趣味の活動記録。
【タイトル題字:細身のシャイボーイ様】
前の記事やその前の記事でも書いたとおり、今回、長崎でのちょっとした用事のついでに、佐賀競馬場に来ることが出来ました。もっとも、ついでと言っても、この佐賀競馬場で丸一日過ごすために、用事の前日に九州入りし、また飛行機はわざわざ福岡空港発着の便(佐賀競馬場までの距離は佐賀空港とほとんど変わらないうえ、羽田早朝発の便もあるから佐賀空港着の便よりも1時間近く早く競馬場に着ける。)にするなど、どちらが主目的かわからなくなっているのですが。
はじめに、今回お伺いする佐賀競馬場ですが、佐賀県鳥栖市にある地方競馬の競馬場で、所有者及び管理運用者は、佐賀県競馬組合。
元々佐賀県には、佐賀市の西神野(現在の神園3丁目)に、昭和4年(1929年)5月、1周1000m、幅員16mの走路を持つ旧佐賀競馬場(西神野競馬場)が落成し、昭和14年(1939年)までは毎年春秋2回の競馬が開催されていたそうで。しかし、太平洋戦争へと向かう流れの中、昭和15年(1940年)11月からは鍛練馬競馬となったものの、戦争の激化により昭和18年(1943年)には中止に。そして場内の施設は、軍需工場や新聞社として使われ、走路は畑となってしまいました。
そして戦後、一般の馬事愛好者達によって県と占領軍の許可を得て、昭和21年(1946年)10月17日から競馬を4日間開催しりしたのですが、昭和23年の(現行の)競馬法施行によって公営化。当初は県営、そして佐賀市による市営の他、その後、風水害などの自然災害の被害を受けた市町村による事務組合が3つ組織されたのですが、その後統合や法的なからみによって昭和43年(1963年)からは佐賀県と佐賀市で作る佐賀県競馬組合によって競馬が施行されるようになりました。しかし、競馬開催回数の増加による周辺地域の混雑激化に加え、競馬場周辺の宅地化によって色々な問題が出てきたため、昭和47年(1972年)から鳥栖市に建設される現在の佐賀競馬場に移転することとなり、旧競馬場を2月末で廃止。7月からは新しい競馬場での開催が始まると共に、主催者も佐賀県と佐賀市で作る一部事務組合から佐賀県と鳥栖市で作る現在の佐賀県競馬組合に替わりました。
その後平成に入って、12年(2000年)9月に有料指定席の改修完了、12月に交流レース用の厩舎が整備されると共に、それに先立つ6月からは大分県の中津競馬場、熊本県の荒尾競馬場と連携して『九州競馬』をスタートさせましたが、その翌年に中津、そして平成23年(2011年)に荒尾は廃止になり、それら廃止された競馬場に所属していた一部の調教師や騎手が佐賀競馬場に移籍することとなりました。また、平成13年(2001年)からは、荒尾競馬場、そして岩手県競馬の盛岡競馬場、水沢競馬場とも連携し、荒尾の廃止後も『M&Kジョッキーズカップ』として岩手、佐賀の所属騎手による交流競走が行われています。ついでに、特徴的なレースで言うと、九州出身の騎手を招待しての交流競走『里帰りジョッキーズカップ』も行われていますね。それと、九州競馬の廃止に伴い重賞格付けが一時廃止となったのですが、平成25年から開始されたJRAのI-PATによる地方競馬勝馬投票券発売にからんで、数多くの重賞競走が新設され、その際S-1、S-2とグレード分けがなされました。(新設重賞は大半がS-2?)
