趣味の活動記録。
【タイトル題字:細身のシャイボーイ様】
このところ暫く続いた台湾がらみの記事ですが、最後は例によって、旅のおぼえがきを。
個人的に台湾については、今から約30年前、私が敬愛する紀行作家、宮脇俊三氏が1980年当時の台湾の鉄道(ほぼ)全線に乗った時の模様を綴った『台湾鉄路千公里』という著作を読んで以来、「いつか行きたい。そしていつか台湾の鉄道に乗りたい。」との思いを抱いておりました。で、かつて何度か行こうとして色々と調べたこともあったものの、諸事情により断念。そんなこんなしているうちに当時高校生だった私もすっかりと歳を取り、その時に読んだ文庫本もすっかりボロボロになってしまいました。
そんな中、ここ暫くのあいだ毎年行っている、仲間うちでの積み立て旅行の行き先が、今年は何と台湾に決定。これはチャンスとばかりに、久しぶりに台湾について、そして台湾の鉄道について調べたのですが、2007年に台湾高速鉄道が開業し新幹線が走り出したことは知っていたものの、他にも、台北と高雄には捷運と呼ばれる地下鉄(と新交通システム)が開通し、特に台北のものは100kmを越す路線長になっていたり、台湾の国鉄に相当する台湾鉄路管理局の列車種別兼列車名が自強号、莒光号、復興号といった従来の政治的スローガンに基づくもだったのに加えて、特定の車両を使う一部列車には太魯閣(タロコ)号や普悠瑪(プユマ)号といった公募による愛称が付けられていたりと、以前調べた時と較べていろいろなところが変わっていて、ちょっとした浦島太郎状態になりました。
と、ここまで台湾とその鉄道への思いを吐露しておいて何なのですが、今回、鉄道についてはスッパリ諦めることに。やる気になれば二泊三日のうち初日の午後、二日目丸一日、そして三日目の午前中は自由行動に充てることも出来たのですが、個人的に20数年ぶりの海外旅行かつ初めての台湾であることと、そして何より、個人的な事情によって今回の仲間との旅行が今年で最後になるかもしれなかったので、今回は皆が行くオプショナルツアー全てに同行することにしました。また、今回、台北の市内観光を済ませておけば、次に台湾に来た時、乗り鉄に専念できるという目論見もありまして。それで20数年ぶりにパスポートを取得。毎年この時期に山場を迎える仕事も前倒しで何とか片付けて、あとは出発を迎えるのみとなりました。
【羽田空港国際線ターミナル】
今回、台湾へは羽田発のエバー航空で渡るのですが、空港までは乗り合いで行くことに。というわけで午後5時半に栃木県某所に集合することになっていたのですが、20数年ぶりの海外で緊張したのが、朝からお腹がピーピーピー。なのでいきなり若干遅刻という仕儀と相成りました。もっとも、迷惑具合においては同行者達もどっこいどっこいというか、羽田空港に向かう車内、何も考えずにビール飲んで首都高走行中に放尿させろと騒ぐという、仲間内で毎年繰り返される、ある意味お約束の駄目っぷりでしたが。そんなこんなで今回クルマを停める民間駐車場に到着。そこから送迎バスに乗り換えて、午前9時過ぎに羽田空港の国際線旅客ターミナルに到着しました。
【搭乗したエバー航空の航空券】
【出発前にいただいたビール】
【出発前にいただいたかき揚げうどん】
羽田空港は個人的にわりと利用していると思うのですが、国際線ターミナルは初めて。それで当たり前ですが、さすがは国際線ということで外国人も多く、国内線の第1、第2旅客ターミナルとは全く雰囲気が違うんですね。で、まずはチェックインなのですが、航空券を見て驚いたというか、エバー航空がハローキティ推しというのは何となく知っていましたが、航空券にまでそれがあしらわれているとは。その後、空港内の銀行で円からNT$に両替。紙幣には圓と書かれているのにも少々驚き。(更にこの後、現地のお店での表記が元だったことに更に驚くのですが。)この期に及んで、ようやく海外に行く実感が湧いてきました。その手保安検査所を通過し、多少時間があったので出発ロビー内のフードコート的ところで、ビールと共に遅い朝食を。機内食まで我慢すれば良かったのですが、この時かなりの空腹で、また機内食は軽食的なものと聞いていたので、「軽いものなら」といただいてしまったのですが、別記事であげたかき揚げうどんが予想以上のボリューム!別添えになっていたかき揚げをつまみにすべくビールをもう1本追加し、食べ終わった頃にはすっかり満腹になってしまいました。
