたのですが、ロングシートでいちゃついたりしていて、先程のスカイライナーよりはファンキーな感じ。

【京成津田沼駅を発車する京成上野行き快速特急】
京成津田沼駅を発車する京成上野行き快速特急
【京成津田沼駅で発車を待つ京成上野行き普通列車】
京成津田沼駅で発車を待つ京成上野行き普通列車

 快速特急は成田空港を発車して40分弱で、京成津田沼駅に到着。ここで京成上野行き普通列車に乗り換えて、船橋競馬場駅へと向かいました。


※(平成30年3月13日)タイトルと本文中の日付が間違っていたので修正しました

コメント

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無題

ここで豆知識です。スカイライナーの「ライナー券」(派生のモーニングライナー、イブニングライナーも含む※以下同様)ですが、殆どの方が京成の特急券と思っている方が多いと思っていますが、実は「特急券」ではありません。確かに以前は京成の公式サイトなどでも「特別急行券(特急券)」と案内があったり、ここ最近まで券面上に「特急券」と記載されていましたから、ライナー券=特急券と思っている方も多数います。では何故ライナー券が特急券ではないかと言えるのかと申しますと、理由が2つあります。ひとつは、「スカイライナー」は『特急列車ではない』ことです。そんなバカなと思っているでしょうけど、京成電鉄では乗車券だけで乗れる特急列車が存在します。さらに特急の上位種別である快速特急(アクセス快速特急[飛行機マークに快特])が存在し、いずれも乗車券だけで乗れます。では「スカイライナー」はどう言う種別なのかと言うと、乗車券だけで乗れる特急(快速特急)よりも上位の種別で料金券が必要な有料速達列車を表す「ライナー」と言う種別です。つまり料金券不要の「特急」と料金券必要の「ライナー」とを明確に区別するために「ライナー券」と案内(記載)されているのです。よって「ライナー」を利用するためのオプション券なので「特急券」ではなく「ライナー券」なのです。もう一つの理由は、先ほどの理由にも一部繋がりますが、スカイライナーが特急より上位種別である以上、有料のオプション券(ライナー券)が特急券と表示できない為、ライナー券は座席指定券ということになります。これは、京成電鉄に限らず他の有料速達列車がある私鉄でも見られます。例えば、名古屋鉄道(名鉄)の「ミュースカイ」がその例で、名鉄の場合、特急列車は座席指定車両(名鉄では特別車両)と自由席車両(一般車両)の複合編成となっており、座席指定車両を利用する場合は座席指定券(名鉄では特別車両券[ミューチケット])が必要で、一般車両は乗車券だけで利用できます。よってミューチケットは特急券ではなく座席指定券です。ミュースカイの場合は全車両が座席指定車両(特別車両)であり、必ずミューチケットが必要となります。よって特急よりも上位種別(全車両特別車両の有料速達列車)となる訳です。つまり名鉄では特急券自体が存在しないのです。他の私鉄(小田急、東武、西武、近鉄、南海[サザン以外※サザンは名鉄と同じ]など)は座席指定有料速達列車はすべて特急列車としている(有料速達列車=特急列車)ので、特急券と表示しています(ただし、これも一部例外があります)。長い文章で恐縮でした。

Re:無題

ご高説、ありがとうございました。

  • 馬 たひお (@uma_tahio)
  • 2019/10/27(Sun.)

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