そんな現在の佐賀競馬場の施設ですが、まず特徴的なのが、収容台数1万台と言われる国内の公営競技場随一の規模を誇る駐車場。ただし、来場はクルマが前提と言うことで、城内での酒類の販売は一切行われていません。またスタンドは、鉄筋コンクリート(一部鉄骨)造で地下1階、地上3階一部4階建ての15000人収容という立派なもの。それと、全国で唯一という右回りのパドックも有名です。
最後にコースですが、右回り1周1100m、幅員24mのダートコースで、第2コーナー奥と第4コーナー奥にはポケットが設置されています。更にその内側には1周1000m、幅員18mの調教用コースも設置。高低差は1mとほぼフラットで、最後の直線は200m。そしてレースの施行可能距離ですが、900m、1300m、1400m、1700m、1750m、1800m、2000m、2400m、2500mですが、1700mと2400mは近年使用されていません。そしてフルゲートはいずれも12頭立てとなっております。
そんな佐賀競馬場ですが、冒頭で書いたとおり、今回は福岡空港からお伺いすることに。
【羽田空港で出発を待つJAL301便】
【今回借りたレンタカー】
【太宰府ICから九州道へ】
【佐賀競馬場入口】
午前3時頃自宅を出発し、雨の中、東北道と首都高経由で羽田空港に到着。羽田からは午前6時20分発のJAL301便に搭乗。曇り空の福岡空港には、定刻の午前8時15分よりもちょっと遅れて到着。すぐさま予約していたレンタカーを借り、午前8時50分頃出発。金の隈入口から福岡高速、そして太宰府ICから九州道に入り鳥栖ICまで。で、佐賀競馬場がある鳥栖市に近づくにつれ、晴れ間が増えてきたのは嬉しいです。
【駐車場から見た競馬場】
その後、鳥栖市内を走って午前9時40分過ぎに、佐賀競馬場名物の1万台駐車可能というとてつもなく広い佐賀競馬場の駐車場に到着。(クルマを停めたここだけじゃなくて、競馬場の周囲で合計1万台ということだと思いますが。)この頃には九州の、強い初夏の日差しがわりとカンカンという感じで。それにしても、佐賀競馬場は瀟洒というか、地方競馬の競馬場って申し訳ないですが薄汚れた色の建物群というイメージなのですが、ここはどの建物もタイル貼りのシックな感じが良いですね。
【予想新聞販売所】
【購入した専門紙】
入場口左手には、専門紙の販売所が。ちなみに、佐賀競馬には「通信社」と「日本一」の2紙があるのですが、同行者の分とあわせて1部ずつ購入してみました。
【入場口】
【入場したところ】
それで開門時刻は過ぎていたので、早速コイン式のゲートを通って入場。そういえば今年は、競馬場が鳥栖に移転して40周年ということで、入場口のうえや場内にその旨書かれた看板が設置してありました。
【場内の様子】
【食堂街】
【児童公園】
入場後は、とりあえず場内をさらっと見学。敷地的には結構余裕がある感じですね。また、入場口から第4コーナー寄りにある食堂街は、結構な数のお店でシャッターが閉まったままだったのが、時代の流れというか残念というか。あと、児童公園にあったふれあいポニー広場は閉園していました。
【パドック】
【騎手待機所と出走馬表】
前述のとおり、佐賀競馬場のパドックは日本で唯一ここだけの右回り。その理由については他のサイトにも記述があるのですが、江戸時代に当地にあった佐賀藩のバイブルとされた『葉隠』(「武士道とは死ぬことと見つけたり」で有名)にも現れているように、当地では武士道精神、いついかなる時でも武士はとしての心構えを怠るな、といったことが重んじられた結果、抜刀するため右手を常に空ける=馬の引き手は左手になる=引き手を馬の内側とするためには右回り、みたいな理由でそうなったような話を聞いたことが有るような無いような。もっとも、写真のとおり今は右手で馬を引く人も多いですし、また世界的に見ると、フランスのロンシャン競馬場やイギリスのアスコット競馬場、香港のシャティン競馬場なんかも右回りみたいなんですけどね。あと、騎手の待機所がオープンだったり、出走馬表が手書きだったりと、特徴が多いです。
【馬場入りする競走馬】
パドックの後は馬道を通って、第1コーナー手前から馬場入り。確か佐賀競馬場に誘導馬は居た筈なんですが、この日はお休みのようでした。(実はこの時の記憶が曖昧というか自信がなく、撮った写真のデータを見直しても1枚も写っていなかったんですよね。)
【スターター】
【スタート!】
スターター車はカラーリングから以前どこで使われていたかわかりますね。そしてスターティングゲートは地方競馬でお馴染みの宮道式でした。
【スタート直後の競走馬】
【最終コーナーをまわる競走馬】
佐賀競馬場では、走路の内側をかなり空けて走るんですね。特に最終コーナーの写真だとよくわかると思うのですが、やっぱり、内側は砂が深かったりするんですかね?
【ゴール直前の攻防】
【ゴール板】
ゴール板は緑と白のシンプルなもの。それにしても、「緑に囲まれたレジャー施設」という公式ウェブサイトに付けられたキャッチコピーがまさしくそうというか、どの写真を見ても緑が写っています。それと、写真とは関係ないのですが、佐賀競馬場にはその他にも「It's A Green Dream」というキャッチコピーがあり、しかもそれをタイトルとした曲が競馬の合間(確か第6レース終了後あたりに)流れていました。
【大型映像装置と着順掲示板】
馬場内には非常に立派な大型映像装置がありました。ちなみに、マスコットキャラクターから名前を取って「パッカルビジョン」という愛称が付けられています。
【ハロー掛けするトラクター】
【散水車】
個人的にとても気になる、競馬場で働くクルマ。ちなみに、ハロー掛けに使われているトラクターはイギリスのマッセイ・ファーガソン社製でした。
と、例によってダラダラと長くなってしまいましたので、今回はこのあたりで記事を一度切らせていただきます。で、次回は、スタンドまわりと競馬場グルメ(前の記事や前々の記事)などについて。
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