たひお備忘録

趣味の活動記録。
【タイトル題字:細身のシャイボーイ様】

小松城 【平成28年5月1日】

蘆城公園 の石碑

 今回の旅の宿泊地は、これまでの記事に書いたとおり2泊とも石川県小松市としたのですが、当地にはかつて、小松城という城があったそうなので、せっかくだから朝食後、小松を離れる前に立ち寄ってみることにしました。


小松城について

 小松城は、石川県小松市にある梯郭式の平城で、別名は蘆城(川沿いの芦原に築かれたことに因む?)とも小松の浮城(広大な水堀に囲まれた姿に因む)とも。ちなみに、小松市の指定文化財となっています。

 元々当地は、浪人時代に北陸で過ごしたこともある明智光秀によって北陸一の要害と言われていた程の地だったのですが、天正4年(1576年)、加賀一向一揆の際に、一揆方の若林長門守によって築城されました。しかし天正7年(1579年)、柴田勝家に攻められ落城。その際、村上義明が城主となり、その後、慶長3年(1598年)には、替わって丹羽長重が入城しました。

 そんな時に起きた、慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦いと、それに向かう一連の戦のなかで、小松城も戦いの舞台に。東軍に与する前田利長から攻撃を受けますが、北陸一の要害としての堅固さを遺憾なく発揮し、一度は利長を撤退に追い込みます。しかし、最終的に関ヶ原の戦いは東軍の勝利に終わり、小松城も関ヶ原の戦いの3日後に開城することとなりました。

 そして戦後は前田利長の所領となり、利長の義兄の前田長種が城代となりますが、元和元年(1615年)、一国一城令により廃城に。しかし寛永16年(1639年)、利長の後を継いだ前田利常の隠居城という名目で再築が許され、石垣の構築、二の丸三の丸の増築、また水堀が多数配される等、大規模な改修が加えられた結果、金沢城以上の偉容を誇るようになったそうで。その後、万治元年(1658年)に利常が没すると、以降明治まで城番が置かれ維持されたのですが、先に訪れた高岡城といいここといい、前田家は「やる気」だったんですかね。

 しかし世は明治維新を迎え、小松城も明治5年(1872年)廃城に。その後、城の敷地は学校(現在の石川県立小松高等学校や小松市立稚松小学校)、公園、役所などに利用され、威容を誇った城の遺構も、ほとんどが失われてしまいました。

実際に行ってみた

 それでその小松城。遺構は天守台と石垣がわずかに残っているくらいとの事だったのですが、とりあえず向かってみることに。というわけで、小松駅近くの宿を出発して、市内を10分ほど走って到着したのですが、ここで問題が。天守台は石川県立小松高等学校の敷地内にあるのですが、生憎付近にクルマを停めるような場所がみつからないという。やむを得ずそこからちょっと離れた何とか大丈夫そうなところに停めさせて貰い、駆け足で見て回ったのですが、後から考えれば、市役所あたりに停めさせてもらって、そこからちょっと歩けば良かったんですよね。

【天守台】
天守台
【天守台脇の階段】
天守台脇の階段
【本丸石垣 その1】
本丸石垣 その1
【本丸石垣 その2】
本丸石垣 その2
【本丸から旧二の丸方向を望む】
本丸から旧二の丸方向を望む
 それでこの天守台と石垣。江戸時代になってからの改修の際に作られたものでょうか、石はキッチリと加工されたものが用いられていました。また、写真は撮っていないのですが、本丸の北側には梯川(かけはしがわ)という川が流れていて、現地の説明版によると、城があった当時から堀代わりになっていたようですね。それにしても、入って大丈夫っぽかったとはいえ学校敷地内でカメラを持ってウロウロするのは、ちょいとばかりスリリングでした。

【芦城公園入り口】
芦城公園入り口
【公園内の日本庭園】
公園内の日本庭園
【前田利常公像】
前田利常公像
 天守台と石垣を見た後は、クルマを市役所近くの駐車場に移動させ、元々お城の三の丸だったという芦城公園へ。ちなみに、芦城(蘆城)とは小松城の別名で、その名のとおり、かつてこのあたりは蘆が生い茂っていたんでしょうか?で、公園には、当時を偲ばせる物はないように思えたのですが、実はこちらでのお目当ては、加賀藩第2代藩主にして加賀前田家3代当主であらせられる、前田利常公の像。前田と言えば前田慶次(漫画)と前田利家(大河ドラマ)くらいしか知らなかった頃、その人となりを知ってたいそう興味を引かれたんですよね。

感想とかまとめとか

 というわけで小松城だったのですが、遺構はほとんど残っていないものの、その規模と難攻不落さ加減は、城跡を歩くことによって、今でも何とか実感できました。それにしても、江戸時代に入ってから、隠居城という名目で超実戦的なお城を築いてしまうなんて、前田の殿様って、何ていうか、ものすごくロックですねぇ。

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