【148番搭乗口から搭乗】
【機内エンターテイメントシステムの画面】
【安全のしおり】
【機内食】
【初めていただく台湾ビール】
【機内の様子】
【台北到着間近の窓からの眺め】
羽田空港から搭乗するのは、エバー航空(長榮航空)BR189便、午前10時50分発台北松山空港(臺北松山機場)行きで、使用機材は個人的に初めてとなるエアバスA330-300なのですが、なんと、ハローキティジェットと呼ばれる特別塗装機です。ちなみに、台北には松山の他、国際線ではメインの台湾桃園国際空港(臺灣桃園國際機場)もあるのですが、ここが今回、幹事さんのこだわったところ。台北市内から遠い桃園空港だと、今回のメンバーが旅慣れた人ばかりなら各自バスなど使って移動できるのですが、私を含めほとんどが台湾は初めてで、更にはクルマばっかり使う栃木の人なので公共交通機関に慣れてない(鉄道の乗り換えに苦労するレベル)人も多くいるということで、台北市内にある松山空港着のこの便を使うことにしたらしいです。(ちなみに、桃園空港利用の場合、旅行会社で用意した団体送迎バスがあるのですが、途中で土産屋に拉致られるとのこと。)と、話が逸れましたが、午前10時半前に搭乗開始となり早速機内へ。機内もハローキティ推しで、安全のしおり(安全須知)や機内エンターテイメントシステムのデモ画面にいたるまで、もう、全てがハローキティ。同行者でそれを理由に「(安全かどうか)おっかない」と言っていた人も居ましたが、日本に乗り入れている他の台湾の航空会社と較べると、確か、安全度ランキングでエバー航空の方がぜんぜん高いんですよね。で、また話が逸れましたが、BR189便は、ほぼ定刻に搭乗口を離れ、D滑走路からテイクオフ。エコノミークラスなのでもの凄くとは言いませんが、椅子は快適。CAさんは日本人も居て日本語も通じるようです。やがて水平飛行に移るとチキンorポークの機内食が出たのですが、ポークを選択。軽いと聞いていたのに結構ボリューミーというか、チキンはトマトソースにパスタと軽めに見えたのですが、ポークは豚の角煮的なモノにご飯、そこに更にパンが付くという。もっとも、味的には悪くないというか、変に尖ったところがない味付けで、結局完食。またその際、台湾ビール(臺灣啤酒)をお願いしたら、持ってきたのが食べ始めてから暫く経った頃だったのですが、このへんは食習慣の違いも影響しているんですかね?こちらも味的には悪くないというか、とても軽い口当たりが飲みやすく感じました。
【台北松山空港に到着したBR189便】
【タクシーから見た台北の街並み】
BR189便は3時間ちょっとのフライトを終え、定刻の現地時間午前1時30分よりも約15分早く、曇り空の台北松山空港に到着。スマホの機内モードを解除した途端、海外ローミングに関するエリアメールが届いたのには驚きました。で、ちょっと待たされたからドアが開き機体から降りて、空港内のトイレを利用したのですが、「トイレットペーパーを流すな」という意味の注意書きが扉に貼ってあり、またそれを入れるゴミ箱が備え付けられていることに、日本とは違うところへ来たことを実感。(トイレで実感するのもどうかと思いますが…。)その後入国手続きや預けた荷物の受け取りを済ませ、タクシーに分乗してホテルへ。ちなみに今回の宿は山水閣大飯店というところで、台北松山空港からは10分ほどだったでしょうか。その間、車窓から町並みを眺めたのですが、古めかしくも(高さ的に)結構高いビルが多数建ち並んでいることや、スクーターがやたらと走っていて、しかも2人乗りは当たり前で3人乗りしているものもあったりすることが印象的だったというか。あと、セブンイレブンやファミリーマートといった日本でお馴染みのコンビニも結構あるんですね。で、ホテルに着いた時、チェックイン時刻にだいぶ早かったのですが、チェックインの手続きや、羽田空港で借りたモバイルルーターのセッティングをしているうちに掃除が終わったとのことで、時間的にはまだ早いけど部屋を使えるようしていただけました。
【卓上に置かれたポットのお茶】
【金牌台灣啤酒】
【炒青菜(空心菜炒め)】
【欣葉滷肉(豚バラの角煮)】
【蚵仔煎(牡蠣オムレツ)】
【台式炒麵(台湾式焼きそば)】
早速部屋に入ると、指定されたトリプルの部屋は広くて、エコノミークラスのホテルにしては綺麗な印象。で、この後、今夜から早速オプショナルツアーに参加するのですが、その出発まで2時間くらいあったので、到着記念に台湾料理で乾杯するべく、日本語も通じたホテルのフロントで、欣葉(シンイエ)というお店を教えてきただき移動。後で知ったのですが、この欣葉お店はかなり有名らしく、また支店も数多く出していて、なんと日本にも出店されているんですね。それで、個人的には初めての台湾ということで、緊張しつつ皆にくっついて歩き、途中若干迷ったものの、とても立派な作りのお店に無事到着。そこで別記事にあげたとおり台湾ビールのちょっとだけ良いグレードをいただきつつ写真のものをいただいたのですが、どれもとても美味しかったというか、初めていただく本格的な台湾料理にもかかわらず、とても口に馴染みますね。それにしても、羽田空港以来食べ続けている気がするのですが、なんていうか、胃腸の調子は絶好調!朝、お腹を下していたとは思えない食欲でございます。で、美味しい台湾料理を堪能した後は、ほろ酔い加減でホテルに戻る道すがら、寝酒用の酒類を買おうと途中にあったセブンイレブンへ。缶酎ハイが売っていたので手に取ったのですが、日本のようにアルコール8度とか9度というのが無いんですね。あと、ストロングボウのシードルが普通に売っていたのでこちらも購入。一時シードルにはまっていた時期があるのですが、これ、日本だと(特に栃木のような田舎では)なかなか売ってないんですよね。それと会計の際、何も言わないとレジ袋が付かないことに驚いたというか、冷たい缶とペットボトル合計4本を抱えてホテルまで戻りました。
【オプショナルツアーのバス】
【高速道路から見た景色】
【九份手前で送迎バスに乗り換え】
ホテルに戻って小憩し、午後4時40分、ツアーバスに乗り込んで、オプショナルツアーに出発。映画「千と千尋の神隠し」の場所的モデルとなったという(ただし、ジブリ的には否定しているようですが。)九份(ジォウフェン)というところへ向かいます。それで台北市内を抜け高速道路へ乗り、約1時間の道程なのですが、このバスの運転手さん、隙あらばアクセル全開ですっ飛ばします。そういや、空港から乗ったタクシーもかなり飛ばしていた印象があるのですが、そんなところからも台湾を感じますね。で、その道中、市街地から郊外にかけて共通して目に付くのが、マンションになっていると思われる新旧の高層ビル。でも台湾って、地震も起きるし台風も通り道だし、そういう過酷な中で高層建築が発達するって、人口密度というか、住みやすい平地の少なさから来ているんですかね?そしてすっかり日が暮れ、高速を降りると、日本の昔の温泉場というか観光地の雰囲気がちょっとだけしてきて、九份の手前の駐車場に到着。ここから送迎バスに乗り換えていよいよ九份へと向かうのですが、週末で人手が多いためか、私を含め立っている人も多数出るほどの混雑でした。
【九份(の豎崎路と軽便路が交差する広場)】
【キャベツの炒め煮】
【麻婆豆腐】
【タケノコの煮物】
【ナスの炒め煮】
【鶏肉の炒め煮】
【スープ】
で、それ以上に混んでいたのが九份に着いてから。九份の観光って基本的に、「三横一縦」(横に3本、縦に1本)の街路をぶらつく感じになるのですが、三横(下から汽車路、軽便路、基山街という)の街路を貫く一縦の豎崎路という街路というか階段の、最初の区間となる軽便路との交差点まで登って出た広場は、もの凄い人口密度でした。それでその広場に面した九戸茶路というお店で、ツアーに付いている夕食を。軽食と聞いていたのですが、料理が大皿で5品と、白米、そしてスープという、普通の食事といって差し支えない量。またお味の方は悪くなく、キャベツとタケノコ、そしてスープはあっさり、麻婆豆腐とナス、そして鶏肉はピリ辛スパイシー。もっとも、スパイシーと言ってもギンギンに効いているわけではなく、どこか抑えめに感じるのは、先程欣葉でも思ったことでした。ただ、その欣葉で出発前にも満腹になるまでいただいてしまったので、残念ながらここではあまりいただけなくなってしまいましたが。
【豎崎路を登る】
【途中の建物】
【基山街の終わり】
【軽便路の途中から下界を見下ろす】
夕食後、いよいよ九份観光へと出発。そこで私たちも幾組かに別れたのですが、私たちの組はとりあえず豎崎路を一番上まで登ってみようということになり、観光客でごった返す階段をえっちらおっちら。階段の両脇には、飲食店や茶藝館と呼ばれるお茶を楽しめるお店、民芸品っぽいものを扱うお店や土産物店などが立ち並んでいました。それにしても、ここの観光客って、台湾の方や私たち日本人はもちろん、大陸から来た方々もいるんですかね?で、一番上まで登った後は、三横のうち一版高いところにある基山街(ここも結構な混雑でした)を歩いたのですが、ここは飲食店が多いようでしたね。ただこの時、時折鋭い臭気に見舞われたのですが、ツアーのガイドさん曰く「よくわからないうちに増えた」という臭豆腐を扱うお店のようです。その臭気攻撃を耐えつつ基山街の終わりまで歩き、今度は軽便路で夕食を取ったお店のあった広場まで。ここは先程までとうって変わって静かな小径というか、沿道のお店も夜は営業しているところが少ないようで。ただ油断して道の真ん中付近を歩いていると、前方からバイクが突っ込んで来たりしましたが。
【饒河街観光夜市入口付近】
【夜市を歩く】
午後7時半過ぎ、九份を後にして向かうのは、台北市内にある饒河(ラオホー)街観光夜市(饒河街觀光夜市)。その道すがら、ツアーガイドさんから九份という名前の由来(昔ここには9戸しか家が無く、誰かか麓の街まで買い物に出た際に何でも9戸分買っていったことによるとのこと。)や、これから向かう夜市での注意点(スリに注意。また屋台の食べ物は現地の人でもたまにお腹を壊す。日本人観光客はできれば食べない方が良いが、どうしても食べたい時は極力綺麗なお店で食べること。)などを聞きました。本当は、夜市の屋台で当地らしい食べ物をなんて思っていたのですが、生憎先程の九份でも食べられるだけ食べてしまっていたので、ここは素直に諦めた方が良さそうです。それでこの饒河街觀光夜市。ここも週末ということで大変な人手。その人混みの中、途中まで往復するだけで参ってしまったのですが、その原因が人いきれと、先程の九份でもやられた臭豆腐。実はこの臭豆腐こそ、今回の台湾でチャレンジしてみようと思っていたのですが、最初にその臭いを嗅いだ時、本能的に「これは無理だ。食べ物の臭いではない!」と思ってしまった次第で。(だって、うらぶれた公衆便所の臭いというか、動物性になった銀杏の臭いというか、とにかく、今の私のレベルでは太刀打ち出来ませんでした…。)そんなこともあって時間を余らせてしまったので、夜市の入口付近にあった松山慈祐宮という寺院にお邪魔してみることに。で、驚いたのが、午後8時過ぎだというのに寺院の中は人が多く、参拝者でしょうか?中にはお線香を持っている人も幾人かいました。
【お通し的に出てきた枝豆】
【イカの嘴とピーナッツなどを炒めたもの】
【干しイカ、干し豆腐、セロリなどを炒めたもの】
【茹で(蒸し?)海老】
【羊肉の炒め煮?】
【いただいたビールその1】
【いただいたビールその2】
饒河街観光夜市を後にして、午後9時頃にホテルへ到着。これで盛りだくさんな一日が終わったと思いきや、皆生憎、寝る前にお酒が飲みたくて仕方がないという状態でして。それでホテルのフロントで教えて貰った鮮定味というお店に行くことになったのですが、これが熱炒(ルーチャオ)と呼ばれる台湾式の居酒屋で、楽しい!、そして美味しい!お店でした。詳しくは別記事に書きましたが、どの料理も味付けにパンチが効いてて、ビールが進む進む。(ちなみに、無料の白米もあるのですが、飲まなくてもご飯が進む進むと思われます。)決してお腹は空いていなかったのですが、八角の効いた枝豆で飲み、塩コショウとニンニクと唐辛子が効いたイカの嘴とピーナッツ炒めで飲み、干しイカや干し豆腐などを炒め合わせた台湾名物でもある客家料理で飲み、新鮮プリップリっな海老で飲み、今回いただいた中で一番スパイシーかつ辛かった羊肉で飲みと、当地の居酒屋メニューを堪能。また、まわりお客さんも盛り上がっていたというか、前の卓はサイコロの数当てゲームに興じていたり(盛り上がりすぎてお店のオバちゃんにガチで怒られていた。)、後ろの席ではどう聞いても口喧嘩みたいな口調で会話していたりと、台湾の雰囲気を満喫しました。
というわけで、書いてるうちただの旅行記になってしまったのですが、内容が薄いくせにボリュームだけが増えてしまったので、今回はこんなところで。次回へと続きます。
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